☆前回からの引き続きです。

百式をフィーチャリングしてのこのシリーズですが、今回は最終回エピソード50のストーリーをグッと掘り下げて回顧したいと思います。

グリプス戦役最終戦に突入
第50話「宇宙を駆ける」（そらをかける）
シャアはどうやって助かったのか？
drakeの名シーン再現

グリプス戦役最終戦に突入

ティターンズの総帥ジャミトフ・ハイマンを失ったバスク率いるティターンズ本隊と、シロッコ率いるジュピトリスのティターンズ別部隊、ハマーンのアクシズ、カミーユとクワトロのエゥーゴ。その中には地球連邦軍の一部も混ざり合い、四軍入り乱れての最終戦です。

まず初めにバスク大佐以下のティターンズ本隊は足並みが乱れます。それは地球連邦よりのジュピトリス・ティターンズ派シロッコが分裂行動に出たからです。

シロッコが仕掛けます。ティターンズ旗艦ドゴス・ギアのブリッジが、レコア搭乗のパラスアテネに直撃を受けてバスク大佐が戦死。

この時ブライト指揮するアーガマは損壊したアクシズから離れ、グリプス2を目指して急いで航行していました。

アクシズから奪還したグリプス2(コロニーレーザー砲)はラーディッシュ率いるエゥーゴ艦隊で何とか死守していていましたが、アクシズとティターンズの総攻撃により後退を余儀なくされていました。

エマのスーパーガンダム(マークII)はヤザンのハンブラビ部隊と交戦していましたが、ラムサスのハンブラビを撃破したエマはスキを突かれた恰好になり、ヤザンのハンブラビに致命的な被弾を受けて、終始逃げ惑う状態になります。

そして戦艦ラーディッシュはエマのマークIIを発見！ヘンケンは「ラーディッシュは駄目だ...」と言うが「艦長！このままエマ中尉を見殺しには出来ません！」のクルーの一言で、エマを守るためにラーディッシュがマークIIの盾になることを決めた艦長ヘンケン。しかしヤザンのハンブラビによって撃沈されることになります。

その後応急処置をして再度出撃したエマだったが、レコアのパラスアテネと相打ちをして、レコアが戦死。エマもマークIIのコックピットから飛び出した時に、ジェリドのバウンドドッグがレコアのパラスアテネを破壊し、残骸がエマを直撃して致命傷を受け、カミーユに最後の言葉を託して死にました。

エマ「カミーユ...私の命を吸って...」

ジェリドのバウンドドッグはゼータのビームライフルが当たり態勢を崩し、そのまま半壊中のラーディッシュへ墜ちていってラーディッシュと共に爆死します。

カミーユ「みんな...死んでいく...」

それは、カミーユの精神崩壊のカウントダウンを意味していました。

第50話「宇宙を駆ける」（そらをかける）

クワトロの百式 カミーユのゼータ。 シロッコのTHE-O レコアのパラスアテネ。 ハマーンのキュベレイ の三つ巴戦になります。

コロニーレーザー砲で「ティターンズ艦隊がやられる訳にはいかん！」とシロッコはレーザー砲の内部に侵入します。

ジ・Oの動きを見ていたクワトロ百式は、レーザー砲を潰させるにはいかんと、シロッコを追う。

それをゼータカミーユと戦っていた、ハマーンキュベレイはその動きを察知し、「コロニーレーザーが発射されるのか、まずいな」とシロッコのジ・Oとクワトロの百式を追ってコロニーレーザーの内部へ移動します。

さらにカミーユもその三機を追うことになる。ファのメタスまでもが...。

そもそも大将格である、シロッコ・ハマーン・クワトロが最前線で戦うモビルスーツ乗りというところが、宇宙世紀0087の戦い方なのでしょうかね。

大将格のモビルスーツが撃破されれば、ティターンズのシロッコ、ハマーンアクシズが仮に戦死となり指導者が居なくなる訳ですから、その軍隊は死に体になるのではないでしょうか。

軍の大将は旗艦に搭乗して全体を指揮するのが、戦争では当然ではだろうと思います。もしくは一年戦争でのギレンやキシリアみたいに動くのが確実に軍を指揮出来るのでは？

エゥーゴは特に全く違った組織だから、クワトロが戦死したところでも本体の政治家や出資者がいるから分からないでもない。カミーユはZガンダムには乗ってはいるが、一兵卒であるし...。

いやいや、 逆にそこがZガンダムの最終回の面白さなんです！

またクワトロとカミーユはノーマルスーツを着ているのに対して、シロッコとハマーンは私服制服であるからして、よっぽど負ける気がしなかった戦いだったのでしょう。

一年戦争でのシャアは何故出撃の際、ノーマルスーツを着ないか下士官に言っていた。

シャア「私は出撃しても必ず帰ってくる主義でね」

つまりパイロットスーツを着ないで出撃するという事は“死ぬ覚悟をしての出撃”を意味する。

クワトロ「シロッコにレーザー砲を潰させる訳にはいかん！」とジ・Oを追う。

シロッコ「ティターンズの艦隊をやらせる訳にはいかん！中心部は...あれか！」

シロッコはコロニーレーザーの中心部のレーザー砲をビームサーベルでサクッと真っ二つに切り落としていく。

クワトロ「これ以上破壊されると発射出来なくなる」

シロッコ「死にに来たか、シャア！」

ジ・Oのライフルから発射されたビームが百式の脚をかすめた。

そこにハマーンのキュベレイまで来た。

クワトロ「ハマーン！」

百式の機体でレーザー砲を粉々にしてしまう。

シロッコ「ぬかったな…シャア！」

ハマーン「こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいい！」

クワトロ「そうかな」

ハマーン「もしも、私の元に戻る意思があるのなら」

クワトロ「何を言う」

シロッコ「道を誤ったのだよ、貴様のようなニュータイプのなり損ないは粛清される運命にあるのだ！わかるか！」

クワトロ「まただ、まだ終わらんよ！」(名言です)

その後コロニーレーザーの居住ブロック劇場跡でクワトロ、ハマーン、シロッコ、カミーユとのやりとりがあります(そのシーンはここでは省略させていただきます)。

ファが助けに入り、3人はモビルスーツでコロニーの居住ブロックから脱出します。

ブライトはカミーユ達がレーザー砲から脱出したのを確認してから、コロニーレーザーの発射を命じた。

そのレーザー砲でほとんどのティターンズ艦隊がレーザー砲の餌食になり、殲滅した。

ハマーン「チッ...まずいな」

ハマーンはアクシズに戻り、ミネバに戦線の報告をしに行く。

ミネバ「どうしたのだ？ハマーン」

ハマーン「エゥーゴは私の命に引き変えても食い止めます。主要な艦を撤退させましょう」

ミネバ「我が方は危ないのか？」

ハマーン「いえ、ここで消耗しきってはティターンズの二の舞になりましょう」

ミネバ「うん、ハマーンに任す」

ハマーン「はっ！では。」

ミネバ「そんなに激しい戦いなのか。」

(ここの時間差がよく分からない。ハマーンはミネバに会いに来ている時にも戦況は続いていたはずだ。少なくともシロッコのジ・Oとカミーユのゼータは戦いを続けていた。しかしこのあとクワトロの百式と戦闘をすることになるのだが…この空白時間に一体クワトロは何をしていたのか？右腕と右脚を失った百式で、しかもエネルギー切れを起こしてまで、戦線にいた。クワトロもアーガマに戻り、百式を応急処置するか、してもいいはず。クワトロが相手にしていたのはハマーンのキュベレイだったのだから。コロニーレーザーで大半のティターンズ勢が失ったということは、アクシズのガザC部隊との戦いに引っ張られていたのか？そんな事は考えずらい。とにかくあの時点で強力なライバルはハマーンのキュベレイだけだったのだから、アーガマに戻るべきだったのだが、戻らず。やはりシャアとハマーンの関係性を疑ってしまう。やはりこうなんじゃないのか？という私の考察は、後半に書きます。)

ハマーンが戦闘宙域に戻ると、シャアの百式がタイミングよく現れる。

そしてハマーンとクワトロの交戦が始まる。

クワトロ「ん！エネルギー切れ！」(ライフルが使えない)

ハマーン「うかつだな」

クワトロ「ええい！来た！」(ファンネルが百式を襲い逃げる百式)

クワトロは朽ちかけた戦艦サラミスの内部に逃げ込む。

ハマーン「ん！」

クワトロ「これであの武器は使えまい！」

ハマーン「甘いな、シャア！」

クワトロ「なに？！」

ハマーン「これで終わりにするか！続けるか！シャア！」

クワトロ「そんな決定権がお前にあるのか！はっ！」

ハマーン「口の利き方に気を付けてもらおう！」

(百式のバルカンがエンジン部に射撃！)

ハマーン「なに？！」

ハマーン「シャア...私と来てくれれば…ウッ！」

その後ハマーンはアクシズに戻ったと思える。

そして「俺の体をみんなに貸すぞ！」と言って無敵状態なったカミーユのゼータはウェイブライダー状態でシロッコのジ・Oを突き刺し、スイカバーにして倒した。だが、シロッコの最後の死に際で強烈な死念により、カミーユの心まで連れていかれカミーユはとうとう精神崩壊してしまった。

そしてファはカミーユのゼータとマークⅡを回収して、エンディングの最後では画面を流れる百式を映していた。損傷もそんなに無くコックピットは開いていた。

【ZG fin】

シャアはどうやって助かったのか？

まずあの空白の時間の問題である。もはやまともに戦えなくなったモビルスーツに乗っている意味がない。シャアは分かってるはずだ。もしかすると、あの時シャアもハマーンと共にアクシズに行っていたのかも知れない！

そしてその後のハマーンとの戦いで百式はハマーンに絶体絶命まで追い込まれる。しかしサラミスのエンジン部を見たクワトロはハマーンを道連れにするつもりだったのか、キュベレイが百式にトドメを刺す前にバルカンをそこに向けて撃つ。誘爆し、サラミスは完全に撃沈爆破した。

キュベレイはスグに離脱しサラミスの爆発を確認して、「シャア...私と来てくれれば…」と言って去っていった。

あの巨大な爆発で百式が無事だったとは到底思えない。じゃあジェリドのバウンドドッグがラーディッシュと一緒に爆死したのと同じ状況ではないか？百式は手足をもがれて動けない状態なんですよ。

たまたま運が良かった？んー...無理がありゃしないか。

実はクワトロは誰かに助けられていた？

仮に助けることが出来た人物は？あの宙域にいたのはファ、カミーユ。アクシズのシャアを慕う、元ジオンの兵士が偶然にいたとでも？いや考えずらい。

ファが助けられた？それもない(百式自体はファが回収した)。もしもそうだとしたらダブルゼータでエゥーゴはシャアの存在を把握出来たはずだ。カミーユは精神崩壊して当然無理。

あの状況で助けられた人物、

それはハマーン・カーンしかいないのではないだろうか？

ハマーンは「もしも私の元に戻る意思があるのなら」「シャア...私と来てくれれば…」の意味深な台詞にもあったように、シャアに想いがあったのだ。そうあの頃のように。

シャアを心から屈服させたかった、ただそれだけ。だからハマーンは最初からシャアを本気で殺しはしない。しかしシャアはハマーンにそんな心はさらさら無い。ギリギリ限界まで追い詰めた。

そんな頑なに譲らないシャアの心に屈服したのは、実はハマーンだったのではないだろうか？

サラミスが完全爆破する前にキュベレイが百式を連れ出し隔壁をファンネルで破壊して一緒に脱出した。わかる話ではないだろうか？

ダブルゼータ・第一次ネオ・ジオン抗争でシャアは登場しなかった。その後ハマーンは死に、第二次ネオ・ジオン抗争「逆襲のシャア」でネオ・ジオンの総帥として現れるのですが。

エゥーゴで主張していた「人類がニュータイプに覚醒するのを待つ」がネオ・ジオンの総帥になってからは「ニュータイプの時代を作るためにアクシズを地球に落とす」と主張が変わっているんです。

あとミネバの存在。ダブルゼータの最後ではハマーンと共に行動していたミネバは影武者だったことが明らかになっています。TV版では明らかに描かれていませんが小説版のZZガンダムではミネバがシャアの元にいるらしいことを語っています。

ハマーン「この広い宇宙のどこかでミネバ様のお相手をしながら、無為な時間を過ごしているというのか。シャア・アズナブル、戻ってくればよいものを...何故それほどまでに遠回りをする...。」

プレイステーションの「機動戦士Zガンダム」のムービーにもミネバを匿っているシャアの姿のシーンが登場します。

シャアとハマーンの妥協点に至った会話の仮説です。

ハマーン「シャア、そこまでして新しい時代を作りたいのなら一緒に協力しょう。ただエゥーゴに戻らずに元のシャア・アズナブルに戻ってくれ」

クワトロとしてもこのままエゥーゴに残っても道化を演じるだけで、自分の元来の思想を押し通すことは出来ない。結局エゥーゴも地球連邦に飲み込まれるだけである。元々シャアがクワトロ・バジーナという偽名を使ってまで、エゥーゴに参加したのはアクシズが地球圏に戻ったの時の地盤固めであり、シャアとしてはグリプス戦役中にニュータイプの新しい時代を作るために、エゥーゴという組織を拡大させたかっただけなんです。

しかしアクシズもシャアが離れている間に体制がハマーン主体に変わり、エゥーゴもブレックス准将を失ってからアナハイム・エレクトロニクス社の意向が強くなりだし、「新しい時代を作るニュータイプの覚醒を待つ」というシナリオが崩れる訳です。

そうなるとシャアがエゥーゴ時代で作った培った基盤、ルオ商会、グラナダ、スウィートウォーターはアナハイムにとってとても厄介な存在になります。

だからシャアは地下に潜り、新たな組織作りのためダブルゼータでは登場しなかったのでしょう。その間ハマーンは地球連邦の目を引きつけ、連邦と交渉しサイド3を手に入れることが出来たのです。

ハマーンが何らかの建前を用意して、安全なシャアの元にミネバを移したのでしょう。

結局第一次ネオ・ジオン抗争でハマーンはジュドーに惹かれてしまい戦死してしまいます。ネオ・ジオン(アクシズ)は崩壊しました。

シャアはその間地球連邦からノーマークで動くことが出来たんです。

という私のシャアに対しての考察になります。