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機動戦士Zガンダム 百式 クワトロ・バジーナ 23

Zガンダムのクワトロ大尉(シャア・アズナブル)をリスペクトした100回シリーズになります。

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今回のクワトロシリーズは軍隊の階級について考えてみたいと思います。もちろんクワトロ、シャアのエゥーゴにおける「大尉」に関しての疑問です。

Zガンダムのグリプス戦役の序盤エゥーゴの軍事作戦を任されている実質的トップであったのは、ブレックス・フォーラー准将でありました。

実際の軍隊の階級制度とガンダムにおける宇宙世紀の階級制度は違いはあるのでしょうが、ファーストからZガンダムまでの間のサイドストーリーのガンダムシリーズ、ポケットの中の戦争、MS08小隊、0083スターダストメモリーなどを見ていると階級制度は現在の軍隊とほぼ同じと思われます。

つまり軍人として立派な成績をおさめたり、大きな手柄を取れば二階級特進とかあり、どんどん出世していきます。シャアもジオン軍の士官学校を卒業後、実戦で少佐まで登り詰め、ルウム戦役での活躍で昇進しています。

軍隊における階級制度は縦社会を意味し、その為上官から部下への命令は絶対です。

そこで疑問です。エゥーゴの指導者ブレックス准将が亡くなると、次の指導者はクワトロ大尉、つまりシャアに引き継がれます。何故最後まで階級は「大尉」だったのでしょうか?

エゥーゴの登場人物でわかるところは次の上級将校はブライト・ノア大佐です。クワトロが指導者となったからにはクワトロは一気に大佐になるか、もしくは将官になるか?ティターンズやアクシズの軍人も含めて考察したいと思います。


ブレックスがシャアに託した言葉はなんだったのか?

ブレックス准将がティターンズに暗殺されたのはアフリカ大陸での地球連邦総会にクワトロと出席していた時の事。この暗殺はジャミトフが指示したのではなくバスク・オムだとも言われています。実はティターンズ内部ではバスクの影響力が強まり、ジャミトフは手を焼いていたとも。

地球連邦政府の政治家達はティターンズに傾いているのを目の当たりにして、旗印が悪かったエゥーゴのブレックス准将は緊急動議を発動するようクワトロと画策する。

しかし、その夜にブレックス准将は暗殺される。

ブレックスはクワトロに最後の言葉を残して亡くなった「君には世の中を動かす人になってもらいたい。君がエゥーゴの指揮を執れ、シャア・アズナブル...」と言って死んだ。

クワトロは銃弾を聞きブレックスの部屋に入る前に「早く警察に知らせろ!」と叫んだが、何故か報道にはならなかった。エゥーゴの軍のトップが暗殺されるという一大事のメディア報道は封殺された。

何故ならクワトロがその後宇宙に上がるまで「ブレックス准将暗殺の件」は一部のスペースノイドの中での噂でしかなっていなかったからだ。

この時点でクワトロはブライト大佐とヘンケン中佐に地球であったことを告げる「噂は本当だ」と。ブレックス准将という舵を失ったエゥーゴのトップ3人の会話である。

政治的な動きを見せる為にクワトロを同行させていたのはブレックスである。ヘンケンとブレックスの繋がりは太かったものの軍事作戦は彼に一任したということか。新しくアーガマに就任した大佐ブライトはエゥーゴの単なる現場責任者でしかなかった。ということは自然とこの2人もクワトロをエゥーゴの代表として考え始めていたはずである。

それはシャアのダカール演説以前から、クワトロがシャア・アズナブルと感じていたからである。

では何故、階級が「大尉」のままだったのか?

あくまでもエゥーゴの指揮を執るのが、何故か大尉であるクワトロであって、他のエゥーゴの多くの軍人達はクワトロをシャアだとは思ってもいないだろうし(ダカール演説後に知れたが)、エゥーゴの中でも当然派閥はあったと想像出来る。

よく思っていない連中もいたはずだ。

そこをトップが「大尉」でエゥーゴがまとまっていたところがやはり、クワトロ、いやシャアのカリスマ的オーラと存在である。

大体戦争中の戦艦に子供(シンタとクム)を乗せてるなんて普通の軍隊では通用しない。それがエゥーゴという組織である。シャアはシンタとクムをブレックス准将の身代わりと言ったが、彼は准将の最後の言葉を重く受け止めたとは思えない。

では他の軍はどうだったのか?


ティターンズ・地球連邦軍・アクシズ

地球連邦軍は現在の現実的な軍隊と同じ人事組織を持ち成り立っている。しかしそれをまた複雑化しているのがティターンズという独立した組織である。

ジャミトフ・ハイマンはティターンズの総帥で大将、閣下と呼ばれている。その下には中将、少将、准将らしき人物がジャミトフを囲っている。ハマーン・カーンとの会見や地球の連邦議会、またキリマンジャロの基地内でも側近として中将らしき階級バッジをつけた者がジャミトフの側に常にいた。

ティターンズの実質ナンバー2はバスク・オム大佐である。彼を「大佐」止まりにさせていたのは、ジャミトフ自身であると考えられないだろうか?ジャミトフはバスクの大きな野心を警戒していた。

仮にジャミトフのイエスマンであれば、バスクは将官になっていてもおかしくはなかった。バスクはティターンズ結成時の演説までした男だ。

やはり軍隊の階級制度は将官・佐官・尉官以下、下士官の順番に指揮命令系統がキッチリと定められていて、実際にバスクが現場指揮官のナンバー1だからといってジャミトフ側近にはなれないのである。

次に戦艦の艦長と呼ばれる者達だ。アレキサンドリアの艦長はキャプテンと呼ばれるガディ少佐、共に乗るのは作戦参謀のジャマイカン少佐だった。

アレキサンドリアの2番艦ハリオは艦長と呼ばれている。

実際の軍隊の例でいくと海軍など巡洋艦・潜水艦の艦長は少佐、中佐、大佐の佐官が中心である。副官は中尉、大尉、または少佐辺りだろう。稀に大きな演習などで少将、中将、大将クラスが乗っていたりする。

陸軍や空軍ではまた違ってきたりする。空軍の熟練戦闘機パイロットは大体中尉から大佐まである。

ティターンズではおかしな昇進が見られる。まずはロザミア・バダム少尉。地球から宇宙に上がりバスクの強化人間部隊に組み込まれて、実績も上げてないのに何故か「中尉」に昇格。

次にヤザン中尉。初登場はギャプランに搭乗してカミーユのZガンダムと戦っただけで、シロッコのドゴス・ギアに編入されたり、ジャマイカンやガディのアレキサンドリアへ移ったり、バスクのドゴス・ギアにも乗っていた。

何も戦果を上げていないのにハンブラビ搭乗時には、いつの間にか「大尉」に昇格。戦果と言えばアレキサンドリアに乗っていた、無能な上官ジャマイカンを謀殺したようなことである。あれは戦果というよりは、アレキサンドリアのブリッジを破壊した責任をヤザンは取らされてもおかしくない。

そしてジェリド中尉。彼は最終的にジャミトフの側に寄れるまで出世したのにも関わらず「中尉」のままでティターンズとして軍人の役目を終えた。

ティターンズもエゥーゴと同じように階級制度の意図が分からず、全くもって意味不明な役割を示している。

簡単に言えばごちゃごちゃだ。ヤザンがサラのハイザックをアレキサンドリアから追い出そうと騒ぎを起こした時に、大尉であるヤザンに対して中尉のジェリドは、タメ口でヤザンに「反逆罪で叩き込むぞ!」と言っている。上官のヤザンに対してである。

ヤザンは言った「ギャンギャン吠えんなよ!」と。

エゥーゴと似たり寄ったで上官には意を介さずというところが、軍隊として明らかに規律が乱れているのではないかと思ってしまう。ま、そこが面白いのだが。


次にアクシズ。

まだ軍隊として統率がとれていないのか、ハマーン・カーンをトップとして以下はイエスマンを集めただけの旧ジオン軍のような旧態依然な軍部構成だったと思われる。

軍人としての階級制度がはっきりと見えてくるのは、グリプス戦役後の第1次ネオ・ジオン抗争のガンダムZZからである。


現場担当トップのブライトと指導者としての立場のクワトロ

はっきりしているのはブリーフィングルームで作戦参謀を指揮しているのはクワトロだが、それを補佐しているのはブライトでもある。

クワトロはパイロットでもあるからエゥーゴ艦隊の全体指揮はブライトが行うこととなる。

ならばやはりエゥーゴのトップはやはりこれもまたブライトなのではないだろうか?と思ってしまう。

ティターンズ、アクシズ、エゥーゴの最終戦に突入し、いつも百式で前線に出たがっていたクワトロは、この時点でエゥーゴの指導者として名乗ることは難しい。これがエゥーゴのグリプス戦役で勝てなかったせいだ。

やはりクワトロもエゥーゴのトップになる気はサラサラなかったのだろうし、エゥーゴの実質的トップであるアナハイム・エレクトロニクス社の会長メラニー・ヒュー・カーバインはエゥーゴの士気を上げる為に、スペースノイドのカリスマ的存在シャア・アズナブルの名前を上手く利用していただけだと推測する。

普通ブレックス准将、将官が亡くなったとしたらブライトを将官に上げるか、クワトロを上げるかするだろうに。

軍隊とは名ばかりではないだろうか?

カミーユだってそうだ。階級がはっきりされていない。ファが軍曹だと設定されているのにも関わらずだ。

恐らくはブライトもクワトロもカミーユも軍人としての軍事階級の昇級を打診されたが、断ったと見たほうが自然なんだろう。

そしてこの後の第2次ネオ・ジオン抗争ではシャアは総帥という立場で戻ってきた。そこでも階級としてはシャア大佐である。うーん全くもって変だ。


☆最後までお読み頂きましてありがとうございます。


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