何度も観たくなる映画 10
【バッドルーテナント】
刑事とドラッグとキリスト
1992年米公開
CAST ハーヴェイ・カイテル
ポール・カルデローン
レナード・トーマス
ロビン・バロウズ
フランキー・ソーン
バッドルーテナント(悪徳警部補)
リメイク版でニコラス・ケイジ主演の作品がありますが、ハッキリ言って別物だと思っています!
ハーヴェイ版には足元にも及びません!
酒と薬と女に博打に悪徳警官、堪りません!好きですw
ドラッグバイオレンス映画物としては5本の指に入る!いや1、2を争う!
初めて観たのはVHS版。
DVD版では残念ながらカットされてるシーンがある。あまりにも過激だから。
ある意味問題作ですw
前回のブログに挙げたトレーニングディのアロンゾ(デンゼル・ワシントン)とは別な意味でブッ飛びデカ!
こういう部類の映画は嫌いな人は大嫌い、好きな人は大好き、ハッキリ分かれると思います。嫌いな人が多いかも…。
副題にもあるように刑事とドラッグとキリスト。
私はこの映画を10点満点中9.9点をつけられる。0.1点は最後の展開が不明瞭な点がなんとも惜しい…。
しかし!なんと言っても、私はハーヴェイ・カイテルという俳優さんが大好きなんです。
JOHNNY ACEのPledging My Loveが挿入歌として使われています。
JOHNNY ACEと言えば25歳の若さで悲劇的(ロシアンルーレットで)な死を遂げたR&B系バラード歌手。
とかく、このPledging My Loveは私のお気に入りです。Never Let Me Goなどのナンバーも好きです。CDも持ってますが。
後にプレスリーがcoverしました。
このプレスリーのボードは母さんの大事にしてた物です。
〜ここから長いストーリー〜
『とても思い入れのある作品をなので、かなり長い文章になります。あしからず。』
表向きは子供と一軒家と家庭を持つ主人公刑事LT。見た目幸せな家族、ところがどっこい主役のLTはトンデモ親父さんだった!
ストーリーの始めも息子を学校に送る彼がいます。子供がパパにキスをして見届けると、車内で不自然に周りを気にし出してLTは早速コカインを鼻からスニッフしますw
鼻をズルズル言わせながらw、殺人現場へ向かうと仕事はそっちのけで、同僚達と野球賭博の話しw
ドジャースの3連勝でスタートを切った。
仲間のデカ達はLTが間に入って野球賭博を、仲間デカにメッツが勝つ、メッツに賭けないなんてバカだ、と。
仲間デカはメッツに賭けることに。
LTはそれこそ利口ってもんだと。
しかし、自分はドジャースに賭けるw
ノミ屋に「大丈夫かよ、オケラになるぜ」との答えに、絶対勝つと自信満々。
LTは下っ端の売人に警察で押収したヤクを捌かせてた。
売人に「そんなにやっちまうと死んじまうぜ」と言われても知ったこっちゃないLT。ガンガンヤクを炙り、吸うw
帰りは愛人の部屋でヤクと酒と女。
ここでpledging my loveが流れる。
全裸でのハーヴェイ・カイテルの演技は最高にイッてるwww
北米版では息子様がブランブランとw
こんな演技ハーヴェイ様しか出来ません‼︎ 素晴らしい!の一言です。
半泣きしながら、
「ティ、ティ、ティ、ティ…」と発して両手を広げて(十字架?キリスト?)踊る姿は圧巻です。
帰りに商店に入店、警察官と店主、犯人と思われる黒人2人。
店主は500ドルレジから盗られたと騒ぐとLT店内でいきなり発砲w
若い警官に店主を署に連れて調書を取れと指示する。
居なくなったのを見計らい、黒人2人に金を渡せと。ビビった黒人らは盗んだ金500ドルをLTに渡し逃げる。
誰も居なくなった店内、売り物のスナック菓子?クッキー?を手に取り袋を開けて食べるw
先生!まさにやりたい放題です!この人w
その後売人の女性の家へ。
「最高の茶色いやつが入ってるわ」と言ってるからコカインか。炙ってるしね。
ジャンキーには堪らんシーン。
炙って吸う、そして息グッと止める。
マジでキメてるような演技力は半端ないです!モノホンのヤクじゃねーの?って位にイッてます、ハーヴェイ凄し…。
これが売人の女性。
彼女のヤクを吸う演技もジャンキーにとっては、そそるものがあります。上手い演技です!
その時教会で尼さんが二人組の男に教会内で犯されていました。
次の朝LTは自宅のソファで眠りこけていた。
このシーンも好き、何だか知らんがアメリカのアニメを娘が観ている。
このアニメが気になる。何のアニメなんだろう?
(_ _).。o○ (気になる…。気になる…。)
娘はパパ(LT)を起こそうとしている。
やっとフラフラ起きたLTはテレビを野球チャンネルに変える。するとドジャースのダリル・ストロベリーが3ランホームランを打った。
それを観て拍手するLTだったが、実はそれ以前にメッツの11−0だったようで唖然として頭を抱えるLT。
野球賭博での借金がこれで膨大に増えた。
殺人事件が発生し向かうLT。売人らしき女からコカインが後部座席にあると聞くと、
そそくさと後部座席を弄り、
コカインを胸ポケットに入れるが、手を滑らせ刑事達の目の前で落としてしまう。
証拠品だ。と言って没収され悔しがるLT。
同僚刑事らの場へ。
シスターが強姦されたと。
犯人に5万ドルの懸賞金が掛けられてるとのこと。
一転野球賭博の話。俺のおかげで儲かったろ?ここでメッツに賭けなきゃ利口じゃないと、同僚らに倍々で賭けさせる。
そしてシスターのいる病院へ向かうLT。そこで目をしたものは…
強姦されて傷ついたシスターの姿…
帰りに酒をかっ喰らい小雨の降る中で、
テールランプが切れた二人組の無免許おねーちゃんを発見し、職質を始めるLT。
そこでなんとしょぴかない代わりにと、おねーちゃんのケツと口を開けさせ、その様子を見て息子を出し、自慰をし始めるww
なんとも狂ったデカですw
show me! did you sucker guys a cock?
show me! come! open the mouth!
the suckers cock!
何とも下品極まりないセリフwww
その後も酔い潰れシスター強姦の事件の教会へ訪れる。そのまま教会で眠ってしまう。
次の日シスターへ事情聴取が行われていた、シスターは犯人を赦しますと証言を拒む姿を陰で見ます。
カトリック教徒としては、シスターの強姦犯人は許さないとLTは思っていたのか?
それとも犯人に掛けられた賞金5万ドルか?
正義と悪の狭間で揺れてるのだろうか?やがてLTはこの事件を追うことになるのだが…。
ここから俺の好きなシーン!!!
コカインを鼻から入れ、ドジャースとメッツの試合をラジオで聞き、酒を飲みながら運転するLT。
you fuck'in suck niger fuck cock sucker!
ここのセリフが最高です。
パトランプをいきなり付けて走り出し、”ウゥゥゥ〜”と泣き出すLT。
泣き虫なのか?本当このキャラ泣くか?怒るか?ですw
カトリック教会でノミ屋に更に2倍賭けるとLT。無謀な賭け!
ドジャースが負けるはずが無い!と。
しかし次の試合もメッツの5対0…
カフェで観る試合もドジャースの負け…
クラブに寄り、また売人からヤクを貰い吸ってノミ屋との約束してたクラブ内のBARへ。
6万ドルの金を要求されるが、持ってないと。オケラなんだ、と開きなおる。
それより最終試合で12万ドル賭けるとノミ屋に吹っかけるLT。
あんた奴(ギャング?)に家ごと吹っ飛ばされるぜ、とノミ屋に言われるが頭がテンパり過ぎてもう笑うしかないw
LT「俺は殺られない、神がついてる、カトリックだぜ」と、もう意味不明w
もうお前はビョーキだぜと言われる始末。
ノミ屋は俺は降りる、勝手に直接取り引きするんだな。と電話番号を渡され去った。
少しは焦りだしたかLT?
どんどん挙動不振になってゆく。
ヤクを捌かせた金を取りに青年黒人の売人宅へ。
とにかくキョドリまくりのLT。
3万ドル入りの箱を受け取り、青年黒人宅を後にする。
ヤク切れかその後もおぼつかない足取りで、拳銃片手に愛人宅へ移動。
もういつ殺されてもおかしくありません、この人。
ノミ屋から貰った電話番号にかけ、俺の賭けを受けろ!との一点張り。
受けなきゃ金は払わん!俺はボケナスじゃないぞ!お巡りだ!と意気込む。
ラージと名乗る相手(組織の大物?)は、「そうかじゃあ明日ガーデンで会おう。お互い金を持ってな。」
さぁストーリーは佳境に近付いて来ました!
一体どうなるのでしょう?
背水の陣ですLT。
でもやっぱりヤク切れで売人女宅へ
あーぁー、キメてるよ〜キメてるよ〜
き、き、きもちぃ〜っ!
さて、今度はLTの番です。
手慣れた仕草でポンプを用意。
「キレイな血管」って言われてるLT。
売人女「吸血鬼は他人の血を吸って生きる 人間は自分たちを食い物に…自分らの足を食べてやっと歩き 行くために来て互いにナメ合い やがて食べ尽くして残るのは食欲だけ 与えよ 与えよ 与えることに意味があるなんて イエスはそう言った そんなこと誰にも理解できないわ 明日になればあんたなんて忘れてしまう」と。
LTはあの教会へ、シスターに会いに。
シスターは犯人2人を赦すという。
なぜだ!なぜなんだ!なんであんな奴らを許す!LTは何度も問いただす。
神様を信じなさいと言い残し去った。
LTはシスターの愛と慈悲に心をゆさぶられ、葛藤し始める。
嘆き、哀しむ、苦しむ、足掻く、もがく、発狂するLT。
そして目の前にキリストが現れる。
LT「俺に何か言いたいのか?クソ クソッタレ この…言えよ突っ立ってないで どうすればいい?何か言えよ 何かお前はただ突っ立って 俺に全部やれってのか?どこにいた?今までどこにいた?どこにいたんだ?…すまない 山ほど悪いことをした すまない 何度も…まともになろうとしたが俺は弱かった 弱いんだ! 俺を助けてくれ 許してくれ 許して 主よ許してくれ」
LTはキリストの足に口付けをする。
しかしキリストの幻影を見てたLT、立ってた人は聖杯をもったご婦人だった。
主人の店から盗んできたという、ご婦人。これは神様の物ですと。
金の聖杯、フリオとパウロの不良2人が盗んだらしく、隠れ家を教えて貰い逮捕に向かう。
逮捕すれば賞金5万ドルが手に入る、これはLTへの最後の天の望みなのか?
2人に手錠をかけるLT。
最後までヤク。フリオに火を点けさせる。
お前らもクソを吸いたいか?と、2人にパイプで吸わせる。
そうしてる間に最後の一球が…
メッツの逆転劇でドジャースは負けた…
同時にこれで、LTの野球賭博も終了…
Game over
2人をクルマに乗せる。署に連行しても5万ドル、手持ちの3万ドルと合わせても8万ドル。
車内でLTが吼える。「お前らは若い娘を犯し、神を冒涜した、だが彼女が許すと言う。よくもそんなことをしたな、虫ケラめ、そのツラをぶっ飛ばしてやる!なんで許す?なんでこんな薄汚い奴らを?」
そうして車を止めた場所は、警察署では無くバスターミナルだった。
あのバスに乗りやがれ!
乗らねえなんて言わせねーぞ!
LTにビンタされる2人。
そして3万ドルの入った箱を二人に手渡す。
2人はバスに乗って行った…
クゥーゥーウー、ウーッーと泣くLT。
贖罪からなのか?彼の涙は何を意味しているのだろうか?
車に戻るLTが待っていた結末は、金を払わなかった制裁として射殺されるという、呆気ない幕切れだった。
LTの車の周りには沢山の人だかりで…
破滅的な生き方をしたLT。終始人間臭い生々しいリアルな演出だった。
犯人2人組を逃し、さらに3万ドルという大金までをも渡したのは、最後にキリストの幻影を見、シスターが罪を赦すという頑なな博愛精神を感じての行動だったのだろうか?
LTは悪徳刑事でしたが、彼は心底悪では無く人間としての心の魂の救済を求めていたのでしょうか?
長く綴りましたが、フェラーラ監督、そしてハーヴェイ、2人の時が一瞬にして輝いた映画史に残る作品だと思っています。
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