kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

パチンコ人生記 回る風車はクルクルと。【16】

☆この物語はすべてフィクションであり、登場人物団体等の名称は架空のもので実在のものとはなんら関係ありません。

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<登場人物>

<店長>猪田

<主任>坂下

<班長>湯川、大場、河東

<担当>桜田、高橋

<男性従業員>迫田

<女性従業員>保阪


─ 理不尽な指示命令

【河東のケース】

班長になってから、仕事もこなして来たしだいぶ覚えてきた。それにしても班長の仕事はキツイ。とにかく湯川に無理難題を押し付けられる。教えてもらったとおりに仕事をしても難癖や、いちゃもんをふっかけてくる。班長なんてなるんじゃなかった…まじで。

本音を言うと「辞めたくなってきた。クゥ(班長を退職した九藤)の気持ちがめっちゃわかったよ…」理由はとにかく初めてやる仕事をわからないから聞くと恫喝される。その恐怖により見て覚えることにする、やり方を見て盗んで知った風に半分分からないで作業をする。そしたらとんでもないトラブルが発生する。当たり前だ。そうなると鬼のごとく湯川と主任に怒られる。

最近じゃ店長まで文句を言ってくる始末。仕事は出来る方なのに湯川、主任、店長とまるで仕事の指示が全く違うことに頭を悩ませる。

まず湯川からの仕事の連絡がくる。班長が班長に指示するなんて同じ立場にないじゃないか?と不満に思うも、店長、主任からもらう重要な作業の指示はすべて湯川か大場班長が直接指示を受ける。

不条理な出来事は大場もたまに起こすが、ほとんどは湯川か主任である。

例を挙げれば枚挙にいとまがない。

「○○月○○日新台デビュー!」なんかのチラシやポスターを各玄関前にセロハンテープで貼る時に、貼るタイミングは店長から直接指示が下る。もしそれを無視して貼りだしたら大変なこととなる。

ある日の早番の新台入れ替え数日前、朝一で開店前に湯川から新台入替のチラシを従業員に貼らせていいと指示が来た。

俺「あれ?ずいぶんいつもより早くないっすか?」

湯川「主任から言われたから、チラシ事務所にあるでよ担当に渡して貼らせとけ」

俺「わかりました」

それを俺は各担当に指示し、担当、もしくは女性従業員に貼らせる。各玄関に貼り出すのでかなり手間と時間がかかる。

それは新台入替の数日前かも知れないし、前日かも知れない。チラシを発注するのが遅れたりすることもあった。新台入替前日までには何がなんでも必ずチラシは用意しなくてはいけない。

業者が下手うってチラシの納入期限がギリギリで店長は業者と揉めてた時もよくあった。

1階フロアインフォメーション側、換金所側、事務所側、駐車場側の玄関。

2階フロア駐車場側、事務所側玄関のガラスウインドウに大量にチラシを貼っていく。

チラシはガラスウインドウに貼るだけじゃなく、近所にもばら蒔いていたので何百枚という枚数をいつも用意していた。

店は開店した。客がなだれ込む中、数人が新台入替のチラシを見ている。

常連客「あ、来週月曜新台入んの?」

俺「はい、そうみたいですね」

早速動くことにする。

俺「業務連絡します、桜田係員インフォメーション側通路までお願いします」

桜田「了解しました!」

桜田さんは元ゴールデン大砲の主任。事情があって退職しバカラ札幌店にやってきた人だ。だから俺なんかよりずっとこの業界に詳しい。

よくこの業界について色々と教えてもらう、先輩である。しかし班長と従業員の上下関係。

俺「桜田さん、保阪さんにやらせてよ。お金集めとかあるからさ。ちゃんとテープ真横に貼らせてね、縦に貼らせたら駄目だよ。全部やり直しになるからさ」

1階はパチンコエラーとかでトラブルが起きたら大変だし、フロアスタッフの人数も手薄だから女子にやってもらうことにした。

桜田「了解です。あれ?これ1階フロア今から全部貼りますよ」

俺「お願いします」

そうして1階フロアからチラシを貼っていってもらった。チラシを持って2階フロアに上がる俺。

俺「業務連絡します、高橋係員カウンター通路までお願いします」

高橋「了解いたしました!すいません!当店河東班長すいません、中央通路3番パチンコ両替機千円札払い出しエラーです。お願いします」

俺「了解しました」

早速両替機エラーか、あのパチンコ両替機なんで札つまり起きるんだべか?いつもエアーでこまめに清掃してんのに。

この高橋さんも北24条にあったパチンコ店の元主任。パチンコやパチスロのエラーや機械などに詳しい。高橋さんはいつもハイテンションで元気だ。ちなみに桜田さんは29歳、高橋さんは32歳。俺は24歳。

両替機エラーを直して高橋さんに新台入替のチラシを渡す。

俺「2階は高橋さんに貼ってもらうかな?」

高橋「わかりました!」

2階フロアは男子従業員3人。あとの2人は迫田と若いヤツでまだ仕事もままならない。もしか汚くして貼られたら困る。高橋さんは仕事も早いし、その間俺が2階ホール巡回してるか…

湯川?湯川は事務所で台帳の計算をしてる。主任はデスクの上で多分グースカ寝てる。

チラシは貼り終わり、11時半頃に店長が事務所に出勤してきた。相変わらず普段着につっかけ(サンダル)。

そして、嫌な予感は的中。

猪田「業務連絡!河東班長、事務所まで」

俺「了解しました!」

チラシだろこれ。勘のいい俺はそう思った。2階から事務所側通路から階段室降りていきながら、ブロンを追って気合いを入れた。ブロンを飲み干すアクエリアスもとりあえずいらない。喉にブロン錠が引っかかってるけど唾液で流し込んだ。

コンコン、

俺「失礼します!ご苦労様です!店長おはようございます!」

猪田「おう」

猪田「あのよう、なんでチラシ貼ってあるのよ?俺主任にまだ貼るなって言ってたんだけど、河東おまえ勝手に貼らせたのか?」

キタコレ!来たよ!

主任と湯川は俺を睨んでる。は?

俺「え、えー、そのですね·····」

猪田「主任!おまえ班長に貼れって言ったのか!」

主任「いえ、何も言ってませんが…」

俺(はぁ?なにを言ったの?ちょ、おま。いま、おまえは?)

猪田「湯川班長、河東になんか指示したのか?」

いやいや、俺の言い分聞かないのかよ!

湯川「いえ、自分は何も·····」

おい!お前、なにとぼけてんだ!コラ!なめてんのかよ!

はめられた…

猪田「なんで勝手に貼った?河東。指示なく勝手にやるなよ!まだ仕事わかってないんだろ?なんでもかんでも!!」(激怒)

俺は主任と湯川の発言の手前反論はせず。仮に反論したら主任と湯川は大変なことになる。そのあと主任と湯川にいじめを喰らうのは目に見えている。

悔しいが俺が犠牲にならなくてはならなかった…。

猪田「なんで勝手に貼った?おい!」

俺「えーとですね、チラシが班長の机にありまして、これは貼らなければいけないと思い、勝手に貼ってしまいました。すみません。」

主任と湯川のバツの悪そうな顔!くぬやろう!くそが!

そこにインカムが入る。

従業員「業務連絡します!当店班長、1階中央通路7番券売機カードエラーです。お願いします」

俺「了解しました」

猪田「おい、湯川班長行って来てくれ」

湯川「はい、失礼します」

逃げやがった!湯川の野郎!

後で俺にどんな言い訳をするのか、覚えておけよ。

引き続きクソ猪田の説教は続いた…

猪田「おまえあまりいい加減な仕事してたら班長辞めさせるからな」

主任は机の上の書類を眺めてる。このくそ野郎がよう…

俺「はい!以後十分気を付けます」

猪田「さがれ」

俺「失礼します」

まず速攻で湯川のところに行った。

俺「班長!どういうことですか?班長貼れって言ったじゃないですか!」

湯川「ああ、あまり気にすんな」

おい!何抜かしてんだ?

俺「いや気にすんなで終わらせるんですか?」

湯川「だっておまえ自分で勝手に貼ったって言ってたじゃん笑笑」

なめてるよ、まじで。

俺「店長におまえいい加減な仕事してたら班長辞めさせるぞ!って言われたんですよ!なんで指示通りに仕事したのにあんなこと言われなきゃいかんのですか?」

湯川「みんな通ってきた道なんだって。だって昨日俺閉店作業後に店長達に閉店作業終了の報告しにいった時、釘叩いてた店長と主任が一緒に、かつ(主任)、明日よぅ早いけど朝一でチラシ貼らせてくれやって店長がいってたんだからよ」

俺「は?マジっすか?」

湯川「多分忘れたか、今日は機嫌が悪いんだろ…店長」

マジか…あのくそ猪鉄…(フルネーム猪田鉄矢)

主任「業務連絡ー。河東班長事務所おまわりください」

俺「了解しました」今度はなんだ?

事務所には主任だけしかいなかった。あのくそ店長は?

主任「班長、わりぃけどチラシ全部はがしてくれないか?」

は?!

俺「わ、わかりました…」

主任「すまんな、河東班長」

俺「あ、はい。」

その後1階2階フロアの担当桜田さん、高橋さんを1階のインフォメーション側通路に呼んで事情を話し、担当の仕事の方が早いんで2人に貼り付けたチラシをはがしてもらうことに…。

高橋「いやあ~あり得ないですよ、ひどいっすね!」

桜田「班長、よくキレなかったですね」

俺「仕方ないよね、最近風当たりが強いんだよね。とりあえず急いではがしてもらえますか?お願いします、すんません」

桜田、高橋「了解です」

その後担当が従業員の昼休憩を全員回して、湯川の昼休憩が終わったので一番最後に俺が昼休憩入る。12時45分を過ぎてた。ちなみに昼休憩は一時間。しかし両替機や台のトラブルで呼ばれるから常に待機。たばこに火をつけて一服し、アクエリアスをぐびぐび。

さてカップラーメンにお湯を入れて出来上がりを待っていたら、インカムが·····

猪田「河東班長、事務所まで」

おい!今度はなんだよ!湯川ホール回ってるじゃん!湯川呼べよ!くそが!スタッフルームから飛び出して裏の階段室を降りて事務所へ急ぐ。

コンコン、

俺「失礼します、ご苦労様です」

主任「河東班長、チラシ従業員に貼らせといてくれ」

は?さっきはがしたばっかりだぜ?

猪田「班長、ちゃんと綺麗に貼らせろな。貼り終わったらチェックしとけな」

俺「あ、は、はい…。失礼します」

完璧な嫌がらせ行為だろ!

また高橋さんと桜田さん呼んで説明。

桜田「どうなってんですかね?湯川は知らんふりですか?」

俺「もう疲れてきたわ、多分自分で言ったこと思い出したんじゃね?」

高橋さん「大迷惑ですよ~こっちも忙しいのに振り回されて。混み始めたから自分らで貼るの無理ですよ。休憩回さないとならないし…。」

俺「わかったわ、俺が全部貼るわ。はあ~…。すんませんね」

あ!カップラーメン!

カップラーメンは汁が無くなって麵がのびのびになっていた…。俺はそれを速攻で胃の中に入れてブロン錠を30錠一気に飲み干して、セブンスターを一気に吸い終えてホールに出て1階と2階の玄関でチラシ貼りを急いで貼っていくことにする。

俺「業務連絡します。河東、食事休憩終わりました」30分も休んでいない。むかつくわ~

するとすぐさま湯川が、

湯川「業務連絡です。河東班長、湯川休憩入ります」

んぐぐぐぐぐ~!!

そうして、やりきれない!ゆるせない!俺の早番勤務は終わった…。覚えてろよ…。くそども…今にみてろよ…。

次回につづく・・・

★最後までお読みいただきましてありがとうございます。