機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争・2
☆前回からの続きです。
本物の殺し合いを知らずに戦争ごっこにのめり込んでゆくアル。バーニィを追ってトラックにしがみついたはいいが、振り落とされて落ちてしまった。
アル、サイクロプス隊の特殊任務に任命される
バーニィの居場所を突き止めるために、アルはトラックのナンバーを覚えて警察に駆け込み「不審なトラックにひき逃げされた」と嘘をつく。
アルのせいでコロニーの警官が来たことでまずいことになる。積み荷をなかなか見せないことに不信感を持った警官は強制的に検査を行うことに。アルはミーシャが手にした拳銃を見逃さなかった!
演技派アルの本領発揮。
「うえーん💦ごめんなさい」
と言って土壇場で警官のコンテナ検査を交わすことが出来た。
そして、アルは隊長に対して「仲間に入れて欲しい」と懇願する。アレックスのコンテナを撮影した時の状況を説明すると、シュタイナーは少年のアルに対して特務隊のバッチを渡す。
しかしそのバッチには盗聴器が仕掛けらている。
そんなアルとバーニィの小さな任務は「ガンダムの工場を突き止める」ことだった。
サイド6の小さな悲劇の主人公は?
この物語の主人公はクリスでもなければガンダムでもジオンでもない。そしてバーニィでもない。
そう戦争の傍観者アルフレッド少年である。
これから小さな少年が悲劇の歯車を回し始める。戦争の被害者であるアルフレッドは悲しくも、彼の好奇心から戦争の加害者へと回ってしまうことだった。
アルの秘密任務はバーニィと連邦の秘密基地を探るというものだったが、実際はルビコン計画の実情を知られてしまったアルフレッドをバーニィが見張るというものだった。
サイクロプス隊にとっても新兵バーニィは元から役に立つなんて思ってはいなかった。丁度良い仕事だと思っていたかもしれない。
アルの家を見張っていたバーニィだったが、クリスが不審者と思いバットを持って殴り倒す。クリスとバーニィの出会いのファーストシーンだ。
クリスの家で事情を説明するアルとバーニィ。説明は腹違いのアルの兄さんという設定に納得するクリス家族。しかしその好青年を思わせるバーニィをクリス一家はほのぼのとした様子で見ていた。
そこでクリスの父から「連邦軍に入っちまって」ということを聞き、アルは「クリス、軍人だったの?バーニィは本物の軍人なんだぜぇ」と口を滑らせる。
バーニィはつい焦り「今は除隊しました、工場で仕事をしています」そんなアルは口を滑らせたことなんか気にせずに呑気にクッキーをぽりぽり...
そしてケンプファーの組み立ては進む.......
アルはケンプファーのパイロットにバーニィを推すが隊長はミーシャに決まってるんだと言う。
隊長にパイロットをバーニィに考え直してくれないかどうか?必死にガンダムの工場を探す。
そしてなんとアルはガンダム工場を発見。それを止めるべくバーニィも少年アルの口車に乗せられて、工場に侵入してしまうのだった。
危険な怪しい工場への潜入
アルとバーニィが工場を発見した頃、サイクロプス隊のアジトではケンプファーの組み立て完成が迫っていた、いよいよルビコン作戦の本番が見えてきた。
一方「アル!やめろ!アル、捕まるぞ!」との声に言うことを聞かないアル。しかし新米ジオン兵のバーニィもこの工場が連邦の怪しい工場だとわかってくると、重要な何かを隠していると確信する。
恐らくバーニィだけでは潜入は不可能だっただろう。
細いダクトに潜って進むアルはとうとうアレックスを発見した。これを撮影すれば、サイクロプス隊の任務達成大手柄である。
しかしそのアルの場所に連邦警備兵がやってくる。バーニィの静止を振り切りアレックスの姿を写真を収める。なんとかアルはギリギリのところで警備兵には見つからずにバーニィと工場から脱出することに成功した。
これで隊長に褒められるとエレカーの中で大はしゃぎの2人。
しかし...
作戦のぶち壊しで殴られるバーニィ
ガルシアに「バカヤロウ!てめぇ作戦をオシャカにする気か!勝手にちょっかいなんぞ出しやがって連邦に捕まったらどうする気だ!えっ!ガキの遠足じゃねぇんだぞ!」と激怒される始末。
良かれと思ってやったアルとのガンダム工場侵入だったが、隊長の言う通り1歩間違ってバーニィらが連邦軍に見つかればルビコン作戦の失敗につながることにもなったかも知れない。
シュタイナー隊長は「ウチまで送って行ってやれ。あんな無茶は二度とやるな。死にたくなかったら命令通り行動しろ」
隊長に言われたバーニィは家へアルを連れていく。ガンダム工場で精一杯やりきったアルは疲れて車内で眠ってしまう。バーニィはクリスの家にアルを届けた。
そこでバーニィとクリスのこの本編での2人だけの会話が行なわれる。バーニィもクリスのことを、クリスもバーニィのことに好意を持ち始めていた。
クリスはアルの優しいお兄さんとしか思っていない。バーニィはクリスのことをガンダムのパイロットだとも知らず、クリスに不思議な恋が芽生えていたように思える。
別れ際アルをクリスの家に預けたバーニィは、クリスに「では、またワイズマンさん」と呼ばれて、
バーニィ「マッケンジーさん!あのぅ...次からはワイズマンじゃなくて、バーニィでいいです!」
クリス「私もクリスと呼んでください。おやすみなさい、バーニィ。」
バーニィ「クリス...」
家を出たバーニィは笑顔を見せて走って行った。
ガンダムシリーズにはよくあるストーリーで、出会った男女は恋におちてしまい、敵同士なのに互いの素性もはっきりと知らず最終的に戦うことになってしまうなんて、運命とは残酷なのだろうか?
クリスの父と母は家の中から窓際で2人の姿を見ていて、彼はいい青年だなと思ったに違いない。
もう顔を合わせる事のない2人。バーニィはジオンの兵士である。この行く末を考えると、なんか切ない。切なすぎる😢
一方シュタイナー達サイクロプス隊はアレックス破壊の為に着々と進め、MSケンプファーを組み上げた。
ついに決戦の時は近づく。
「滅びゆく者のために.......」
次回へ続く...
☆最後までお読みいただきましてありがとうございます。