機動戦士Zガンダム 百式 クワトロ・バジーナ 21
☆これは百式とクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)をリスペクトした100回考察シリーズになっています。
アクシズとシャア。小説でもまずガンダムがあり、続編のZガンダムがあった。そのズレた時間を埋めるべくガンダムのサイドストーリーのほとんどは、あくまでも富野御大が監修の上作られてきた。
北爪宏幸氏作画の「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像」や現在出てる「機動戦士Zガンダム Define」など北爪宏幸氏が描くガンダムは好きですよ、ただあまりにも新解釈過ぎてストーリーがぶっ飛んでる(一部キャラクターの描き方もだが...北爪先生は好きだから仕方がない💧)
はっきり言ってZガンダムはあのままで大きく変える必要は無い。興味が無いからほとんどは見てはいないが、昔のTVアニメ版を起点に微妙な妄想、この位が一番良いのではないか?
アクシズに身を寄せていたシャアと少女ハマーン・カーンの関係が実はこうだった!と後解釈で説明されてもピンと来ないし、合点も行かない。矛盾点を探してしまう。だからもっと書くなら時代背景を並行的にあまり動かさず描いて欲しい。タイムパラドックス的なストーリーを新たに作るということは、元の作品の全て台無しにしてしまう。
シャアとアムロは登場する作品ではないが、その分「機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争」「機動戦士ガンダム 第08MS小隊 」「機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー」は凄く良い作品となっている。
だからどれも上記の3作品以外はガンダムの代表的なOVA作品として映像化はされないんじゃないだろうか。
Zガンダムに登場するアクシズとは?
7年間のシャアのアクシズでのお忍び生活や、少女ハマーン・カーンとの出会いなどどうでもいいのだ。
アクシズとはひとつの巨大な小惑星基地であり、一年戦争以前から小惑星アクシズはジオンの残党数万人が時期を伺い潜める最大拠点である。
そのアクシズが、地球圏に接近しつつあったこの頃、地球圏の軍事バランスが崩れることにより、紛争の火種になる前触れだとシャアは感じた。
シャアがアクシズから離れた理由は言わずもがなである。ハマーン・カーンから離れたかったに違いない。シャアは甘い考えの元にエゥーゴに接近して、ティターンズが地球圏で無法を行っているからというのは、あくまでもシャアがいつも言う建前上でネオ・ジオン抗争を考えていたかも知れないはずだが、この頃は時代がそのような時期ではなかった…。
シャアはまだ地球で物言える立場に人脈も軍事的な基盤も無かったと言える。そんなアナハイムにガンダリウムγと新たなモビルスーツデータ技術の案件を持って行ったところで、ジオンも吸収した連邦軍とも連携する巨大な軍産複合体が相手にするまでもない。
そんなエゥーゴ幹部がクワトロと会談する数少ない場面を見てみよう。
まずは第8話「月の裏側」でエゥーゴの幹部が集まる前に、シャアの側近キグナンが密かにクワトロの元へ訪れた。
クワトロ「グラナダの方はどうだ?」
キグナン「アレキサンドリアと他、2隻が入りました」
クワトロ「上手くゆくのか?」
キグナン「アナハイムもそのつもりですから」
クワトロ「何かあったのか?」
キグナン「アステロイドベルトの写真です」
クワトロ「なに?!」
キグナン「スペクトロ分析でも核パルスと分かりました」
クワトロ「核パルス?アクシズか...」
キグナン「はい。だいぶ前から地球圏に向かって移動を開始しています」
クワトロ「地球へ?」
キグナン「はい」
クワトロ「ジオンの亡霊が動きだしたか…ハマーン・カーンは20歳になったか?」
キグナン「はい!あとひとつ気になることがあります」
クワトロ「ん?」
キグナン「グリプスが動き出しました」
クワトロ「グリーン・ノアがか、バスクめ」
そこに宇宙世紀の電話が。ウォン・リーから伝言を預かっていると、ハンバーガーショップのマクダニエルに集まるように言付けがあった。
キグナンに「マクダニエル?」と聞き、「ハンバーガーショップですよ」と教えられたところを見ると、シャアはハンバーガー、いや食には疎いようだ。
アクシズはジオン公国の残党が集結した場所である。しかもグリプスまで動きだしたこの情報はエゥーゴ幹部に報告しなければならないのだが…報告したんだろうな、クワトロ大尉。
エゥーゴ幹部との戦略会議
早速クワトロはエゥーゴ幹部が集まる、ハンバーガーショップ「マクダニエル」へいく。
クワトロ「ここか。」
ヘンケン「准将はグラナダに入った」何故ヘンケン中佐がマクダニエルの店員に変装しているのか?未だに謎。
クワトロ「ウォン・リー、諸君の協力で初期の作戦は完了した」
ウォン「クワトロ大尉、ご苦労。今日呼んだのは君がジャブロー侵攻作戦に反対だと聞いているので、その意見を聞きたくてな」
クワトロ「戦力差がひとつと、地球上の破壊行動は地球を汚染します。それにあの重力の井戸の底に落ちて、脱出はどうするんです?軍事的効果を考えればグリプスを撃滅する方が正しい」
ウォン「しかしグリプスは地球連邦の手足にしか過ぎん!本体を叩かねば。次のグリプスが生まれるどおりだ!しかしジャブローは地球連邦の拠点だよ。こいつを叩きゃ、グリプスだって補給は無くなるわけだ。それに世界が我々エゥーゴを認めて民意を一挙に味方に付けられる」
クワトロ「ウォンさんは出資者だと思っていたが、政治家になるおつもりで?」
ウォン「ふふふ、馬鹿言え。」
クワトロ「エゥーゴでの地球での支援部隊、カラバへの連絡は?」
ウォン「取れてる。モビルスーツはカラバに渡して、パイロットは宇宙へ戻ればいい」
クワトロ「出資者は無理難題をおっしゃる」
以上の話し合いだったが、クワトロを呼ぶまでも無くてこの作戦は命令指示であり、メラニー会長の既定路線だったということだ。このシーンではエゥーゴもつまりはくだらない組織だな、という印象を受ける。
何故ならクワトロの意見だ。また「地球を汚染します」とか今更言うなよ感溢れる、訳の分からんことを言ってる。今は戦争をしているのだよ、クワトロ大尉。
そして、カラバがまだ未熟な組織なのに地球連邦軍の本拠地をエゥーゴのモビルスーツ隊だけで制圧しようなんて...上層部は兵隊をコマ扱いだ。あんな作戦はシャアとカミーユがいたから成功したんだって!
カミーユが言ったように「エゥーゴが今まで無事にうまくやってきたのは、ぼくのおかげなんです!」うん。君の意見はよく分かる!
第一、密かに会談すると言ってもハンバーガーショップって...せめて中華料理店とかあるでしょうに。元々、月のほとんどはエゥーゴの基地とも言えるアンマン市なのだから。
メラニー・ヒュー・カーバインとシャア
第30話「ジェリド特攻」
ウォン「最近のエゥーゴは守りに気を使いすぎるとおもわんか!」
クワトロ「エゥーゴイコール反乱軍のイメージが強くなるだけの作戦は良くない」
ウォン「大尉はアクシズがなんの為に動き出したか知っているのだろ?」
クワトロ「さぁ」
ウォン「昔ジオンにいた男が知らんはずはあるまい!」
クワトロ「ウォンさん...」
コンコン...
ウォン「来たか。」(ネクタイを締め直すウォン)
メラニー会長登場。
メラニー「元ジオンの残党が拠点にしているアクシズが地球圏に入ったというのか?」
クワトロ「はい」
メラニー「大尉は彼らと接触をして我らエゥーゴと手を結ぶ」
ウォン「はい」
クワトロ「アーガマが使えるのでしたら…」
ウォン「呼び寄せる!」
いきり立って部屋から出ていく。
メラニー「クワトロ大尉、君の本心はどうなのだ?」
クワトロ「かつてのザビ家の生き残り、ミネバを立てる残党に志があるとは思えますか?」
メラニー「うむ...ダメで元々だ、やってみる価値はある」
クワトロ「はい」
とやっと高級チャイニーズレストランのような場所で会談と思いきや、ウォンはクワトロのとぼけるような誤魔化し半分な返事に怒り途中席を立つ。シャアはウォンとメラニーともに本心で対応していないのがよく見てとれる。
ウォンはネクタイを締め直したが、クワトロはメラニー会長に対してサングラスも外さない、一体どういうことだ?さすが腐ってもシャア・アズナブル。
第8話のウォンとの話し合いからだいぶ経ってシャアのウォンに対する態度も若干硬化している。舐めてんな出資者を。メラニーは良しとしても、ウォンさんはただの出資者じゃないぞ!月面の戦闘でモビルスーツ相手にプチモビールで戦ってみせた武闘派だぞ!
せっかく高級中華が入って来るかと思いきや、ウォンさんは席を立つし、「茶」だけとは。まさか「酒」じゃないよね。
この時は最終段階に入っておりトップ3会談だった。情報漏れがあってはいけないからだ。しかしメラニー・ヒュー・カーバインはそこまでシャア・アズナブルという男を信用していたということになる。
第45話「天から来るもの」
ゼダンの門がアクシズによって真っ二つに破壊されたあと、メラニー・ヒュー・カーバイン会長はクワトロと直々にグワンバンに乗り込み、ハマーン・カーンと交渉に入るのだが、ここを遠目で見る限り頭を下げていたのはメラニー・ヒュー・カーバイン会長だけだった。
メラニー会長のボディーガード、補佐いや、シャアはそのハマーンとの交渉の行方を、その目で確認するために同行したのだ。
この男確実にエゥーゴから少しずつ、アナハイムからも気が離れていたと思われるシャア・アズナブル。やはりこの男危険かも知れん。と疑い言うのはティターンズの総帥ジャミトフ・ハイマンだけである。
そこが、シロッコとジャミトフ、シャアとメラニー会長の違いなのだ。メラニー会長はシャアを信用する。これは大事なことである。まあどっちも腹黒い組織の黒幕なんだが。
アナハイム・エレクトロニクス社
アナハイムは一年戦争時から財政界に影響力のある企業であったから、月面に本拠地を起きながらも公国軍には接収されなかった。
その戦後はジオニックを合併吸収させて企業を巨大化させて、地球圏最大のモビルスーツ開発企業となった。元々連邦軍が開発したガンダムの部品などは民間企業が行っていたものである。
連邦軍のMS生産を本業としながらも、対抗勢力のエゥーゴを支援するメラニー・ヒュー・カーバインは、かなり強かな人間である。シャアが提供した開発データのリック・ディアスの技術は他部門へ流れる、それがシュツルム・ディアスとなり、アナハイムの裏取引によって、グリプス戦役後のハマーン・カーンのネオ・ジオン軍にシュツルム・ディアスは流された。
よってアナハイムの最大の軍事経済活動は秘密兵器としてのモビルスーツ開発であって、この事業部門の間で情報伝達が無かった事がアナハイムを存続させた理由でもある。
アナハイムは特定組織に属さずに第3勢力という力と政治力、経済力、組織力を以後(逆襲のシャア)も強めていく。民間の軍需産業なんかはMSを生産してなんぼだ、兵器は使われなければ、売れないし需要もない。
エゥーゴの本拠地が月にあった理由とは、月面都市に住むスペースノイドの独立を守るのは当然であり、一年戦争時からアナハイムの産業基盤は月面にあった。だからアナハイムはエゥーゴに新型のMSを供給するし、ティターンズにも量産MSを供給するという選択をして企業として生き延びてきたのである。
そう考えてもメラニー・ヒュー・カーバインは普通の企業人ではなく、直々にハマーン・カーンと調停交渉をしたということは政治的手腕も評価出来たということだ。そしてメラニー会長はシャアに物言われることなく筋を通して来た人間なのである。いやシャアにとってメラニー・ヒュー・カーバインは政敵なのかもしれない。
しかし武器軍需産業を独占する企業、エゥーゴのドンメラニー・ヒュー・カーバインは実質的な「死の商人」であることは間違いない。まあ悪そうな顔してるもんね!
☆本日もご訪問頂きましてありがとうございます。