機動戦士Zガンダム 百式 クワトロ・バジーナ 17
✰この記事は百式とクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)をリスペクトした100回シリーズとなっております。
このクワトロ・バジーナシリーズはZガンダムにおいて、見逃している謎のシーンや言葉を取り上げて考察して行ってます。
でもあとまだ83回もあるよ…どうしよう。なんてね。
ちなみに百式フィギュアとかでも紹介する回があるので、その点はご勘弁下さい。
今回はゼータ時代で唯一クワトロが男女の関係のあったとされる、レコア・ロンドとの出来事に迫って見たいと思います。
レコア・ロンドという女性
レコアはシャアが愛した女の中には入りません。それは何故か?です。シャアはレコアを愛していなかったからです。テレビアニメ作中で彼女自身の生い立ちは、自らがティターンズを寝返ったエマ中尉から始まり、ファに話すことになります。
エマ中尉に話したのは何故自分がエゥーゴに参加しているのか?ということと、ティターンズのバスク・オムは反地球連邦組織に対して、圧力をかけたそれが「サイド1・30バンチコロニーへのG3ガスの使用による虐殺である」そんな殺しの集団ティターンズに対して、反地球連邦政府組織(エゥーゴ)のレジスタンスとし彼女は参加していた。
そしてその後、本気でシャアに愛されていないとわかったのか?彼女はアーガマを降り、ホウセンカによる単独ジャブローへ降下するという潜入作戦に名乗りを上げて、無謀とも思えるそれを実行する。
もっとも危ないミッションをレコアは自分で進んでやるのだった。それは後にファに告白している。「私の性分なのよ」と。
それもジュピトリスに偵察任務というミッションを受けて、出会ったパプテマス・シロッコに対して敵と分かっていながら恋心を抱いてしまい、一人苛立ちを抱え、このままではアーガマに居られない!という想いから、ファに女としての生き方とは?を話していた。
クワトロとレコアの蜜月な関係
この2人が親密だと思わせる決定的なシーンは「第32話 謎のモビルスーツ」で見ることになる。それ以前にはレコアがホウセンカでジャブローへ降りる時にクワトロは声を掛けていた。
ウォン・リーとエゥーゴ幹部はティターンズとアクシズが手を結ぶことを恐れていた。またエゥーゴもアクシズと手を結ぶことを考え、シロッコのドゴス・ギアがアクシズのグワダンに接近するのを見て、ウォンは「私の意見はメラニー・ヒュー・カーバイン会長の意見だ!それを聞けんと言うなら私にも考えがある!」と激を飛ばした。
そしてドゴス・ギアが接近していることを知ると、ウォンはブライトに「艦長!奴らが仕掛けて来ないうちにこちらから攻撃をかけろ!」というが。
ブライトとクワトロは月にアーガマを戻すことを考えていた、しかしウォンの押しによりクワトロはある策を思い付き、「艦長、やってみよう」という。ブライトは第2戦闘配備を敷いて、アクシズと接触するためにドゴス・ギアに戦闘を仕掛ける。そして、クワトロはレコアの元へと行った。
クワトロ「第二戦闘配備中だぞ」
レコア「大尉。すみません。すぐブリーフィングルームに行きます」
クワトロ「いや、君に話があって来た」
レコア「クワトロ大尉。」
クワトロ「百式のメガバズーカランチャーの強化作業をやっている」
レコア「あぁ…」(何か期待をしていた答えと違ったのか?)
クワトロ「エネルギータンクと百式と共に行動する、モビルスーツが必要なんだが…」
レコア「そのパイロットを私にやれ…と」
クワトロ「危険な任務だが、やって欲しい」
レコア「いいですよ、私は」
クワトロ「なぜ植物を片付けるのだ?」
レコア「植物のモシャモシャした感じが、嫌になったんです。なんででしょうね?自分でも理由は分からないんですよ」
クワトロ「そんなものだろ…」
レコア「でも、片付けたからってスッキリもしないしね」
クワトロ「何を苦しんでいるのだ?」
レコア「うふ...そうね」
クワトロ「それも分からない?」
レコア「ええ。自分のこと、そんなに正確に分かる人っているのかしら」(クワトロに対して反抗心が見える感情)
クワトロ「いないだろう」
レコア「だから、わかることは、何もかも捨てて、何処かへ行ってしまいたいってことだけ」
クワトロ「それはできないな。人は誰も引きずっているものは死ぬまで捨てられんよ」
レコア「分かってます。大尉って、泣くことあるんですか?」
クワトロ「あるさ」
レコア「噓です」
クワトロ「本当さ」
レコアは目をつむりキスをせがんでみせた。クワトロはレコアを軽く自分のほうに寄せて軽くキスをする。
クワトロ「出撃は15分後だ。遅れないように」
レコアは感情のない冷たいキスに呆れたのか、(はぁ〜)って感じで髪をかき乱す。
このシーンにレコアとクワトロのアーガマでの関係を考えてみる。
クワトロはあえてレコアに危険な任務を自分と共に実行して欲しいと頼みに来るのだが、他にもパイロットはいたはずだが、それをレコアに頼む。それはレコアを優秀なパイロットとして信用していたからだろう。
レコアは違う。レコアの願いは、自分の帰りを待ちわびて、愛してくれる人が欲しかっただけなのだ。
この後植物の話を振り、わざとらしくベッドの座り、レコアの腰を両手で掴み「何を苦しんでいるのだ?」と聞いた。これはカミーユに「もっとレコアさんを気にかけてあげてくださいよ」って言われたからか?カミーユの言ったことも一理あるな?とレコアにの心に少しだけでも踏み込もうとしたのか?しかし、この踏み込みは不完全燃焼に終わり、レコアはクワトロに対しての想いを一気に吹っ切れさせてしまった。
どっちにしろ、どこからどう見てもこのカップルは成立しないだろう。シャアは女性に対して母性を求めている。レコアは男性に守って欲しい強い男性愛を求めている。無理な話だ。
しかし今の戦場にこそ男と女の存在は必要である。
メガバズーカランチャー発射!
この後レコアは武器を持たないゲルググ(劇場版ではメタス)でクワトロの百式と共に出撃する。
このシーンの様相はとても性的な描写を覚える。
メガバズーカランチャーは巨大な大砲である。これは男性の象徴をイメージさせる。そしてレコアの機体(腹部)に繋げてゲルググからのエネルギーを受けて、メガバズーカランチャーをドゴス・ギアへ向けて発射する。これは男と女が協力して生命誕生を思わせるようなシーンだ。しかしそれは成功しなかった。
レコアにとって、もはや母艦(母なる子宮)はアーガマではない、心は浮つきシロッコに気を取られているレコア。シロッコがいる...と戦場に戻り、カミーユを救いをしたが、丸腰だったレコアに何故あの空域にいたのか聞かれ、カミーユに逆上する。
恐らく2人がマッチした恋人同士ならこのメガバズーカランチャーでのドゴス・ギアへの射撃は、シロッコのプレッシャーを砕き、ブリッジに直撃させドゴス・ギアを撃沈させていたかも知れない、僅かな可能性を見る。
それをさせられなかったのはレコアが、クワトロを男として見限っていたからだ。だから命中させられなかった。女は自分を必要としていない、男の遺伝子は求めない。また優秀な遺伝子を求める。
ストーリーとして、ここは素直にこのままで良い。シャアとレコアが恋人だなんて、ガンダムファンは認められない。シャアとレコアでは人としての格が違う。シャアの遺伝子は優秀だ、それを見誤ったのは単にレコアが凡人娘だったからだ。
その後の2人は...
レコアはアクシズへアーガマの先遣隊として加わり、ウォンを代表にクワトロ、ブライト、アポリー、カミーユと共にグワダンに乗り込む。
そこでクワトロ・バジーナがシャア・アズナブルと決定的な事実を知った訳だが、彼女はそこで何を感じたのか?
あの一年戦争で有名なシャアとジュピトリスのシロッコを比較する。仮に肉体関係があったとしても(子供のアニメの表現としては愛し合ったという)、レコアは鈍感だったと思えるが。クワトロはシャアだと皆エゥーゴ幹部クルーは感づいていたはず。
しかしグワダンでウォン以下(アポリー以外)がクワトロ=シャアという決定的な真実と知った時に、一年戦争でゲリラに参加していた彼女からしたら、旧ジオン軍のシャアは敵でしかないと思う。
今まで偽っていたのもあり、より一層軽蔑の目で見たに違いない。そしてグワダン脱出の際にシャアをかばって銃弾を受けた後に、アーガマへ戻ってもクワトロから慰めのひとつもかけてもらえなかったことがついに決定打となり、クワトロ=エゥーゴへの愛想が尽きることになった。
レコア「あなたは、私を止められるだけのことをしてくださいました?!」
このレコアの言葉に全てが集約されている。あのシャアなら何故堂々とエゥーゴ参加時にシャア・アズナブルだと言わなかったのか?
女性としてのレコアにシャアが踏み込めなかった理由は、やはりララァ・スンを失い、アクシズでハマーン・カーンという傲慢な少女と関係を持ち、女性にはもう自分の心を許してはいけない。
そして地球圏の偵察を理由にアクシズを飛び出した。そんなゼータ時代のシャアはもう他人(女性)の思いなどどうでも良い、人類の未来や地球の行く末で頭がいっぱいだったのだ。
その後裏切ったレコアと戦闘になるが、いくら強力なMSパラスアテネに乗ったレコアとはいえ簡単に落とせないシャアがやはり、弱い。ゼータ時代、クワトロとしてのシャアは全てにおいて翼をもがれた状態の、ただのモビルスーツのパイロットだった。アムロのことなんて言えやしない。
もしエゥーゴを率いるリーダーとして強さを発揮していたら、一時でもアムロがオールドタイプのベルトーチカを愛して子供を産ませたように、シャアもレコアに子供を産ませたはずだ。
なんて、私はシャアとレコアの関係を深く考えてしまいますね。以上です。
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