機動戦士Zガンダム 百式 クワトロ・バジーナ 16
★この記事は百式とクワトロ(シャア)をリスペクトした100回シリーズになっています。
今日は「第39話 湖畔」中立コロニー・サイド2・13バンチでの、とても無意味なシャアの行動を見ていきたいと思います(笑)。
モビルスーツのカラー
アーガマは修理と補給の為に中立空域のサイド2の13バンチに入港した。
カミーユとファはシンタとクムを連れて戦いの疲れを癒す為にひと時の休暇を得た。途中で別れたエマ中尉はサイド2での受領物資受け取りの仕事があった。
クワトロはサイド2の13バンチコロニー付近での空域でエゥーゴのモビルスーツが狙われ、落とされていることを不審に思い、単独百式に乗って偵察行動に出ていた。
そこではティターンズがエゥーゴのモビルスーツを狙っては狙撃していた。ティターンズ所属のカラとソラマの二人である。
ここでの彼らの詳しい目的と任務は何だったのか?ティターンズから追い出された様に見える、はぐれ者として登場しているが、過去カクリコンが言ったように「モビルスーツなど母艦を沈めればただの人形だ」その通りでモビルスーツは帰るところがなかったら何もできない。
だからティターンズ作戦部隊から、何らかの指示を受けていたと思われる。しかし彼らの台詞からそのようなことをひとつも感じられなかった。
サイド2の13バンチは観光コロニーということでもあり、エゥーゴもティターンズもアクシズも入港を許される。だが連邦法によってコロニー内での戦闘は許されない。「アーガマが入港しているからエゥーゴのモビルスーツ襲え」ただそれだけだったのか?謎だ。
それより、この第39話の本目的は別にある。
クワトロはアーガマに戻る際に丁度よく発見されてしまう。
百式を発見してなかったら、本人達も死なずに済んだのに…やはり金色はよほど目立つと思われる。
敵に見つからず戦闘を行うのであれば基本、軍の海兵隊などは背景と周囲の景色に溶け込む迷彩柄を着用するはず。旧ジオン軍の地上用のモビルスーツなどは砂漠での戦闘を考えて、デザートカラーの迷彩色を使ったりしている。
ザクが緑色なのも森林地帯での、戦闘における擬態カラーなはずだ。
しかしシャアや腕に自信のあるエースパイロットは少し考え方が違う。他に代表的なパイロットは、ジョニー・ライデン、アナベル・ガトー、シン・マツナガなどヒーローと呼ばれる、歴戦のパイロット達は目立ったカラーを好む。
一年戦争時シャアは赤い機体のモビルスーツに乗っていた。赤くて3倍速いシャア専用ザク、シャア専用ズゴック、シャア専用ゲルググ。
その赤さとは実際は鮮やかな赤で、Zガンダムでのライラ・ミラ・ライラ大尉が搭乗していたガルバルディの赤とは違う。あの赤は暗い紫色だ。マラサイカラーとも違う。
宇宙で有利に戦闘するモビルスーツカラーなら、漆黒の宇宙空間に紛れ込むことができる、黒色から紺から青色だろう。
しかしそれには作戦により、大きなデメリットがある。
艦隊戦や多くのモビルスーツ隊が入り混じる大戦は、宇宙空間では重力が無いので地上戦と違い非常に戦闘が難しい。その為宇宙空間と見間違う暗いカラーだと、味方に間違われて撃たれることになるからだ。
だからハイザックもネモも無難なカラーリング、グリーンが採用されているのだろう。
コロニーに開けられた穴の数はクワトロの悩みの種
「来たぜ!」カラが発見する。
ソラマはそれに対して「おとりじゃないのか?」と言っている。しかしその後百式の金色の姿を見て、カラに「どうする?」と言われ、有無をいわずにソラマは「10機目だぜ!ちょうどいいってもんだ!」と百式を叩きに行く。
発見されたクワトロはこのハイザックがエゥーゴを狙っていたのかと気づき、早速戦闘に入る。腕が鈍ってるシャアはコロニー外で2機を撃ち落とせず。
しかし、2対1での戦いもやはり腐っても相手はシャア。彼らが墜とされるのは時間の問題。百式と揉み合い不利に陥ったカラはコロニーに向かってビームを放ってしまい穴を開けてしまう。まず1つ目の穴。
カラのハイザックはコックピットの空気漏れの為に戦闘をコロニー内に移す。ソラマも追う。
すると内側から百式に向かって、コロニーに2つ目の穴を開けられ、「連中はコロニーを潰す気か?」とクワトロはハイザックを追いコロニー内に侵入する。
後々カミーユにあのコロニーにはハマーンとミネバがいたんですと聞いて、そうか私もそれに引き寄せられてしまった、そしてあのコロニーに引き寄せられてしまったと言い訳がましいセリフを言っていた。
“類は友を呼ぶ”の言葉のように、特にニュータイプはニュータイプ同士が引き合う不思議な力を持っている。
だからカラとソラマは偶然にクワトロの百式を見つけたのではなく、シャアはハマーンに引き寄せられた必然的に起きた戦闘だったのだ。しかし一歩間違えたらコロニーを潰していただろう。
一般的にスペースコロニーはモビルスーツくらいの大きさの穴が数ヶ所空いたとしてもコロニー自体は破壊に至らない設計にはなっているが、クワトロがまずカラを直撃させて爆発させたためモビルスーツもろとも吹き飛んでしまい、今度は3つ目の大きな穴を開けてしまう。
「もう一機は爆破せずに破壊せねば」と言い、トリモチで穴をふさぐ。
ソラマを追いかけてる最中にカミーユもハマーンもハイザックと百式を目撃した。
ハマーン「エゥーゴめ、ミネバ様を拉致するつもりだったのか」
ファ「クワトロ大尉でしょ?なんでこんなところで戦闘するのよ」
カミーユ「あそこにハマーンがいると知ってきたんだ」
それを見たアクシズの兵士は隠していたガザCに乗り込み、困ったことに2機の間へ入り込んで勘違いバトルへと突入する。
ソラマのヘッドを狙って爆破させずに倒したクワトロは落ち着く暇もなく、ガザCを相手にすることに。ガザCの放ったビームはソラマのハイザックに命中し、再び大きな4つ目の穴をコロニーに開けてしまい、
「ええい!ままよ!」と何ともゼータのシャアらしいセリフを吐いて、コロニーを潰す覚悟でガザCを宇宙の彼方へ葬った。
(ちなみにソラマの声優さんはジュドー・アーシタの矢尾一樹さん。あとゲーツ・キャパも)
結局この回はニュータイプと強化人間が惹かれ合う回
「第39話 湖畔」ではカミーユがロザミアと会い、そしてハマーンとミネバに出会い、さらにシャアとひとつのコロニーで、ニュータイプ同士が交叉するという出来事となった。一見無意味な回と思われがちだが、重要な回でもある。
それはロザミアはニュータイプ研究所オーガスタから特命を受けて、Zガンダムのパイロットに接触する作戦だったからだ。その途中強化人間らしくミッションを忘れてしまい、カミーユをお兄ちゃんと呼び「ストーカー化」する。
オーガスタ研のローレンは元々バスクの指示を受けて、アーガマに潜り込ませる為にロザミアを送ったのだが、普通の潜入方法じゃない。間違えばカミーユにニュータイプの影響を受け、ムラサメ研のフォウみたく狂わされていてもおかしくない。結局成功はしたが、不確定なミッションに疑問を感じる。
クワトロはハマーンの気配を感じてコロニーに入らざるを得ず、百式で戦闘をしてしまった。ゼータでのシャアはこういったことが頻発する。
アーガマに戻ったクワトロはサイド6の警官に連行され、事情聴取を受けることになる。
カミーユ「クワトロ大尉13バンチの警官が待っています」
クワトロ「そうだろうな」
カミーユ「ブライト艦長がカンカンですよ」
クワトロ「国際法無視だからな。やむを得ん」
カミーユ「罰金で済むんですか?」
クワトロ「いや...私が最初に接触したハイザックは、この2、3日無法をしていたティターンズのハイザックだ。武器持ち込みをやったのもティターンズだ。私は大丈夫だと思っていたいな」
カミーユ「僕ら、あの湖にいたんです。ボートで」
クワトロ「ほう」
カミーユ「ハマーン・カーンがいました」
クワトロ「ハマーンが?!」
カミーユ「ミネバもね」
クワトロ「その気配だったか。私も感じた」
カミーユ「大尉が?」
クワトロ「それで迷ってな、敵に引き込まれてしまった」
カミーユ「そうですか」
ことにシャアはカミーユやハマーン、ミネバ、シロッコなどの気配をアムロ・レイだと感じて、口に出す。今回もそうだ、「気のせいか?あのコロニーにアムロがいるような感じがある」という台詞。
シャアの感じる気配...シャアの潜在意識に強烈に植え付けられたものとは、やはりアムロはシャアにとっては、とてつもなく大きな恐れを抱く存在なのだと思う。
シャアの額にアムロが傷付けた傷跡のように、ずっとシャアの頭の中に永遠に残るのだ。
だから、アムロは倒さねばなるまい。
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