kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

世界征服学 シャアの正義は美学

みきっぺ(id:charlotte102)から教えて貰った文庫本。

「世界征服」は可能か?岡田斗司夫著書 筑摩書房

僕らは、毎日のビデオ通話で本の話をしている。

そんな時先週、この本を教えて貰った。もう俺が好きな内容でアニメを元に「世界征服論」を真面目に検証している。直ぐに購入した。

昨日の彼女のブログでこの本が紹介されています。

早速、今日一気に読破しました。めっちゃ面白かったです。これ、自分も読者になっているColdSnapさん(id:ColdSnap)がこの本を紹介されていたんです。

それを彼女が興味を持ち、購入し読んだということなんです。

みきっぺの記事にも書いてあるんですが、

あなたはどんな支配者タイプ?

A.魔王タイプ「正しい」価値観ですべてを支配したいタイプ。(ex.『レインボーマン』の「死ね死ね団」)

B.独裁者タイプ責任感が強く、働き者・仕切り屋タイプ。(ex.『DEATHNOTE』の「夜神月」)

C.王様タイプ自分が大好きで、贅沢が大好きなタイプ。(ex.『ドラゴンボール』の「レッドリボン軍総帥」)

D.黒幕タイプ人目に触れず、悪の魅力に溺れたいタイプ。(ex.『007』シリーズの「スペクター」)


さて、皆さんはどのタイプに当てはまると思いますか?直感で決めて見て下さい。面白いですよ!

ちなみに自分は速攻で『A』でした。

大体支配者というのはこの四つのどれかのようです。

Aタイプは魔王「正しい」価値観ですべてを支配したい。

正義感の強いあなたは魔王型。別名「人類絶滅型」らしいです。正義を愛するということは、悪を憎むことでもあると(なるほどねぇ)。

心の中に、強烈な恨みや怒り、許せない感情の爆発が常に存在しているのが、正義感の強いタイプの特徴だと。この燃えるような正義の炎は「自分勝手でだらしない人類なんか、俺の手で絶滅させてやる!」と考えてしまう。それこそが魔王型の特徴なんだとか。

なるほど納得。

この本では『レインボーマン』というヒーロー番組の「死ね死ね団」をサンプルとして説明しているのですが、自分知らないんです…💧

このAタイプにはオウム真理教もあてはまっていると書かれている。宗教の中に正義感みたいなものがあって、その正義感が間違った教義に昇華していくと、あのような恐ろしいことになってしまうと。

正義感が強く、不正を許せないAタイプのあなた、世界征服をする時はくれぐれも気をつけてくださいね、だとさ!


そこで俺は気づいた、Aタイプって...

あ!シャアじゃね?って。

ジオン思想を提唱しジオン共和国を作った。シャアの父ジオン・ズム・ダイクンは、ジオン共和国内反勢力側のデギン・ソド・ザビに暗殺された。シャアの本名はキャスバル・レム・ダイクン。妹のセイラの本名はアルティシア・ソム・ダイクン。ジオン・ダイクンを殺したザビ家はダイクン派を粛清していく。

もちろん親を殺したからには、子を残しておけば必ず子が復讐しに来る。だからザビ家はキャスバル王子とアルティシア王女を探させた。まだ幼い2人の子供は殺される危機に陥る。

そんな時、父ダイクン派の側近中の側近、ジンバ・ラルがキャスバルとアルティシアを地球へ逃がすことに成功する。地球でザビ家の魔の手から逃れ隠れて、2人はお互い離れ離れになることに。妹アルティシアはザビ家の迫害から逃れるべくマス家の養女となり、「セイラ・マス」と名を改め、地球で素性を隠しながら生活する。

兄キャスバルは両親を殺したザビ家を憎み復讐を決心し、「シャア・アズナブル」という偽名を名乗り、地球を離れサイド3のジオン公国へ旅立ち、ジオン軍士官学校に入隊する。同期にガルマ・ザビがいた。

セイラもその時地球を離れサイド7に移住する。

実はガンダムにおいてジオン公国が独立国家を宣言し、地球連邦政府に対して独立戦争をしかけるので悪の組織と思われがちですが、実は地球連邦政府こそが悪の組織とも言えるのです。

地球連邦のエリート達は地球の人類の人口爆発増加で、人は宇宙へ旅立つべきだと地球連邦政府の政治家達は宇宙への移民政策を半ば強引に進めて、人類のほとんどが宇宙へ移り住む。しかし資源のほとんどが地球にあり、僅かに残った地球のエリート達はスペースコロニーや月面都市に住む人々、スペースノイドに圧政を強いてくる。そのスペースノイド(宇宙移民)達が地球連邦政府に対して不満をぶつけたのがそもそもジオン共和国の始まりで、実は地球のエリートが大衆達を地球から追い出したかっただけなんですね。

宇宙移民はせっせと働き地球に富を寄越せと、それに反発したジオン軍が地球にコロニー落としなどをしたのも悪いですが、地球連邦政府、ジオン公国、共に大義名分の正義を持った「悪」と言えるでしょう。

そこで「シャアの正義」と「アムロの正義」というものがあります。自分はAタイプなのでシャアの気持ちが物凄くわかります。

古代ギリシャの哲学者「アリストテレス」は「人間は本性からして政治的な動物である」といった。 これはどういう家庭、どこで育ち、生まれ、どんな人達と関わって生きて来たのか、取り巻く全ての環境が思想、哲学、そしてその人物の正義を育んでいく。

シャアは初めに正義を告白した相手は親友のガルマ・ザビであった。自分から父と母を奪った憎き、一族ザビ家の第4子...元来野心家シャアの仮面の下には「仇討ち」という素顔があったのだ。そしてガルマをまず第1のターゲットとする。

しかしザビ家の「権力」はスペースノイドの自治権、独立国を獲得する為の「正義」でもある。

「正義」と「権力」とは相反するものではないのだ。

しかしザビ家の復讐に徐々に近付いていった、その後のシャアの「正義」は「権力の志向」と共に心の奥底にカギを掛ける事になった。

アムロの正義とはまさしく、最終話ア・バオア・クーからコア・ファイターで脱出した「帰れるところが僕にはあるんだ!」に集約されている。そしてシャアに「僕はあの人に勝つんだ!」という、そこは全くもってアムロ自身の小さな正義である。アムロはガンダムの主人公だったが、地球連邦軍の一兵士であり、哲学も思想も持たない、ただホワイトベースの仲間達を守る為だけの正義だけなんだな。

ア・バオア・クー内で、シャアは最後アムロと白兵戦でセイラに仲裁に入られた時アムロに「アムロ君もニュータイプなら、私の同士となれ」と言った。

この時シャアの心の奥底に封じられていた「正義」を見た。

残るザビ家の長女キシリアを葬ったバズーカーの一撃は復讐に血塗られた古き正義への手向けだったのかも知れない。

そしてゼータではクワトロ・バジーナと名乗り、また違う「正義」を見せたシャアは迷走に迷走を重ねて、『逆襲のシャア』でシャアは自らの正義を貫くために、地球の人々を根絶やしにしようと「小惑星アクシズ」を地球へ落とすという行動を起こした。それは若い頃のシャアがザビ家を倒すと決意した正義から、それはやがて己の信念が自己矛盾した形になり、偽りの正義へと変わった。

この本の「世界征服学」に見る限り、シャアは見事にAタイプである。「人類絶滅型」だったのだ。

アムロとの最終決着でシャアの偽りの正義がバレた訳だ。「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!そのララァを殺したお前に言えたことか!」とアムロひとりに真相を打ち明けて完結となる。

シャアは正義と悪を超えた赤い彗星の煌めきを残した。そう、彼の正義とは美学だったのかもしれない。


B・C・Dタイプの詳しい説明を見たい人はこちらへどうぞ↓

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