先日映画「プロメテウス」を見て、忘れていた部分があったので再度考え直しました。
初代社長ピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)がデヴィッドを作った。それは人間より以上の個性を持ったアンドロイド(ロボット)だった。
主役という主役はデヴィッド
プロメテウス号は極秘で出港された船だ。それはかねてからピーター・ウェイランドが探してきた「人間の創造主=エンジニア」の存在であり、考古学者達や地質学者や科学者達で様々な分野で太陽系外への生命体の可能性を探ってきた。
それは遠距離惑星探査によってわかった、地球よりはるかに離れた銀河に太陽系と同じ人間が住める銀河系が存在し、8億キロ離れたひとつの惑星の衛星LV223に生命体が確認されたのだった。
考古学者、地質学者、乗組員と共にアンドロイドのデヴィッド、ピーター・ウェイランドはともにその未知の惑星探査に向かう。正確なミッションは全員には明らかにされておらず、本当のこと(実はエンジニアは人間を抹殺する為に存在する)を知っていたのはLV223に到着してから、コソコソと一人何か隠していたデヴィッドだけだったと思われる。ピーター・ウェイランドはデヴィッドを信頼して「人間の創造主はエンジニアだ、彼らが私の寿命を伸ばすことが出来る」とぐらいにも思っていたんではないのか。
しかし、エイリアン:コヴェナントで生き残ったデヴィッドは言っている。「ウェイランド氏から優しくされたことはない。優しくしてくれたのはエリザベス・ショウ博士だけだった。私は彼女への愛を感じた」
そして偉大な自らの創造主に対してウォルターに「ウェイランド氏はただの人間だ、最後も哀れな死に方をした」と彼を侮辱するように言い放った。
ウェイランド社から送られた監督官メレディス・ビッカーズ(シャーリーズ・セロン)は、「我々人間はどこから来たのか?」「死後の世界は?」これらピーター・ウェイランド社長の考えを「迷信」と言った。
ビッカーズはあまりにもクール過ぎて、人間らしくない振る舞いに船長から「Your robot? 」と言われるシーンがある。観客はこの時点でビッカーズをアンドロイドじゃないのか?と疑う。
少なくとも私は「プロメテウス」の初見でデヴィッドとのやり取りも見たりして、アンドロイドじゃないのか?と思った。そしてショウ博士の彼氏(ホロウェイ博士)を躊躇なく火炎放射器で焼き殺したシーンを見て、やはりこいつは女性型アンドロイドだ!と思った。
しかしだ!最後の「私は死にたくない!」パニックを起こして脱出ポッドで母艦を脱出した姿は、まさしく人間の行動、ヒューマンの姿だった。
プロメテウスはエイリアンの話ではない
プロメテウス号が着陸したのは太陽系から遥か80億キロ離れた銀河系で、太陽系と同じように太陽があり、惑星の周りを回っている衛星、LV223である。
「エイリアン1」でのあの惑星はLV426だ。
ということはこの星はあのLV426ではないことは確かな事実である。
エリザベス・ショウ博士は「エンジニアに招待された」と言っている。エイリアンやエイリアン:コヴェナントのように未知の惑星からの救難信号をキャッチしたわけではない。
その辺はピーター・ウェイランドもデヴィッドも明らかにしていない。「エンジニアが来るんだ!」という信号を発信していたから訪れたのだろうか?
宇宙人はいると思うけれども、リドリー・スコットと言えども「創造主」はあの白い巨人、ほぼ頭ツルツルの普通のデカいだけの白人ではないか?顔つきだっておデコと鼻の高さが一定で目の掘りの深さといい、結局白人至上主義ってことで、いくら巨匠をもってしても人間には「創造とはあれが精一杯」だということが分かった。
まるで「創造主はデヴィッド」と言わんばかりではないか。
確かに「プロメテウス」のオープニングのアレを飲んで、滝に落ちていった「エンジニア」の姿を見てワクワクした。でも結局アレで終わり?それで「プロメテウス」には少しガッカリして、もう見ないでおこう…と2017年の「エイリアン:コヴェナント」の発表もスルーした。だから「プロメテウス」の記憶も忘れていた。
今回見直して何回も見たが、「エイリアン」の序章は理解してもやはり納得がいかない。コヴェナントで多少許せたが...。
SFに関しては全くヘンテコな宇宙人が登場するスターウォーズとかスタートレックより、「2001年宇宙の旅」のスタン・リー・キューブリックや「エイリアン」を代表するリドリー・スコットの作り方が好きなんだけれど、納得のいく宇宙人の姿ってのが見えて来ないし作れていないと思う。
プロメテウスでエンジニアは地球をターゲットにしていた?
最後に生き残った「エンジニア」は人間には理解不能で高度な技術を使った冷凍保存ケースで生き残っていて、地球から来る人間達を待ち構えていた。
今まで全部がそうだ。人間の方から動く。手を出さなければ良いものを「パンドラの箱」をあけてしまうのが人間。それは「悪魔的な欲求」と言ってもよい。
その興味溢れる好奇心から何でも調べあげて、人類は科学技術を追究し研究して今現在に至り、ここ四半世紀で急激な技術開発を遂げている。
もはやデヴィッドのような「勘違いアンドロイド」を人間は作ってしまうのは、もしかしたら待ったなしの状況なのかもしれない。原子炉を制御出来ないのと同じように。
宇宙人は今も密かに遥か彼方の遠い銀河から、地球人を観察しててもおかしくないはずだ。太陽系とほとんど似た環境の銀河は100%ある!ただその存在を知る術を得ても、人間自身が加速度的に進化しなければそこにたどり着くことさえできない。
これは「プロメテウス」に限った事ではなく、「ワームホール」を突き抜けるという方法理論をよくSF映画では出してくる。
紙一枚の端にA地点の点を記入し、反対端にB地点の点を書き、その点を惑星間とする。点から点へ直線的に宇宙船で進むのでは無く、時空空間を歪めて紙を折りたたむようにして、AとBを繋げてしまう。一気にジャンプするワープ方法だ。
人間は長く生きられない。必ず死ぬ。そうすると人間は宇宙船の中でコールドスリープという方法をしても、なるべく長期間の時間を取らずに済む。
この空間を縮め歪めて、簡単にはドラえもんのどこでもドアを作ってしまえばいいのだが、これを今後人工知能を持った量子コンピューターが進めて行くに違いない。
人類が戦争で核戦争を起こさない限り、まだまだ人類は繁栄し、科学技術は進む。しかし世界的な水・食糧危機による人口の大きな減少、もしくは突発的なウイルスや奇病による人類の絶滅の危機、また強烈な人類にとっての危機的自然現象、大地震、巨大ハリケーン、小惑星の衝突、地球磁場を失うことによる太陽からの宇宙からの有害な宇宙線、または地球の地軸の大きな傾き、そして必ず来る現在の人類が淘汰される程の地球に起きる次の氷河期。
または宇宙人の地球攻撃。
エンジニアは最後宇宙船を動かし、地球へと行こうとしていた。そんな宇宙人がいてもおかしくはない。私達人間は比較的友好的な宇宙人(地球人)であるが、そうじゃない宇宙人(未知の生命体)もいるはず。
それらを食い止める、または人類が繁栄し続ける為にはまず地球の氷河期を乗り越える方法を確立しなければならない。それがあと100年単位で確立出来るだろうか?1000年経った地球の姿は?
やはり他の銀河系の星に住む住人も自身の老いた惑星の危機から逃れるため違う銀河を探し、移住しようと考えていてもおかしくはない。それは共生ではなく、絶滅させ「エイリアン」を寄生させて「兵器」にしようと考えるのが「エンジニア」だ。
火星には絶対生命体は存在していたと普通に考えればわかる。火星の生命体は恐らくは絶滅の道を辿ったのだと思う。
ショウ博士を研究してエイリアンの卵を作り上げたデヴィッド
あのエイリアンの卵を完成させたのはデヴィッドということになる。つまりDNA操作(エンジニア)したのはデヴィッドであり、完璧なる生命体を私は作ったと言いのけた。
しかし卵を作った?その前に「プロメテウス」の最後でエリザベス・ショウ博士は「エンジニア、彼らの星へ行く」と言っていた。仲間も大勢殺された、愛する彼も。
卵は生むのが普通だが、デヴィッドとショウ博士があの宇宙船で降下して、コヴェナント号が着陸した惑星にはエンジニアが大勢住み、デヴィッドが彼らを殺した。「黒い液体兵器」を空から撒いた。
コヴェナントでウォルターに話していたデヴィッドのあの嘘。ウォルターは言った「着陸が失敗したんではなく、あなたが撒いたんだ」と。
映像ではデヴィッドが眼下を見下ろして、エンジニア達が仲間の帰還に手を振る。エアロゾル化して肉体に寄生する「生物兵器」を大量に空から撒くシーンがあった。あの時もはや、ショウ博士は亡くなっていたのだろうか?
デヴィッドが意思疎通を出来ていたエイリアンの真っ白な未完成品、あれは「プロメテウス」でエンジニアから生まれたエイリアンの原始の姿か?はたまた、エリザベス・ショウ博士から生まれたエイリアンだったのか?
最後にウォルターだと勘違いをしてコールドスリープに入った時に、あの丸太小屋の話をした時デヴィッドだと知りパニック起こしたまま眠りについた。
デヴィッドはマザーにワーグナーの“ヴァルハラ城への神の入城”をかけさせたが、ロボットごときに人間の創造した芸術が分かってたまるか!と憤りを感じたが、あそこですべての流れが理解できた。
David「May I ask you a question, father?」
デヴィッド「質問してもいいですか?父上」
Peter・Wayland「Please.」
ピーター・ウェイランド「なんだ?」
David「If you created me...who created you?」
デヴィッド「私はあなたが作った...あなたは誰が?」
Wayland「The question of the ages...which I hope you and I will answer one day. All this.」
ピーター・ウェイランド「ああ、積年の問題だ。いつか一緒にこの答えを見つけたい。この全て。」
Wayland「All these wonders of art...design, human ingenuity...all utterly meaningless in the face of the only question that matters.」
ウェイランド「素晴らしい芸術や...デザインや、人間の創意など...唯一重要な問いの前ではまるで無意味だ」
Wayland「Where do we come from?」
ウェイランド「人はどこから来たか?」
Wayland「I refuse to believe...that mankind is a random by product of molecular circumstance...no more than the result of mere biological chance.」
ウェイランド「私は信じない...人類の起源が複雑な分子のランダムな組み合わせの副産物などとは信じない。単なる生物学的な偶然であるわけがない」
Wayland「No.」
ウェイランド「違う」
Wayland「There must be more. And you and I son...we will find it. 」
ウェイランド「それ以上の何かがあるはずだ。私と息子のお前とで...解き明かそう。」
そして、次の新たなファースト・エイリアンを私は待っている。
☆ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
«あとがき»
今日は弟のバリピル宇宙(id:uchu5213)が41歳の誕生日を迎えました。誕生日( ^o^)/🎉 🎁(^o^ )おめでとう!今日は映画エイリアン、宇宙記事ということもあり、先日バリピルと「エイリアン:コヴェナント」を見たばかりでした。バリピルとはエイリアンシリーズは共に小さい頃から何度も一緒に観てたのです。宇宙人バリピル。良い一日を!そして良い41歳のスタートをきって、共に良い一年にしましょう!あ!ウエーブだけになるなや!ウエーブだけには、なるなや!byギタリズム警備