映画 幸福の黄色いハンカチ・1
山田洋次監督
1977年(昭和52年)10月1日公開
出演者
高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、武田鉄矢、渥美清
製作会社:松竹
亡くなった母と大好きで、何十回と繰り返し見ました。
山田洋次監督の作品が好きで、寅さんが大好きな母は当時のVHSシリーズを全部集めてましたね。遺品整理で処分しましたが。
さて、皆さんは何色が好きですか?
私は即答で、『黄色』なんです。
厳密にいうと『金色』に近い『黄色』ですね。
「機動戦士Zガンダム」の、テレビ版「百式色」です!
金色って皆さんも好きですよね。
<三菱マテリアル>の金の延べ棒をこの手に持って、「ズッシーン!」ってな重さを感じて、パンジと写真撮りたい。
まあそんな魅力的な『黄色』なんですけど、この映画のラストシーンで、花田欣也(武田鉄矢)と小川朱美(桃井かおり)が黄色いハンカチを探し見渡すカット。
そして、「あれっ…」「勇さん!」と黄色いハンカチを見つけた時の武者震いが堪りません!
"テーーーーーーーッ!!……テレレー……テレレー……テレレー♬"
(黄色いハンカチを発見した時の効果音が、寅さんの始まりかと思う。似てる。)
ということで、8月盆供養も終えたので、
母と一緒に見た『幸福の黄色いハンカチ』の名シーン、名言集を取り上げて、回顧したいと思います(画像が古いのでご了承ください。VHSで再生です。ネタバレ記事ですのであしからず)。長くなるのでシリーズに分けていきます。
花田欣也(はなだきんや)の釧路港到着
武田鉄矢扮する「花田欣也」は東京の勤務先を突然辞めて北海道に来て釧路へと来たようです。退職金はたいて購入したばかりの、真っ赤な新車マツダファミリアで。
恋人に振られたばかりの失恋旅である。
振られた理由は「だって欣ちゃん手足が短いんだもん(笑)」。
欣也「寒いねーおばちゃん北海道はー!」
おばちゃん「この色はいかがですか?」
欣也「赤あんまり好きじゃないんだ」
おばちゃん「これ白ですけど…」
欣也「白かぁ、ちょっとみせてよ。だけどおばちゃん白、百姓みたいじゃない?モロ百姓じゃーん!これー!もっと違うのないのー?」
欣也「あなた寒くはないですか~♪からだ心身冷えてます〜着てはもらへぬ〜ジャンパーを〜釧路港で買いました〜男〜心の〜ぉ〜未練〜でしょぉ〜♬」
花田欣也(武田鉄矢)からの登場で初っ端からまず笑わせてくれました(笑)。
赤いマツダファミリアに乗って、赤いカウボーイハットを被り、赤いマフラーに、赤のギンガムチェックのシャツ着ていて、赤が嫌いって…
モロ百姓じゃーん!!って着てる白いジャンパー(笑)。
ことある事に「オラ!百姓!」と北海道人を馬鹿にする辺り、自身の失恋による“手足が短いコンプレックス”から言わせてる台詞と思われる。
この後、朱美(桃井かおり)に「あんたも百姓でしょ!」と言われたが、「俺は由緒正しいよ!」で返してる。九州の坊ちゃん設定なのだろう。
小川朱美(おがわあけみ)をナンパする
釧路港から網走駅まで来た欣也。釧路港に着き、何故網走に行ったのか?普通に考えてガールハントするなら札幌方面へ行くはずである。これが人間の引き起こす運命の悪戯である。前後左右して、このシーンは3人で同時シンクロするのですが、勇さんと朱美の登場をまとめて別々にします。
欣也「ねぇ!どこまで行くの?乗って行かない?車?乗っていきなよ!いい所まで送るからさ、ねぇ!乗っていきなよ!ねぇ!乗っていきなよ!」
お姉さん2人「ごめんね」
欣也「...んだよー、すかすんじゃねぇよ、百姓がよぉ...ふんっ!!!」
この武田鉄矢の「ふんっ!!!」の真似をどうやったら上手く出来るか?弟とやり合った。だから弟バリピルと自分はこの「ふんっ!!!」は日本中の誰よりも、少なくとも札幌で一番の演技を俺たちは会得した。
そしてバリピルは俺より上手い。負けた…。
「ふんっ!!!」って!
(ここで勇さんのシーンだが...)
そして、朱美が現れた。
欣也「よぉ!どっからきたのー?」
朱美「東京。」
欣也「俺も東京!札幌からずっと、汽車で出来たわけ?へぇー、疲れたろうね〜あの〜何しに来たわけ〜?観光?ねぇ、連れはいないよ〜あいたーす!あいたーす…」
欣也「どこ行くの?」
朱美「刑務所。」
欣也「刑務所!俺も一緒だ!ねぇ、おばちゃん!刑務所まで何分かかる?」
おばちゃん「10分もかからないよ」
欣也「へぇー、近いんだね、良かったらさぁ、俺の車で一緒に行かない?ねぇ?バスじゃ大変でしょ?」(猫なで声)
朱美「醤油ラーメンください」
欣也「俺、コーヒー!」
(ここで勇さんの醤油ラーメンとカツ丼のシーンへ変わる)
欣也のこれから連発する「あいたーす!」これは九州地方(博多)の方言であり、普通に使われているというのは自分が18歳で愛知県に移り住んでから知りました。
ト⚫タ自動車で、三重(津)と山口(下関)と長崎(五島列島)の子と同部屋でね...。もう会話が訳わかんなかったっす!話してる言葉が!無理!リームー!
それなのに北海道札幌市から来た私を「ひぐま」でも見るかのように...びっくりしてるの。私の方が標準語に近かってん。よか思い出ちゃ!ざあーによかばってん!(とか言っとった)最後は涙流して別れた…みんな何してるかな。
しかし、どうにもこの武田鉄矢の「あいたーす!」が楽しくて子供の頃は物真似絶賛中でしたね(笑)。特に弟と。
...戻ります。この3人の関係性が一つの定食屋から始まるところなんかが、とても偶然では無い「運命」を感じますねぇ。同じ傷心旅行で網走へやって来た朱美のところに欣也がピンと来たのか、彼女に必死になって声を掛け、浮ついた下心丸出しの口調で、車に何とか乗せようと口説き落とそうとします。元々男からの誘いを断りきれない弱い性格なのか、欣也の押しにズルズルとついていく朱美。
「刑務所」から出所して来た「島勇作」と、これから「刑務所」を見に行く「2人」。こうして見ると映画ってよく出来てるなぁ〜なんて思いますけれども。
実際の私達が毎日過ごしている日々なんかは、もっと現実味を帯びたストーリーを毎日毎日積み重ねていて、何気な〜く普段は過ごしているけれども、それは映画以上の複雑で、様々な人間模様を抱えた人々が交錯する社会に存在しているわけで、よーく考えると私達は周りに「ご縁」がある人々を自らが引き寄せています。つまり運命(宿命は別)とは、私達一人一人が起こす必然だと思っております。
こうして3人が持ち合わせた「それぞれの強い男女の想い(気持ち)」というのものに自然と引き寄せられたのだろうなと思いますね。
島勇作(しまゆうさく)の出所と生ビール
ここは名シーン中の名シーンである。
島「ビール下さい」
島「あの、醤油ラーメンと、カツ丼下さい。」
店員「はい。醤油ラーメン一丁、カツ丼一個お願いします」
ビールのシーン...
この演技は震える。何度も弟バリピルとどっちが健さんに近付けるか?とビールを飲む演技練習をした。飲みすぎで具合い悪くなったこともあるぜ!健さん、すごいぜ!
(画像悪くてすみません。VHSテープ劣化してます!)
あとはひたすら勇さん食べます。
この右手のラーメンの箸のすくい方と、同時に体全体でラーメン食べてるぞ!って感じが堪らん!出所したばかりで6年振りに食べるラーメンとカツ丼はこんな感じに食うんだぜ!を教えてくれる名シーン。ほんとに健さんお勤め経験あるんじゃないか?と言わんばかりの迫真の演技。もう、たまらんですぜ!
マジ、定食屋行ったらまず瓶ビール頼んでから、ラーメンとカツ丼下さい」でしょ!間違いないって!
俺も定食屋で言ってやるって!
「やってやるって!」(by 越中詩郎)
んっ!!突然ラーメンとカツ丼食いたくなったんで、まずはここで終わりにするって!えっ?短い?武田鉄矢の手足が?
えっ?記事の内容???
実際映画と同時進行でブログ書きたいですけど、大人の事情でこれが限界じゃないっすか…。大好きなのに、「幸福の黄色いハンカチ」、山田監督も、高倉健も、桃井かおりも、武田鉄矢も...。大好きなだけじゃ駄目か。
またすぐ上げるんで待っててくらあさい!ラーメンとカツ丼食ってから第2部行かせていただきます!
さてと、痛てっ!「あいたーす!あいたーす…あいたーす…」
次回へ続きます…。
☆ここまでお読みいただきましてありがとうございます。