機動戦士Zガンダム ハマーン・カーン 7
公開日:2018年8月10日 更新日:2020年4月8日
第47話 宇宙の渦
グワンバンでアクシズを離れたハマーン様はティターンズのバスクから奪い取った、アクシズ艦隊が守備するコロニーレーザー砲へ移動します。
ここではエゥーゴが「メール・シュトローム作戦」とやら、小賢しいことを企んでいました。
ひとり無敵を誇るハマーン様も現時点では、アクシズ全将兵が育っていなかった(恐らく元ジオンのベテランパイロット達が表に出ていたと想像。だからガザCパイロットはだいたいおっちゃんパイロット、そして考え方が古い!)。
モビルスーツ隊もガザC部隊しかいなくて、アクシズ将校はアーガマを油断(なめてた)していたのは、あるのかもしれませんね。
しかし戦艦、モビルスーツに至っては慎重な開発を進めていたのでしょう。短期間で事を進めるには、ティターンズを潰してティターンズの持っている技術を掌握し、地球連邦軍を味方につけて戦後優位に立つためと考えていたに違いない。
でなければグリプス戦役で決着させているはず。
ハマーン様の失敗はアナハイム・エレクトロニクス社をのさばらし、一部のエゥーゴと地球のカラバの組織を掃討せず、言ってしまえばアーガマ、ブライトを殺せなかったことに原因はある(ZZガンダムでは巡洋艦エンドラ指揮のマシュマーにアーガマを追撃させたが)。
ブライトはファーストガンダムからZガンダム、ZZガンダムと全てに登場する。しかもその後の「逆襲のシャア」にまでロンドベル隊の司令官として活躍するのだ。
キーマンは、シロッコでもシャアでもアムロでもなく「ブライト・ノア」この男なのだ。
ただカミーユとジュドーはハマーン様に直接的に影響を与えることになった少年2人だったが、これもブライトの存在なしに有り得ない。
その始まりが「カミーユ・ビダン」である。メール・シュトローム作戦から外された、カミーユは単機で出撃を任される。この第47話のハマーン陽動作戦である。
カミーユはこれ以前からサイド2、13バンチでもハマーンの力を感じており、ロザミィ(ロザミア)と一緒にいた時にミネバを見ている。
その後グワダンに直接交渉者としてZガンダムでハマーンに会い、メラニー会長の親書を手渡しに行っている。
その度にカミーユの中ではシロッコと同様、危険な人物と認識していくのであるが、カツが思いっきり「ハマーン批判」「ジオンの手先」(このカツの強烈なジオン嫌いは彼が幼い頃ホワイトベースで、アムロと義父のハヤトと共に一年戦争を経験したからに他ならない)と暴言を吐いた為か、カミーユはそれをなだめる役に徹している。
これはカミーユに一兵士としての自覚を目覚めさせるために必要な過程であったのかもしれない。父と母の死、ウォン・リーからの修正、地球でのフォウの死。度重なる戦いの経験の中から、カミーユはブライト、シャアから“単独で作戦行動”を任される信頼と判断に至ったのだろう。
ハマーンとミネバ
グワンバンでエゥーゴ艦隊を迎え撃つハマーン様。ブリッジにお座りになり、キャプテンと呼ばれるアクシズの艦長に指揮を任せる。
ハマーン「戦力的には圧倒的にこちらの方が上だ。最初の攻撃さえしのげばよい」
グワンバン艦長「ハッ!」
前回の戦いでハマーン様の中でシロッコ・ティターンズの存在を大きくさせた。それゆえエゥーゴを甘くみていただろう。
シャアは自分に頭を下げたし、共同作戦も裏切らずに援護を要請すれば忠実に援軍を出す。確かにハマーンはZガンダムを脅威に思っていたが、カミーユの存在をまだ大きなものだとは感じていなかった。
ハマーン「隙だらけの布陣ばかり敷いているから付け込まれるのだ。エゥーゴめ艦隊行動も早いようだ...んっ?、ウッ!...なんだ...?鳥肌が立っている。なんだというのだ?」
そこには隕石に隠れるカミーユがいた!
まさか、このプレッシャーがカミーユだとは気づいていない、ハマーン様。
エゥーゴ艦隊はグリプスを取り囲み、モビルスーツ部隊もリック・ディアス率いる、クワトロ隊がコロニーのマイクロウェブ受信パネル破壊するなど、エゥーゴが戦いを優勢に進めていく。
グワンバン艦長「我が艦隊は居眠りでもしているのか?!1箇所でも突破できんのか!」
グワンバン艦長「ハマーン様ー!」
とうとう耐えられなくなったハマーン様。グワンバン艦長にそう言い放ちブリッジを出る。
そこにミネバが現れる。
ハマーン「ミネバ様。このようなところに来られるとは、何故こんなところへお連れした?」
ミネバ「ハマーン、どこへ行くつもりだ?」
ハマーン「ミネバ様。」
ミネバ「気持ちが悪いのだ。ザラザラする。どこにも行かないで欲しい」
ハマーン「ミネバ様の察しの良さには驚かされます。確かに今、我が艦はエゥーゴと交戦状態に入っております」
ミネバ「そのことではない、以前グワダンで感じたあの不快感さを感じるのだ。久しぶりにシャアと会った時に感じた…」
ハマーン「あぁ...(鳥肌がたっている。やはりミネバ様も感じていらっしゃるのか)。心配いりません、アーガマさえ沈めさえすればエゥーゴは舵を失った船も同然、あとは我がアクシズの意のままです。いざとなればシャアが協力してくれましょう」(やっぱりだ!やっぱりシャアと繋がってるよ)
ミネバ「シャアか!頼りになる男だ!」
ハマーン「ここは危険です、どうぞお引き取り下さいませ。いずれ戦果を御報告に参ります」
ミネバ「やはり出撃するのか?ハマーン」
ハマーン「またお目にかかります。」
ハマーン「任せる」
アクシズ兵士「はっ!」
ハマーン「ウッ!アッ...なんだこの感覚は?さっきと同じ...」
ハマーンとカミーユの激突
ハマーン「...誰かが私を見ている」
早速Gディフェンサーのカツが出迎えるが、「違うな、さっきのプレッシャーはこいつではない」とカツはあっさりとかわされる。
ハマーン「舐めた真似を!」
ハマーン「ウッ!...シャアか?違う!誰だ?ウッ!」
ハマーン「俗物が私に!...ここまでだろ、俗物...ん?はっ!...」
ここで超常現象が2人の間で起きる。ニュータイプが生み出す、脅威の振動数である。
Zガンダムのバイオセンサー、キュベレイのサイコミュを通してハマーン様の、カミーユのエネルギーが宇宙のパワーと人間の心をひとつにした。
そして、わかった。ただの記憶が、それは人は分かり合えると。
ハマーン「分かり合える…そういうことか...気やすいな...ゼータ!私を迷わせたのは貴様か!よくもズケズケと人の中に入る!恥を知れ!俗物ッ!」
カミーユ「やめろ!ハマーン!僕達は分かり合えるかも知れないだろう!ここに来るまで!」
ハマーン「黙れ!貴様もシャアと同じだ!貴様は確かに優れた資質を持っているらしいが、無礼を許す訳にはいかない!死ねっ!」(ハマーン様七変化、悪魔的なスケッチ画...素晴らしい…)
ハマーン「何?!」(カツのGディフェンサーが撃つ)
カツがサラの復讐で特攻するが撃たれる!ファがカミーユを守って撃たれる!
カミーユ「今だ!」
ハマーン「バカな?!」
ハマーン「ゼーターめっ!」
カミーユはハマーン様を落せなかった。やれたのに。あの声(ハマーンの声)を聞いてしまって、一瞬の躊躇があってキュベレイの肩、バインダー部分しか切り落とせなかった…
グワンバン艦長「ハマーン様!ご命令通り全艦撤退致しました!」
ハマーン「艦隊を立て直し次第反撃に移る」
グワンバン艦長「はっ!」
侍女「ミネバ様からハマーン様に味わっていただくよう、戦闘ご苦労様であったと」
ハマーン「ミネバ様が?...時代は確実に動いている...倒すべき敵、それはカミーユ・ビダン...そういうことか...。」
ようやく気づいたハマーン様であったが、果たしてどうなるのか?
エゥーゴはグリプス2を完全制圧し、アーガマは単独でアクシズを追う、それは直接乗り込みグラナダへの進路を変えるためである。
✰今日のハマーン様、鏡を見つめていらっしゃいます。「うっ!誰かが私を見ている...あの葉っぱの上...シャアか?!」
次回第48話へ続く...
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