2020 F1 Hungarian GP
7月中に今シーズンの開幕を迎えたられたF1だが、、、、
オーストリアで2連戦して期待ハズレのレッドブル・ホンダにがっかりした。
開幕前の前評判ではレッドブル脅威論みたいなことが囁かれ、フェルスタッペンのチャンピオン最年少記録達成なるか?とも言われていたものが一氣に崩れた。
結果から言えば今回のハンガリーもハミルトンの圧勝。
全10戦の予定で2勝されたら数字的にもう厳しい。しかも第4戦は高速サーキットシルバーストーンで、メルセデスの最高速パワーに及ばないストレートが非力過ぎるホンダエンジン。
バトルさえも仕掛けることが出来ず、前戦のシュタイアーマルクGPでもハミルトンの2番手走行中、当たり前のように追い上げられたボッタスに抜かれて3位。
ハンガリーでもあと数週あればボッタスに抜かれていた。
しかしレッドブル・フェルスタッペンにとっては奇跡的な2位のリザルトをGETしたと言っても良すぎる、大収穫だった。
まず破滅的な予選での遅さ。
アルボンはQ2でノックアウトしたが、恐らくレッドブル・ホンダのマシン実力はアルボンの位置が本来の定位置で、レッドブルはマックスの腕のみで順位を上げているだけだと思われる。
去年軽くマックス体制を批判していたガスリーの「レッドブル・レーシングはマックス・フェルスタッペンに用意されたオーダーメイドチームである」と言ったチームファーストドライバー優遇の件は事実現在でもあるだろうし、他チームでも優秀なパーツは率先してファーストドライバーに装着して走らせるに決まっているが、ここに来てアルボンもフェルスタッペンとの順位やタイム差が開いてきて、本人にその不満から出る態度や発言が目立ち始めた。
Q2敗退時の無線で「やっただろ?トラフィックに出すなよ」や、決勝走行中にハースを抜きあぐねている時にチームラジオで「なぜ自分の方のマシンにパワーをくれないんだ?」などと発言をしていた。
過去の強い歴代コンストラクターズに特徴として言えるのは速いナンバー1ドライバーが在籍するのはもちろんのこと、一番重要なのはパーフェクトなナンバー2ドライバーは存在していること。パーフェクトとはチームに対して、ナンバーワンドライバーに対して自分がすべてにおいて犠牲に出来ることである。
イエスマンが必要。ただのイエスマンじゃなく安定した速さも求められる。ナンバー1をどれだけサポート出来るかがポイントである。
失敗した組み合わせでは1987年のウイリアムズのピケとマンセル、1988年のマクラーレンのセナとプロストは1年間通してどちらも強くコンストラクターとしてチャンピオンも獲得し圧倒的だったけれど、ドライバーの不満から来る内紛によりチーム内部は分裂し、結果チャンピオンは短期政権に留まることになる。
理想のナンバー2ドライバーと言えば、ウイリアムズのマンセルと組んだリカルド・パトレーゼ、フェラーリのシューマッハと組んだエディー・アーバイン、ルーベンス・バリチェロ、フェリペ・マッサ。
現在でいうとメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスは最強のナンバー2ドライバーであろう。本当に強い。メルセデスのハミルトンをしてこの組み合わせは強すぎる。
さらに自身がチャンピオンになることも出来た稀な例として挙げると、1996年ウイリアムズ・ルノーのデイモン・ヒル、2015年メルセデスAMGのニコ・ロズベルグ。ロズベルグがタイトルをとれたのはラッキーだったし、父と同じくドライバーズタイトル獲得後あっさりと退き、引き際よすぎる引退をした。
この2人は共にF1の血統書付きドライバー(ヒルの父グラハム・ヒル、ニコの父ケケ・ロズベルグ)だったので、FIAが予め描いたシナリオだったと勘繰ってもおかしくはない。
近年で可能性としては、チャンピオンになり得たかも知れなかったナンバー2ドライバーは2008年フェラーリのフェリペ・マッサ、2009年ブラウンGPのルーベンス・バリチェロ、2010年レッドブルのマーク・ウェバーだろう。しかしいずれも叩き上げのドライバーでチャンピオンのシナリオには無かった。
長くなったが、この抜けないサーキットハンガロリンクで予選7番手スタートというのはレッドブル・フェルスタッペンにとっては致命的なグリッドであった。
そしてナンバー1ドライバー・フェルスタッペンの後塵に配し、ライバル下位勢を抑えるという役目を果たしていないアレクサンダー・アルボンは強いナンバー2として機能していないのである。フェルスタッペンがチャンピオンになるには、時にフェルスタッペンに対して肉薄するタイムを出さなければならないのだ。
レッドブルがコンストラクターズに再冠する為には強いナンバー2を置かなければならないのが絶対課題。そしてエンジンのみならず、シャシーでもメルセデスAMGに完敗している時点で、もう時代はニューウェイではなくなったということ。
最後に決定的だったのはレコノサンス・ラップ中でのクラッシュ。酷い当たり方ではなかったが、インターミディエイトで出たフェルスタッペンはターン12で左フロントがロックしてコースアウト。前方斜めからタイヤバリアにヒットした。
フロントウイングは交換すれば良いが、破損による調整もあるし、確実にサスペンション周りにダメージを受けたのは間違いない。
グリッド上に付いてメカニックの必死な作業を見ていて、「終わった…」とフジの中継を見ていた。
中継でも川井ちゃんが「これ、間に合わないよね?」を連発しておりマックスファンからしたら、あーあ、もうこれは見たくない…と思って見ていた。
なんならもうフジネクストを切断しようかと思っていた時、時計を合わせたかのようにメカニック達はマックスのマシンを修復させた。
このレッドブルのメカニック、スタッフ達は素晴らしいというしかない。でも森脇さんも「テープか何かで止めてますね」とか言って、これじゃスタートしてもまた不具合発生するじゃん!とか思ってた。
決勝は割愛するが、レッドブル・ホンダにとって幸運な週末だった。
だが戦いはますます厳しくなり、次戦のシルバーストーンが7月31日〜8月2日に早くも控えている。
この短期間で問題を解決して準備するには、メルセデスの2台を上回ることはかなり難しいだろう。
期待せずにイギリスGPを楽しみにしていよう!そしたら結果は変わるかも知れない。
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