kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

映画 PUSHER プッシャー

公開日:2015年7月13日 更新日:2019年6月14日

【PUSHER】

デンマーク公開日1996年/製作国デンマーク/配給会社バルボアエンタテインメント

日本公開日1999年邦題「プッシャー/麻薬密売人」

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

出演:キム・ボドゥニア(フランク)

ズラッコ・ブリッチ(ミロ)

マッツ・ミケルセン(トニー)

ローラ・ドラスベイク(ヴィク)

スラヴコ・ラボヴィック(ラドヴァン)

ニコラス・ウィンディング・レフンのデビュー作品で、彼の映画はここから始まった。

この映画はドラッグをテーマにした作品でして、とにかくまあ、ブッ飛んでる。ドラッグ&バイオレンス、サスペンス&スリラー。

プッシャーのあと2、3と三部作なんですが、やっぱり3作通してプッシャー1が一番面白い!

キム・ボドゥニアがイイ演技をしてる。

ズラッコ・ブリッチは三部作全て出演しているんですが、やはり彼もまた素晴らしい俳優です。同様にハリウッドにも進出したマッツ・ミケルセンも良い俳優ですね。

闇に転落する裏社会、凄まじい暴力、鬼の借金地獄とタイトルにもあるように、一連に展開する流れは凄い描かれ方です。

この作品はその後イギリスでリメイクされています。ズラッコ・ブリッチ、スラヴコ・ラボヴィックも再びリメイク版に出演しています。

比べて見てみると、2人共歳とったなぁ〜と。

個人的な感想としては、リメイク版は面白くないです。

恐らく設定がオリジナルでのミロの組織がロシア系?東欧系?に対して、リメイク版が中東。フランク役はリチャード・コイルでオリジナルのキム・ボドゥニアの圧倒的暴力の演技力には勝てない。

英語の狭間にそれっぽい言葉喋ってるけど、オリジナルのミロ(昔のブリック)には迫力が敵わんです。

はっきり何て言ってるか分からんのだけど、最高です。

プッシャーはオリジナル版には勝てない、ここではリメイク版は無しです。

オリジナルの三部作で1はフランク(キム・ボドゥニア)の話で、2はトニー(マッツ・ミケルセン)の話。3はミロ(ズラッコ・ブリッチ)の話。

三部作に共通して思うのは、エンディングがハッキリ分からないまま終わる。最後は3人共にいったいどうなるのか?哀愁漂いなぜか悶々としてしまう。観客が後は考えてくれということなのだが、奇才レフン監督の独特なその作りがとても良い。

3のDVDの特典でズラッコ・ブリッチのクッキングが見れる。サルマなる料理を作りながら、プッシャー三部作を語る。これは面白かった!これはマジで面白い!DVDトリロジーBOXを買って良かった!

ズラッコ・ブリッチは役者になる前は、レストランで働いていたらしくて本当に料理も上手いようです。

ミロ役でもレストラン経営をしながらドラッグの元締めなんだけど、映画でミロの作る料理はマズイ設定で、フランクに食べろと勧める揚げ物のお菓子。

プッシャー劇中でのミロが作るトゥルンベはかなり不味い設定のようで、フランクはハッキリ「不味い」と馬鹿にしている。

調べるとTulumbe(トゥルンベ)とはボスニアの郷土菓子らしい。

翌日ラドヴァン(スラヴコ・ラボヴィック)はフランクに(´・д・)ケーキ食う?ってw

ミロの作るお菓子は不味くて。でも、あんたのお袋さんの作る料理は美味いよとフランクが言う。

ズラッコ・ブリッチの演技も良いし、彼は声が低くて響くとてもセリフが良い。

デンマーク語がイカしてる。

ラドヴァン役のスラヴコ・ラボヴィックもいい味出してます(映画「ゼイ・イート・ドッグ」にもキム・ボドゥニアと共に出演)

上に挙げた出演者を除いて、ほとんど素人がキャスティングされてたって事には驚いた!

劇中様々な言語が入り乱れてとても面白い。デンマークスウェーデンアルバニアクロアチアセルビア語など。

『⒈⒉⒊』と観てやっぱり、ファーストのプッシャー、主演のキム・ボドゥニアが最高だと思います。

振り返って見たいと思います(ネタバレ注意です)


ヤクの売人フランク

フランクがミロからヤクを仕入れてフランクが売人。

トニーはフランクの友人。

金に困っていたフランクはある日、デカイヤクの取り引きを持ってミロにヘロインの用意を頼む。

だがそれ以前にフランクはミロに借金をしてた。このスウェーデン人とのデカイヤマで金を返すからと懇願、ミロは渋々取り引きしようと決める。

しかし取り引きは失敗する。警察が張り込んでいたのだ。

フランクはサツに追われて街中を走る、走る!

そして、逃げきれずに公園の池の中へ飛び込み、ヘロインを全部池の中に袋ごと捨ててしまう。その後警察に「スウェーデンナンバーで何をしていた?」と調べで拘留されるも証拠不十分で釈放。

しかしフランクはトニーがサツに色々と取り引きのことを吐いた事を知り、バットでボッコボッコにボコり半殺しにしてしまう。

勿論フランクはミロから借金を迫られ、フランクは金を作らねば殺されることになった。

ラドヴァンはミロの手下で殺し屋。フランクは金策に走るが上手くいかない。返済の約束期日は迫る。

どうしようもなくなったフランクは、ヤク仲間にも手を出す。ヤク仲間がいるジムのロッカーへ行き拳銃で脅し、ヤクと金を奪って逃げる。

「フランク、お前イカれてるぞ」ただじゃあ、済まない。

フランクは結局まとまった金を作れずラドヴァンに捕まり、ミロのアジトでラドヴァンに拷問を受ける。最終的に殺られる寸前、ピストルを奪いブッ放し逃走!

サツにも、ミロにも、ヤク仲間からも狙われることになったフランクは、ヴィク(ローラ・ドラスベイク)とデンマークを脱出を決意、「スペインにでも行くぞ」と言うと彼女は喜ぶ。

だがミロから電話があり「フランク、今我々はサツの注目の的だ。お前に譲歩する。全て水に流そう、だから戻って来い」とミロは言ったのだが.......

それを聞いて、フランクはヴィクに「やっぱ俺デンマーク出ねーわ」って言ったらヴィクがキレちまって、フランクからヤクと金を分捕り、なんとタクシーで逃走!

「ヴィクー!ヴィクー!」と追いかけるも、逃げられてしまい唖然とするフランク。

場面は変わりミロのアジト。

ラドヴァンの手にはショットガン、死体シーツを敷いてフランクが来るのを待っていた。

さらに変わり、ヤク仲間達数人がショットガンを持ち車に乗り込む姿。

最後のシーンはフランクのボー然とした姿。

そして物語は終わる。

多分殺されるんでしょ?プッシャー2、3を見た限り殺されたね。

プッシャー1の見所はフランクが拷問されるシーン。

オリジナル版の良さはデンマーク語が際立つ。英語も話してるようですが。

ミロのセリフがイイんだな、これが。 リメイク版でも同じセリフなんだけど、やっぱ歳なのか?オリジナルとは比になりません。

色んな言語を混ぜて喋るミロ。ここが好きなんです。

一応文字起こししてみると…

(ミロがフランクに23万クローネの返済を迫る。フランクはホテルに5万クローネを取りに行くのを拒む)

ミロ「また問題か?お前はいくつ問題を抱えている?」

フランク「担当者がいないから金は後で」 ミロ「それだけ?」〜からスタート、ミロがブチギレる‼︎

ミロ「イッ、プロブレム⁈ナスター!ラーショー!カネガ、マモモ、イェベマ、サドゥマプラザ!プォリアゲン!ドゥウリアゲン!ゲェディガ!…」

(フランク、ラドヴァンといとこに殴られまくる)

ミロ「イェーエー、エー、エー!…フランク!ワーユーノー、フランク!」

(フランク蹴られまくる)

ミロ「ヘーイ!ラーショー!ネークィーゼ!」

(フランク蹴られる)

フランク「俺のせいじゃない」

ミロ「今なんて言った、フランク正気か?」

ミロ「ケネーイーゼナッツフランク?ハァ?ヘイ、コーメノイーベ!ヘイ!ブローネ、ブローネ!ヘイ!ラーショー、ブローネ!」

ミロ「お前のせいじゃないだって?フランク!お前は私の友人だ!なのに5万を持っていながら、私に返さなかったのが事の発端だ!」

フランク「ホテルに5万ある…」

ミロ「5万?さっきは5万9000と、私をバカにしたな!」

ミロ「…ドゥファッカ!ドゥファッカマイ!ファッカマイ!ブローネ!★◇$%♪¥!イェベメン!イェベメン!★◇$%♪¥▽◎!フランクゾファッカマイ‼︎ドゥファッカマイ…」(ミロがブチギレ過ぎて何を喋ってるのか分からん)

そしてフランクへの拷問が始まる。

以上同シーンのリメイク版(ハリウッド)の英語バージョンが全く駄目。迫力に欠けてた。原語が一番良かったです。会話がデンマーク語で他の言語字幕は表示されていないので何語かわからない。

キム・ボドゥニアも演技が素でイッてた、暴力がリアリティに感じる。オリジナル版は最高に良かった。


☆最後に俺的ドラッグバイオレンス映画ベスト4

1位 パルクフィクション

* 殺人レベルS

* ドラッグレベルA+

* 主役狂人度A

一言 / 義理人情を忘れちゃいけない。【100点】

2位 ハーヴェイ・カイテルのバッドルーテナント/刑事とドラッグとキリスト

* 規制スレスレ度A+

* ドラッグレベルA+

* 主役狂人度S

一言 / カーックSucker‼︎ アーメン。【99点】

3位PUSHER(1996)

* 逃走レベルA+

* ドラッグレベルA

* 主役狂人度B+

一言 / ミロの作るお菓子は不味い。【96点】

4位ドラッグストアカウボーイ

* 万引きレベルA

* ドラッグレベルB+

* 主役狂人度C+

一言 / ベッドの上に帽子は置くな。【88点】

最後までお読みいただきましてありがとうございます。