「機動戦士Zガンダム」ブライト・ノアについて
ブライト・ノアの「ゼータ」時代を振り返ります。
その前になんつったってブライトの声優さん、
故・鈴置洋孝氏
大好きでした。
「左弦砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる!」
「動画参照:Youtube (プライバシーポリシー)」
個人的には森川智之氏の声質が好きなんですが(トム・クルーズも鈴置氏)、声優事務所アクセルワン同代表ということもあり忙しく、ブライトの声は成田剣氏が担当されています。
「機動戦士ガンダム・UC」ではほぼ鈴置氏と変わりない、ブライトとの声なっており満足かと思われます。
さて「ゼータ」でのブライト・ノアを話しましょう。
ブライトのことを一言で言うと、アムロやカミーユ、ジュドーらに影響されながらも、ニュータイプ理想論者ではあるが、行動はやはり実直な職業軍人といったところか。
ニュータイプの存在を感じ、彼らの行動や考えも理解出来る数少ないオールドタイプなのだ。
ファーストガンダム、Zガンダム、ZZガンダム、ガンダム逆襲のシャア…全て物語の冒頭から登場する荒ぶる中間管理職名艦長と言われた伝説の人。
改めて見直してみると、シリーズ通して戦い抜いた真の主人公とも言えるのではないか?
指揮した艦はホワイトベース、テンプテーション、アーガマ、ラーカイラム……以降も独立部隊ロンド・ベル隊の最高司令官として乗艦していくのですがそれは省きます。
ゼータ開始時、彼は地球からグリーン・ノア1へ民間人を乗せて航行するテンプテーションの艦長をしていた。一年戦争の英雄が!だ。
これはティターンズという地球連邦軍から独立した組織ジオンの残党狩りの元に作られた為に、一年戦争で活躍したホワイトベースの生き残りはティターンズから危険分子とされ、彼らは閑職に追いやられるか幽閉されていた。
エゥーゴがグリーン・ノア1へガンダム強奪作戦時にコロニー内で戦闘を行なう。ブライトは地球連邦軍の中佐としてティターンズのパイロットに号令をかける。
ブライト「三号機のチェックが終わり次第出させるんだ。パイロットの手配はついているのか!」
「テンプテーションのキャプテンが指示するのかよ」
ブライト「実戦に建前はいらん」
カミーユが勝手にガンダムMkⅡ三号機のコックピットに乗り、動かす瞬間を目の当たりにして、ブライトの中にアムロを思わせた…。
「あいつ…あの感触はやはりアムロだ…誰だ奴は」
そしてカミーユがクワトロらとガンダムMkⅡをアーガマまで持っていく。なんだかんだ言ってエゥーゴ(反地球連邦軍組織)もガンダム強奪してますが。
ブライトはバスク大佐の元へ駆け寄り何故民間人の地区で演習を行っていたのかを問い詰める。
バスク大佐に殴られるブライト。
バスク「放っておけ。一般将校は黙っていろ!ここはティターンズの拠点である!正規の連邦軍とはやり方が違う!」
ブライト「ティターンズであろうとも、同じ連邦軍には変わりないでしょ」
とまぁ、格下の中尉カクリコンまでに殴られコケにされる始末。ブライト中佐なのにね。 ティターンズによる集団リンチ。
その後連邦軍とは離れる決意をしたのか、丁度良いタイミングで再度バスクに呼ばれる。ジャミトフ閣下への親書を手渡すように指示を受けるが、渡さず連邦軍と決別して反地球連邦軍ら民間人をテンプテーションに乗せて、グリーン・ノア1を脱出する。さすがブライトキャプテン!
そこでシロッコのメッサーラに襲撃を受け被弾。丁度アーガマが正体不明機を発見、出撃したマークⅡと百式に救われる。
「また、艦を失う船長になってしまいました…」
のちにアーガマの艦長に就任したブライトは、アーガマを失うことなく戦い抜いた。
戦場でニュータイプを使う時には年齢は関係ない。そしてニュータイプは危険分子として扱われたり、若い少年・少女まで戦争に駆り出された。
ニュータイプはスーパーマンではない。アムロ、カミーユ、ジュドー…ブライトは彼らを一人の人間として見てきた。彼は数多くのニュータイプの良き理解者であった。またよく分かる例としては、サラ・ザビアロフがアーガマに密告に来た時に、ブライトは彼女をニュータイプだと見抜いた。
ホワイトベースで一年戦争を乗り切った艦長としての腕は申し分なかった。アーガマは強襲巡洋艦(現実に存在しない艦種)であって、メガ粒子砲を単装が両舷に一基ずつは持つものの、その他火力などの装備面では新造戦艦ラーデッシュにかなり劣る。しかしアーガマの底力は凄い。
ライラ大尉がジャマイカンに言った言葉「アーガマは懐は開いているように見えるが近寄ると厚い・・・」のようにアーガマはブライトが指揮する事で不思議な艦になったとも言えよう。
唯一のアーガマの危機といえば、
「第30話ジェリド特攻」。ラーディッシュとアーガマはモビルスーツを、20機〜30機編隊のヤザン隊へ全て出していた。そこにティターンズの艦隊とアレキサンドリアが真下方向からやって来て、集中砲火を受ける。
「俺がアーガマの艦長ならこう動く」アレキサンドリアの艦長ガディの作戦だ。
ブライトは一時凌ぎの為にコロニーの残骸に隠れることにした。そこにはジェリドとマウアーのガブスレイ2機がいたのだった。
「モビルスーツを引き戻せ!」と指示を出したが間に合わない。2機のガブスレイにブリッジを狙われるまでに迫られ、ジェリド達にとってはアーガマ撃沈の大チャンスだったのだ。
それもブライトがそれぞれのパイロット達を信じることで、アーガマを不思議な力で守った。 ジェリドがカミーユにこだわらなければアーガマは沈められてたに違いない。運も味方した。
カミーユとファのレクリエーションは度が過ぎて、常に艦内を騒がしていた。おまけにシンタとクムまで。
「まったく…ここは託児所か!」
「カミーユの父親役は務まりそうもないな…」
とボヤきながらも、カミーユの父親役をこなしたブライト。自分の家族を地球に残してまで、閑職に追いやられた地球連邦軍から反地球連邦軍エゥーゴで最後の決戦まで戦い抜き、多くの死を乗り越えてまで戦った理由。彼の戦った目的とは?
それは一体なんだったのだろうか。
お金も名誉も復讐の為でもない。それはブライトならではの心の優しさ、本当に大切なものの為に戦っていたのだろう。
軍隊では艦長が父親であり、乗組員こそ同志であり家族である。家族は愛である。ブライトは愛する自分の家族を犠牲にしてまでアーガマの父に徹した。
そう…ブライトは我らガンダムファンの父親なのだ。
アムロ・レイについて
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「人を信じる気持ち(心)がない人は可哀想だという。確かにその通りだ。しかし果たしてあなたは人を本当に信じているのだろうか。」
【汝、己を知れ】