kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

NO DRINKING OR SMOKING

SF映画の中で宇宙船内で煙草を吸ったり、酒を飲んだりしているシーンがあるが将来的に可能なのか?

現在の宇宙ステーション(ISS)でNASAは、アルコールの持ち込みは実験の材料としてのみ許可している。

1979年の映画 エイリアンではノストロモ号の乗船員が冷凍睡眠から目覚め、食事を食べるシーンでケインが煙草をダルそうに吸っていた。

テーブル上に煙が充満しているので他の乗組員も吸ってるようだ。

1987年の映画 エイリアン2でも、リプリーが煙草を根元まで吸うシーンがある。


1997年の映画 エイリアン4では、実験宇宙船オーリガのベレス将軍と宇宙貨物船ベティの船長がレーザーで溶かしたウイスキーを飲んでいた。煙草も吸っている。

さらにベティの乗組員たちが、エンジン液を溶かしたようなものを大切な酒と言って飲んでいた。ちゃんとした酒は宇宙で住んでいる時代には手に入りずらく貴重なもののようだ。


2000年の映画 レッドプラネットでは、バーチナル役トム・サイズモアギャラガー役ヴァル・キルマーが船内でアルコールを蒸留させているところをボーマン船長役のキャリー=アン・モスに見つかる。

結果、皆んなで乾杯して酔っ払うわけだが...


2002年には映画 スターウォーズ エピソード2では青い酒が登場する。

宇宙空間でアルコールを摂取することも、煙草を吸うにもリスクの高い行為であり難しい問題である。

宇宙に行ったら酒と煙草は絶対駄目だ。


宇宙空間で喫煙

まず煙草から考えてみる。ここでは加熱式タバコや電子タバコは除外する。

宇宙ステーションにタバコを持ち込み、ライターで火を点け、煙草をくわえて息を吸う。

無重力状態の宇宙船内や宇宙ステーション内でタバコに火をつけて吸うことは難しい。

タバコに火をつけてもどうやら燃焼しない可能性が高い。

スペースシャトルやロシアの宇宙ステーション「ミール」の実験でロウソクの火を45分間燃焼させたことがある。これは「拡散」によって酸素が供給されたことであった。

拡散とは物質の濃度が場所によって違う時、時間と共に物質の濃度は同じようになること。

無重力状態で火が燃え続けたり消えたりするのは、対流が無いからだ。

対流とは流体の流れによって熱が伝えられる現象である。

また燃焼のために酸素を必要とするだろうが、燃やせば人が吸う酸素も減るし、火が燃焼することによって発生するCO2により、空気中のCO2の吸収が追いつかなくなってしまう。

仮に火が点いたとしても命の危険と背中合わせなのが「火災」である。

宇宙空間と非常によく似た閉鎖空間が海の中で活動する潜水艦である。水中は宇宙空間と環境がよく似ている。宇宙飛行士の訓練でも巨大プールを使って擬似船外活動を行う。

潜水艦内で火災が発生して酸素を燃やし尽くしてしまえば潜水艦はただの鉄くずとなり沈没し、乗組員は溺死して魚の餌となり死ぬだけである。

そんなリスクを負ってまで、ニコチン中毒の原因である1本の煙草を吸い、周りの人間全員を死に追い込むかもしれない“小さな火種”を船内に持ち込むのはとてもナンセンスな話。

煙草は世界のマーケット広告からは外されているし、2020年4月からは段階的に進められてきた改正健康増進法が全面施行されて、すべての屋内は原則禁煙となる。

今や映画、テレビドラマで煙草を吸うシーンはまったく見なくなった。煙草を吸うシーンなどは見るともう古臭く感じる。

煙草はもはや古い時代を指す嗜好品なのかも知れない。

しかも煙草は肺機能を弱らせる。

煙草と癌の因果関係は無いが、今回のような新型肺炎ウイルスに関して言えば、喫煙者が不利なのは間違いがない。

という訳で宇宙でタバコを吸うのは難しい。煙草を吸うなら、空気をいっぱい吸って深呼吸し、瞑想をして自分の中の宇宙と繋がろう。


宇宙空間で飲酒

次にアルコールを考えてみる。

様々な薬物の中で地味に最強の毒を持つアルコール。

常習すれば依存も強く、同時に身体へのダメージは大きいと言えるだろう。

飲みすぎると身体に良くないアルコールだが、宇宙で飲むとどうなるのか。

2015年にサントリー国際宇宙ステーションに積荷の一部に蒸留酒を送り出したとある。

目的は宇宙で酒の熟成は早いのかどうか?だが実験開始のニュースはあったが、その後の続報がSurfaceWebに見当たらない。

煙草は対流がない為に火をつけることが難しいのだが、逆にアルコールは無対流であるが為に酒がまったく動かずに分子構造が変化し、熟成を早めてまろやかになり美味しくなるという。

コロラド大学のプロジェクトチームが宇宙空間でのビール醸造実験でアルコール度数が上がったことを突き止めている。

日本人はアルコールには弱いが、アルコール耐性に強い欧米人、特にロシア人は大酒飲み。

奴らの考えそうなことだが、ロシア人宇宙飛行士は1980年代に当時のソビエトが開発した「ミール」内でコニャックを持ち込んだという。

現在でもNASAは宇宙飛行士の飲酒は禁止しているし、ロシアも公式で宇宙でのアルコール摂取を禁止している。

現実的に考えた時に果たして宇宙空間でアルコールを摂取した時、人間の体内で何が起きるのか?

宇宙ステーションは酸素がある場所だが、地上とは酸素量も気圧も違ってくる。閉鎖的空間で特に宇宙ステーションで事故が起きれば、酸素不足問題は付きまとうだろう。

似た状況で考えると地上以外のケースとなる。

まず飛行機内での飲酒。

経験がある方も多いだろうが、機内で飲酒するといつもより酔いを早く感じる。

それは何故か?

飛行機内では与圧装置により気圧が保たれているが、地上より2,000〜2,500メートル以上の高所を飛行しているので、どうしても0.7〜0.8気圧まで下がり地上より気圧に変化がある。0.8気圧だと地上の気圧とは2割違うことになる。

気圧の低下は酸素の分圧も減少することになり、体内に入ってくる酸素量も2割減る事になる。

そのような状態になると人の体は呼吸や脈拍を上げて適応しようとするが、それでも血液中の酸素濃度は低酸素状態となる。その機内での酸素飽和濃度は平均で92〜93%、90%を切ると低酸素レベルとなり、危険な状態に陥る。

つまりこの低酸素の状態がアルコールの酔いを早くさせていると言われている。

低酸素状態でアルコール摂取が危険なのはどう考えてもわかるはずだ。

また宇宙ステーションでビールなどの炭酸飲料の泡は重力がある地上では液体中を浮上して、空気と混じって消えるが、無重力状態では泡は浮上せずにその場にとどまり滞在し、出現する泡同士が繋がり、その泡は膨らみ続けて液体を外に弾き出し、やがて吹き出してしまう。

また炭酸飲料を飲んだ時に出るゲップなどが身体に及ぼす影響もある。

地上での生活でゲップは胃から上がって口から出るが、無重力状態ではお腹の中で液体と気体が混ざってしまっている為にゲップがお腹から出ず、かなり苦しい思いをすることになるそうだ。

まったく重力というのは凄い役割をしているものだ。

ということで、宇宙で酒を楽しめる日もいつか来ると思うが、現在では無理。禁止。

<飲食も喫煙も禁止>

お酒を飲むのも、ほどほどにしよう。

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