kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

2019 レッドブル・ホンダ優勝

オーストリアGPのウィークエンドはレッドブル祭りで終えた。レッドブルのホームコースであるレッドブル・リンク・サーキットの観客席はレッドブルファンのオレンジ色に染まり、ファンは追い上げるフェルスタッペンのオーバーテイクショウに歓喜の声を上げた。

日本のホンダF1ファンもTVの前で興奮したのではないか。私もF1でこんなにワクワクしたのは何年ぶりだろうか?

琢磨の2004年第9戦アメリカGPの3位表彰台(今回も第9戦目だ)と、近年では2009年トヨタ時代、2010〜2012年ザウバー時代の小林可夢偉以来ではなかろうか?

長かった…ホンダが13年振りにポディウムの頂点に立った。

マックス・フェルスタッペンは自身通算6勝目を飾った。

しかし、69周目フェルスタッペンがルクレールをターン4でパスする際に、接触があったとして審議がかかったレースでルクレールはポディウムに上がったが、不服としてシャンパンファイトには参加せずにその場を去った。

その後1時間45分の審議によりフェルスタッペンの優勝は確定した。

フェラーリはカナダGPのベッテルがハミルトンとのバトルでコースアウトしたとして5秒のペナルティを課されて、ベッテルの勝ちは消えた。

続いてのルクレールとフェルスタッペンの接触だったが、問題にするほどではないような気がする。モナコでピットレーンでのボッタスとフェルスタッペンの接触も、両ドライバーが審議対象になったが、ボッタスにはペナルティは無し、フェルスタッペンには5秒のペナルティ受けて、モナコでチャンスもあったのに4位に終わった。

もちろんカナダでのペナルティ問題は明らかな裁定判断ミスであると個人的に思うし、メルセデス側の強いプレッシャーを感じる。

今回のルクレールとフェルスタッペンの接触ではフェラーリは問題にはしないという。だがベッテルの件(ハミルトンとメルセデス)で控訴する予定は変わらないという。

あの程度の接触やコースアウトによるペナルティは些かやりすぎではないか?こんなことが続けばドライバー同士のバトルは萎縮してしまい、オーバーテイクは不可能。コース上で車を綺麗に抜くことなど無理ではないだろうか?予選で決勝レースはすべて決まってしまう。

それが最近のF1の流れであって、とてもつまらないものになってきている。

それが、昨日のオーストリアGPではこれぞ!戻って来たF1というべきレースになった!

まだ早すぎる話だが、今週の『Driver of the Day』MVPに選ばれて良いのではないだろうか。


マックス・フェルスタッペン

オランダ国籍のフェルスタッペン。現在21歳。

父はあの懐かしの元F1ドライバー、ヨス・フェルスタッペン。

2015年マックスは17歳でトロ・ロッソから最年少F1デビューを果たし、翌年2016年にはトロ・ロッソから参戦するも、途中でレッドブルに移籍し、移籍初戦スペインGPでF1初優勝を果たし、セバスチャン・ベッテルの最年少勝利記録を大幅に塗り替えた。

ベッテルも鳴り物入りでトロ・ロッソから電撃的な参戦をして、トロ・ロッソで初優勝を飾っている。それをはるかに上回った18歳と227日という記録である。いかにフェルスタッペンは秘めた実力者だということがわかるだろう。いずれドライバーズチャンピオンのタイトルを総なめにしてくれるだろう、期待のF1ドライバーである。

それをレッドブル・ホンダの時代にワールドチャンピオン、コンストラクターズチャンピオン成し遂げて欲しいものです。

必ずやフェルスタッペンはワールドチャンピオンになるでしょう。

これだけのビッグドライバーを放っておくはずがない、メルセデスとフェラーリ。

フェルスタッペンはレッドブルの育成ドライバーになる前に、メルセデスにも誘われている。ボッタスはまだこれからだが、ハミルトンは今後はフェードアウトしていくドライバーだ。それは5度のワールドチャンピオンに輝いているF1ドライバーとしても避けて通れない道。

ハミルトンは今年6度目のワールドチャンピオンを獲り、果たして来年は7度目にチャレンジできるだろうか?

ベッテルもそう、ルクレールへと世代交代は加速していく。

ミハエル・シューマッハもそうだったように…


アストンマーティン・レッドブル・レーシング

レッドブルといえば有名なエナジードリンクだ。オーストリア資本の会社レッドブルは1995〜2004年までF1のスポンサーとして関わってきた。

それは次第にF1との関わりを深め、2004年のジャガー・レーシングのフォードがF1全面撤退により、レッドブルに1ドルと言われた価格で売却した。

1ドルで売却と言えば、ホンダがロス・ブラウンへの1ポンド売却を思い出すのだが。

若きチーム指揮官はクリスチャン・ホーナー。

F1にはフェラーリ、メルセデス、ルノーといったワークスチームに対して、プライベートチームに名門のマクラーレン、ウィリアムズとあるが、レッドブルが参戦することにより、プライベートチームが2つ増えた。

それはもう一つのチーム、スクーデリア・トロ・ロッソである。

レッドブルは巨大で豊富な資金力を武器に事実上2チームを所有し、F1界の新興勢力チームとして着実に力をつけていた。

その時期2005年辺りは日本のワークスチーム、トヨタF1、ホンダF1も参戦しており、各チームはエンジン、車体ともに開発へ莫大なマネーを投入し、ワークスの資金力合戦とプライベーターはビッグスポンサーを獲得し、常にアップデートというレースウィークを重ねた各チーム最盛期の時代で過渡期だった。

2009年からはトロ・ロッソからベッテルがレッドブルのシートを得ると、空力の奇才エイドリアン・ニューウェイも加入し、ベッテルは2010年から2013年まで4年連続のワールドチャンピオンに輝き、レッドブルもコンストラクターズで4制覇するなど、レッドブルレーシングを一気にトップチームへと押し上げた。

かつての名門チーム「マクラーレン」や「ウィリアムズ」を退けて、トップ3にまでなった「レッドブル」。

いやぁー、マクラーレン…さようなら。ありがとう。

アロンソがいなくなって少し力を取り戻しかけているけれども…ザク・ブラウンは無能。

ウィリアムズは消滅の危機だし。

ともかくホンダはレッドブルと組んで成功したし、飛躍はこれからだろう。まだまだメルセデス、フェラーリ、レッドブルの3強は揺るがない。


最後にエンジン供給としてのホンダを考える

ホンダPU(パワーユニット)が活躍して嬉しいけれども、今後は正直危ういとは思っている。

ホンダとメルセデス&フェラーリは、表面上全く違う自動車メーカーである。メルセデスとフェラーリは高級車を規定路線として世界に販売展開する会社だ。

メルセデスAMGによるエンジンの一強時代が不安である。PUの規制ルールはメルセデスとフェラーリ次第で如何様にも変えられる。

メルセデスエンジンは1993年からF1に復帰し、エンジンサプライヤーとして2009年までザウバーをはじめ、マクラーレンなどにエンジン供給した。

そして2008年いっぱいで撤退した「ホンダF1」をほぼタダ同然でロス・ブラウンに売り渡した。そして、あの「ブラウンGP」が活躍し、その2009年にはなんとぽっと出のブラウンGPがドライバーズ・コンストラクターズチャンピオンを奪取した。

あれはホンダが自社の風洞で開発したシャシーだった。そのシャシーと急遽決まったメルセデスエンジンでジェンソン・バトンはワールドチャンピオンになった。

しかしあれが、ホンダF1だったら…とかは考えられない。メルセデスのエンジンとの相性が良かったのだろうし、ホンダというF1のパドックの中で政治的に発言権が弱いチームがあのブラウンGPに成り代わるか?と考えれば、そうはならないと思う。

そのブラウンGPを2009年11月に買収したのがダイムラーであり、現在のメルセデスAMGになる。

1994年の復帰からF1に25年もいるのだ。

フェラーリに至ってはF1から離れたことすらない。

ルノーはホンダと同じように撤退期があったり、復帰参戦はあったものの、でも何十年単位でF1界にいる。

日本の自動車メーカーとしてホンダは初のF1フルワークス体制を果たした。

第1期はF1チームとしての参戦1964〜1968年の5年間。第2期と呼ばれるのはエンジンサプライヤーとして1983〜1992年までロータス、ウィリアムズ、マクラーレン、ティレルとエンジンを供給し参戦したのはたった10年間だった。

ホンダの撤退後、無限ホンダ(現・M-TEC)が1992〜2000年までF1に無限ブランドは、ホンダの姉妹エンジンとしてエンジン供給した。その間8年。

再びエンジンサプライヤーとして参戦したのが、2000年で「B・A・R」にエンジン供給をする。これが第3期目である。

2006年B・A・RのメインスポンサーであるBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が完全撤退をすることにより、水面下でシャシー開発製造など着実に進めていた、ホンダは純ワークスチームの復活をこの前年に決めていた。実に38年振りであった。

2006〜2008年まで3年間ホンダF1ワークスチームとして戦ったが、その間バトンの2006年のハンガリーGPの1勝のみで終えた。

特に2007年と2008年は実に散々なものであった。

そしてホンダはサブプライム・ローン問題を期にリーマンショックと呼ばれる経済問題にホンダは経営悪化を恐れ、F1ブラウンGPに全株式を約1ポンドでチームを売却した。

そしてまたもやF1から完全撤退した。

それからマクラーレンへ2015年からパワーユニット(エンジン回生エネルギーシステム)のサプライヤーとして復帰する。

かつて最強を誇った時代があったマクラーレンとのタッグは、2017年までの3年であっさりと幕を閉じ、その結果も出せずに散々な3年間だった。

そして、レッドブルグループとのジョイントが始まったのは2018年。トロ・ロッソへのホンダPU供給へ始まり、ちょうどルノーエンジンとレッドブルの関係悪化問題も上がり、2019年から2年間のPU供給の契約が締結した。

2年間と言えば2020年までの契約であって、ホンダPUの性能的な結果が出せなければレッドブルは直ぐにでもPUの変更を行うだろう。

不安なのは「そこ」である。

今回勝てたのは努力を重ねた技術陣のホンダパワーもあるが、勝てた理由は第1にレッドブルであり、マックス・フェルスタッペンというドライバーのおかげである。

だからホンダにおごりがあってはいけない。

F1にいるのがホンダレーシングの姿勢ならば、メルセデスやフェラーリに打ち勝たなければならないし、ルノーになどには絶対に負けてはならないことである。

これで浮かれて終わりじゃない。今以上の成果をホンダはレッドブルから求められるだろう。

アイルトン・セナというドライバー、ロン・デニスというディレクター、本田宗一郎という経営者が三者揃ってこその、あのマクラーレン・ホンダ最強時代だったが、あれはもう本当に忘れなければならない。

マックス・フェルスタッペンをいかに楽に勝たせてやるか?それがホンダのF1の当面の役目なのだ。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。