機動戦士Zガンダム 反感 反乱 敵意
【反感】同意できず、または不快で、反発・反抗したくなる感情。(Google検索)
相手の存在や言動に対して反抗する気持ち。反発の感情。(デジタル大辞泉/goo国語辞典)
相手の考えや言動を不快に感じて反発しようとする気持ち。反抗的な感情。(三省堂 大辞林 第3版)
反感とは主に以上のようなことを指す。
また英語で反感はantipathy。
反乱・暴動などを意味するrevolt。
敵意・犯意などを意味するanimosity。
しかしrevoltもanimosityにも含まれる意味には反感が入っている。
さて、Zガンダムで「反感」のワードが入ったセリフを見ていく。
Zガンダム 反感
最初の「反感」は第2話「旅立ち」である。
ブライトがガンダムマークIIの訓練を何故グリーンノア・1で行ったのか?を問いただす為にバスクの元へ赴いた際、いきなりバスクに殴られる。
「一般将校は黙っていろ!ここはティターンズの拠点である!正規の連邦軍とやり方が違う!」と言われて、口答えをしたブライトは他の将校にも殴られる。
さらにカクリコンまでもが「大佐は黙れと言っている!」と上官のブライトをぶん殴る。
そしてブライトの放った言葉。
ブライト「反感を育てておいて何を言うか!」
反感を育てたのがティターンズだということか。
次に出てきた「反感」は第7話「サイド1の脱出」。
ライラ・ミラ・ライラはオールドタイプではあるが、自分にとって受け入れ難いと感じていたニュータイプの存在を認めながらも、死に間際に自分がオールドタイプだということに気づいた。
カミーユのガンダムマークIIのパワーに圧倒されたライラは隙を付かれて、マークIIが放ったビームライフルはガルバルディのコックピットを突き抜けた。その時のセリフとなった言葉である。
ライラ「そうか…私は今、あの子は只者じゃないと言った…このわかり方が無意識のうちに反感になる…これがオールドタイプということなのか…」
このライラとブライトはニュータイプに理解力があったオールドタイプであったが、共に実力もあり連邦軍で同じ反感を抱いた2人だが、その後の人生はくっきりはっきりと分かれた。
俗人
俗人であるほとんどの人は相手を素直に受け入れたり認めたりすることが難しい。
シロッコが言った通り、ニュータイプと言われる者たちの一部がひと握りの天才であるのは間違いないのだが、自分がその天才より劣る凡人だとは認めたくないのも、また凡人である考え方である。
また凡人ほど他人を認めないものである。
これといった特徴のない一般人、または普通の人のことを凡人というが、凡人の同義語には凡庸な人、並の者、俗人、従者、只者、、、など等あるが、大衆のほとんどが凡人であって凡人は自分を凡人だと認めたがらない。
人はそれぞれに個性があり、容姿も違えば考え方も異なり、人それぞれ全てが違う。だから自分の殻に閉じこもった世界ばかりを見ていると人は自分を特別と思ってしまう節があり、無意識のうちに相手を敬わず自惚れてしまう。
無意識のうちに反感になる…
無意識的に相手に対して不満感をあらわにしたり、同意できずに反発してしまうのが、オールドタイプということなのだが。
ライラのように自分をオールドタイプだと認めた者は、ニュータイプにはなれないがオールドタイプの枠から飛び出すことができた、ニュータイプ寄りのわかり得た人間ということになる。
ブライトは反感を育てたのはティターンズという組織だと言った。
ティターンズはエリート集団だが、組織という場所は凡人を作り出す場所でもある。組織に逆らえないということはつまり凡人である。
組織のトップ、または上位にいる人間は天才、もしくは優秀でなければならないが、その下に属する人間は俗人でなければ組織としてまとまりを欠くことになる。
またライラのように全くの俗人じゃなくなった時、組織の中では邪魔になってしまったりする。
ジャマイカンにライラは度々進言したが、まったく取り合って貰えず、ただの戦争好きな連邦軍女士官としか見られていなかった。
ライラがカミーユに苦戦していた時、ジャマイカンはその戦況を見ていて援軍は出さなかった。もしジェリド達に援護の出撃させていたらライラは命を落とさずに済んだのかも知れない。
つまり組織の中で指示通りに動かずに身勝手な者は、例え非凡な才能を持つスタッフだとしても組織からはお払い箱なのである。
ティターンズを差し置いて「自分の方が宇宙での経験があるから戦闘隊長にしろ」とか「アーガマが以前のホワイトベースのよう」とか「彼らはニュータイプかも知れない」とか言うライラはジャマイカンにとって目障りの何者でもなかった。
凡人の私が生きる道
凡人であるべき私が上手にこの世の中を生きるにはいったいどうしたら良いのか?
自分自身を凡人であることをまず認めることと、認めたからといって自らを蔑まさず悲観的には絶対生きない。楽観的に生きるということである。
私とて組織の中で生きる人間である。
であるならば、組織や相手に対して反感を抱いてはいけない。
反感を抱いたとしてもわからないようにしなければならない。潜めた反感であっても相手に悟られてはいけないのだ。
反感を示して組織に対して敵意を抱いたら、ブライトのように鉄拳制裁を食らって反乱を起こし、組織からの離脱を覚悟しなければならない。
ブライトはオールドタイプでありながら非凡な才能を持つ人物だからこそ大成しただけであって、凡人が思い切ってそういった行動を起こしたならば、もしかしたら自分を破滅に追い込むことにもなりかねない。
反感というのは組織が育てるのは間違いない。
賢しく生きるならば、どうか?
ライラ・ミラ・ライラのように死んでからわかっても結局は遅いのである。
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