kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

そば処 大善 五目そば

今日は、かつて蕎麦修行をしていた時の『そば処 大善』のメニュー、温かいそば『五目そば』を作ろうと思います。

よく親父さん(店長)に怒られたのが「かけそば」とか「玉子とじそば」「月見そば」「とろろそば」とかの油の入らない「かけつゆ」があるんですが、その『かけつゆ』には「絶対に油を落とすな!」とキツく言われていました。

「かしわそば(鶏肉が入る)」や「天ぷらそば」「たぬきそば(天かすが入る)」「雑煮そば(鶏肉が入る)」「鍋焼き(鶏肉が入る)」など、油が入る蕎麦と一緒に作っていると、忙しい時なんかは天かすとかが狭い厨房で作業していたらピッと飛んで入ることがあるんですよ。

一番間違いが多いのは菜箸の扱いと、特に鍋の使い分けなんですが、蕎麦によって分けて使っていたんです。

油物のかけつゆ専用の菜箸と鍋、油を使わない「かけつゆ専用」の菜箸と鍋を間違って使う時点で、まず店長か奥さんにバレるんですが。

基本、カレー南蛮そば用の鍋、かしわと天ぷらとたぬきと雑煮そば用の鍋、かけそば用のみの鍋、五目そば用の鍋と厨房に4つ「かけつゆ」を沸かす鍋があったんですね。

特によく出る「かしわそば」はヤバい。

鶏肉の脂が一番まずいんですよ。

純粋な「かけつゆ」が鶏臭くなるんですよ。

かしわと天ぷらは合わせても基本どっちも油なんで、サラッと熱湯に鍋を潜らせればかしわの脂は取れます(頻繁に鍋は洗っていましたが…)。

「はっ!まずい!」と失敗してしまった時、誤魔化せる時は誤魔化してましたね。

店長や奥さんが気付いてない時に、しらばっくれて蕎麦が出来上がったら、火にかけた「かけつゆ」を器に移してから、カウンターへサッと出して…自分でホール側に回り込んでお客さんのところへお持ちしたら、バレずに済む時があるんです。

でもホールの方に人がいて、油が入ったかけつゆのそばを見られると、パートの人によってバレるんですよ。

パートさん「あれ?店長、これ“かけ”ですよね?油浮いてますよ」

と言われたが、最後。

店長は俺の方を睨んで「一言文句を言う(それが誰であっても)」。そして速攻で洗い場の横にある排水用目皿(客が余した蕎麦やご飯ものを捨てる場所)に、作ったばっかりの蕎麦をザバー!っと捨てるんですよ。

そして、新たに作り直すんですよ!

そばとかけつゆが勿体ないし、何しろ厨房とホールの空気は悪くなるし、店長がキレてるし、

一番はお客さんが待たなきゃいけないし!イライラするし!お客さんに持っていくのは大抵俺だったし!

なんと、ヘレン・ケラーの三重苦!四重苦!

失敗をバレないようにしていた理由は、注文したお客さんの時間の為と食材の勿体なさから来ていた気持ちだったのですが、それはのちに間違いだと気づきました。

教えたバイトの子がよく間違ってたのが、自分も登竜門だった「五目そば」で「天ぷら」と「かしわ」の鍋は共通して使用して良いのですが、「五目そば」の場合、「かけつゆ」の中に入れてひと煮立ちさせる、ボイル海老からの油が出るので五目の「かけつゆ」鍋だけ別使用で専用だったんです。

何故そんなところにこだわるのか?

当時は凄く不思議で疑問でした(19歳だったし…)。

せっかく出来た「蕎麦とかけつゆ」を「油が浮いてる、浮いていない」で捨ててしまうのは良いことなのだろうか?

『そば処 大善』を辞めてから蕎麦を好きになり、あらゆる蕎麦屋さんに行くようになって「ああ、なるほどな…」と分かるようになりました。

色々と蕎麦屋さんを食べ歩き、「かけそば」のみを頼んでみて、かけつゆの器やつゆの上に油がふわーっと浮いているのを見ると、食べる気を無くしてしまいますね。

「もりつゆ」と「かけつゆ」は油が入ってしまうと、まったく味が変わってしまうんですよ。

基本的に油というのは、何でも大抵の料理に入れれば美味しくなります。

出汁つゆだけで「蕎麦」を勝負するには、油は必要ないんです。

現在、絶賛断者離中なので手持ちの道具じゃ「大善の蕎麦」と「もりつゆ」を再現は出来ませんので、市販の蕎麦ともりつゆで代用させていただきます。

干し椎茸を作るのは「親子鍋」で別に甘じょっぱく煮て置きます(醤油3:みりん:1酒:1三温糖少々)。「かけつゆ」に旨みが出るのでこれだけはやっておきます。

見た目が好きなんですよ。この「五目そば」は。

とてもあっさりしていて、具材も多くて見て楽しめるお蕎麦です。

用意する具材は、

ゆで玉子½、甘じょっぱく煮た干し椎茸1カケ、ほうれん草ほんの少々、ボイル海老1尾、紅白かまぼこ1枚、お麩1個、海苔(お麩に乗せる)1枚、長ネギ少々、あとは蕎麦とかけつゆ。

以上です。

「かけつゆ」鍋は断射離中の為に現在は鍋一つしかありませんので、まずは更科そばをかなり固めに茹でて、プラスチックのザルに置いておいて、すぐに「かけつゆ」を沸騰させます。

沸騰したら「ボイル海老」と「干し椎茸」を投入して、少し煮立たせます。

さぁ、蕎麦を冷水で洗って(蕎麦は温かい蕎麦でも冷水で必ずしめます)、蕎麦を温かくするため「かけつゆ」にサッと入れて、火を止めます(本来はそば湯に潜らせます)。

あとは具材を乗せて行くだけです。

はい出来上がりです!一味(七味も良し)をかけて…

いっただきっまーす!

旨かった( ・ㅂ・)و ̑̑ナイスゥ!

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