THEブラック企業・3 キャバレー&クラブ ウェイター編
drake黒歴史シリーズ第三弾。
ブラック企業とはどういった労働をさせられるのか?を過去の記憶から振り返り検証シリーズです。
前回のTHEブラック企業シリーズ第二弾とは時期がずれてしまっていて、順番的にはこちらが先に就職したブラック企業なんです。だからこの当時は28歳でした。
☆前回の記事も気が向いたらみてください👇
キャバクラ。夜の風俗。水商売。すすきのなんかに行ったらダメだよってのを破って、とうとう手ぇ出しちまいました。すんません💦
場所は札幌、すすきの。
「画像出典:Wikipedia(すすきの繁華街・歓楽街)」
あの時はダイレクト・マルチ・マーケティング・システム ネットワークビジネスにハマっていて、沢山の友人を無くし、金も無くし、ボー然自失状態だったあの日の弟と俺二人。
とにかく金を作らないことには生活が成り立たない、生活資金繰りの借りた消費者金融への返済取り立ても来てしまう。
とりあえずネットワークビジネスを休眠して、ある程度の資金を貯めよう。まず交友関係を広める為の仕事を探そうと、工場とか建設現場とかのアルバイト系だと貧乏人が集まるから、人を勧誘出来ない。だからやっぱサービス業に絞った。
あ!これいいんじゃない?キャバレー・クラブ経営 某株式会社S・G。男子ウエイター正社員👉固定給制月25万円支給・食事付き・制服貸与・日払いあり
女とか客とか勧誘出来るかもね!給料も高くない?決めようや?これで。
という安易で浅はかな閃きで、二人は合意して決めてしまった面接。
電話をかけて弟と二人一緒の店で働きたいとの希望して面接を受けた。面接場所はキャバクラ店内。照明が薄暗いテーブルの上で受けた。
SG面接官「要望には出来るだけ沿いますけど、別々の店舗で働くことになったらやめますか?」とのこと。
んー、二人協力プレイでやりたかったが仕方ないか。妥協して、了承した。
夜の水商売、未経験ウエイター程過酷な労働とはつゆ知らず、給料の25万円に誘われ、同時にネットワークビジネスへの人を勧誘する勉強もしていた。
℡<トゥルルルル!ヾ(・ω・。)≡3 電話
「合格です。採用決定です。二人はいつから来れますか?身分証明書と判子と保証人を用意して下さいとのこと」
二人でそれらをすぐ用意して、店舗へ向かった。
俺「じゃあ帰り終わったら、待ち合わせで」
弟は“キャバクラ・オー⚫”
俺は“⚫⚫⚫ー21”これで地元の人ならわかるでしょ笑。仕方ないです。
初日、二人で出勤。ドキドキ、ドキドキ。ブロンを追う。追いすぎると吐き気チャンス来るから要注意です。S・G本部事務所から2人は別々に連れていかれた。
☆ブロン錠とは👇
自分の行った、⚫️⚫⚫ー21はドル箱(グループの中でも上位の儲かる店舗)のキャバ店で死ぬほど大変な労働をさせられるトコだった。
なんでいつもこう当たりが悪いのか?と自分の運を恨んだ。何故かというとS・Gには10以上の店舗を持つこのグループでは、暇なところはすんげー客が来ないから、超ラクらしいと聞いていたからだ。帰り待ち合わせて帰った弟の言葉を聞くとそんな忙しい店では無かったらしい。
まぁ、水商売で夜の営業は大体真っ黒だよね。
ブロン錠の飲みすぎで汗だく。キャスト(女性)に扱き使われるわ、馬鹿にされるわ、屈辱極まりない。
薄暗闇のホールの中キャストが、ライターを点けて俺たちを呼ぶ。ライターの「カチッ」という音と、ライターの火が見えたらすぐそこに駆け付けなければならない。
遅れるとキャストに「おせーよ!馬鹿野郎」と客の前で恥をかかされる。また意地悪なキャストは次長やマネージャーにチクリ「あいつどうにかなんねーの?」と言われて、次長に説教を受け詰められる。もちろんお客様からの苦情もある。
俺は仕事が出来たんで、あまり苦情はなかった。
さて、注文が入ったらドリンクやボトルの用意だ。セットを作ってお客様を待たせずに、素早く持っていかなければならない。トレンチにグラスや氷、ボトルを乗せられずに割ったりすることもあった。そんな時は赤面だ。
マネージャーが場内マイクで客を盛り上げ、爆音サウンドをかけて、ウエイターもトレンチ(おぼん)を脇に抱えながら「ハイ!ハイ!ハイ!」と相槌を叫び、拍手の手拍子が続く。やめると怒られた。
初日は手の叩きすぎで、手のひらの毛細血管が破裂し、真っ赤かに腫れて手が握れない状態になった。 あーもう、明日無理だわ、これ。
忙しすぎて、人員も足りないから休憩もほぼなし。どゆこと?アルバイトも毎日入っては一日で辞めていく。酷い奴は、開店後に制服きたまま居なくなる。
そういうの、マジで困るから。。。
15時に出勤して、飯当番が男子幹部スタッフの食べる料理を作る、そして皆んなで食べる。つまり夕食だな。同じ釜の飯を食う?ん?893っぽくね?
食べる前に「次長」「マネージャー」が早口で「今日の売り上げ目標は$*.·.。゜☆#*?&@〜!なんちゃらかんちゃらー!」忘れた。かなり長いお経みたいだった? なんて言ってたのか?「そのうちお前も覚えてやれよ」と言われた。リーむーです。
そして「いただきますー!」常務だけ高い焼き魚を食べるんだけど、気に入らない魚は一切手を付けない。カレイは魚じゃないと起こっていたのを覚えている。そして飯当番者は次長に怒られる。理不尽きわまりない。 最後は「ご馳走様でした!」ではなくて、
「いただきましたー!」が絶対ね。
あとタバコ吸う時は「常務、タバコ失礼します」と言ってから吸うことね、絶対です。
そして食事が終わると、店内のトイレから、ホール内隅々の掃除を始める。15時からの出勤は正社員だけだったから、先輩(20歳くらい)の指示に従い2人で掃除から営業開始の用意を始める。3点セットみたいのを作って各テーブルとボックス席に規定の位置に綺麗に置いてゆく、そこで黒服の先輩がチェックしにくる。 ダメならやり直し。
17時位からウェイターのアルバイト人員が現れて一緒に開店作業を続けた。同じ時刻からはキャストが出勤し始める、もう女王様ですからね。キャスト様のお陰様でおまんまが食べられるのですから、神様扱いです。そして挨拶は絶対です。
「お早うございます!ご苦労様です!」
んー、聞こえ方はですね「ザス!ガス!」
マジです。「ザス!ガス!」「ザス!ガス!」ってそこら中に響いてた。
挨拶は素早く大きな声で言え!と言われてたので、新人の俺らなんかは最初戸惑って、やはり「おはようございます!ごくろうさまです!」をはっきり言おうとしてたからかなり疲れた。なんか勝手に「ザス!ガス!」なんつって言ったら「は?何言ってんの?お前?」っていう生意気な口は叩けない空気感があったから言えませんでした。
これ、上司には特にデッカイ声で言わなきゃしばかれます。
もうね、ブロン錠でテンション上がりきって動きまくるんですよ。自分なんかは働き過ぎて2人分以上の作業をこなしていて、周りからびっくりされたもんです。それが褒められたりすると、結構照れたり嬉しかったりするんですが、何しろそれは実際ブロン無しじゃ無理な話です。
でも28歳の身体にブロン錠は徐々に堪えるなどと、ブロンの効果に限界を感じ始めたのがこの頃。 ブロン錠があればどんな不条理で過酷な仕事でも楽しかったし、こなしてきた。だけどそれが薄れてきた。
身体がしんどい・・・
そうして続けて仕事を通う日々に慣れてしまって、一週間〜……と過ぎていったある日、俺の⚫⚫⚫ー21の黒服が飛んだ(逃げた)。
マジかよ…。実はその前々に初日に教えて貰った先輩A君も三日後飛んだんだけど。。。
この業界ではマネージャークラスも余裕で「飛ぶ」。
その理由で借金問題ともう一つ、
キャストとの恋愛問題がある。 初日の契約内容で誓約書を書いた。
店のキャスト(女性)は商品である。だからキャストに手を出したら、罰金を払わなければいけないのだ!その額300万円!。
だから交際の噂が広まり、バレる前にキャストと一緒に逃げる。 しかし、その後893関係者に追われるハメになる可能性が高い。あー、怖いよ、怖いよ。やばいよ、やばいよー。コインチェック本当に返金の目処ついてんの?
ともあれ、この件に関しては絶対キャストには手を出すなよ!と口酸っぱく言われてた。
この⚫⚫⚫ー21の黒服先輩もキャストと恋愛関係になり、苫小牧に逃げた噂が後日風の便りで伝わってきた。
そんなオイラの⚫⚫⚫ー21店、人手不足で仕事が回らなくなり、営業に支障が出始めた。グループトップクラスのドル箱店だから厳しい、人手不足でも休憩無しで回して働かなければいけない。
挨拶が「ご苦労様です」自体の組織は大体そういったブラックな場所なんだよね…。「お勤めご苦労様です!」みたいな。
そして一週間経ったある日常務が声をかけてきた。
「加藤くん、黒服着るか?」
ドジャーン!
まじか!まだ入って一週間だぞ・・・。
どうやらブロンパワーでマジンガーZばりな働きを評価されて、俺を抜擢したらしい。
嬉しいんだか、不安やら…でも色々聞くと未経験で、そして一週間で黒服に任命されるのはS・Gではそうないらしい。他の店舗にも俺の名前は知れ渡った。
「なんか⚫⚫⚫ー21でやり手の奴現れたぞ」みたいな話が伝わり、弟からも聞いた。
弟は「オー⚫かい?相変わらずラクだよ〜そりゃ少ししんどいけど、こーちゃんのとこより全然マシだわ〜」と言っていた。
うーん・・・このまま頑張って夜の世界で上を目指してみるか?…という甘い妄想に駆られ始め、黒服になる決意をした。
仕事内容はウェイター・ボーイの仕事とは全く異なり、お客様のご案内、お出迎えやお見送り、お客様のお会計のチェックして精算など、またキャスト達の管理などガラッと変わりレベルが上がるものだった。
逆にウェイターが辛かった(トレンチでグラスを片付ける、グラスタワーにして一気に下げる。ある意味あれはプロフェッショナル)ので、あの時は黒服に憧れてたのかもしれない。
そうして黒服としてのキャバクラで働くこととなり、話は二週間目に突入する。
……次回へ続く。