まんが日本昔ばなし「安珍清姫」
最近ハマってる「まんが日本昔ばなし」。
知らなかった実話「安珍清姫」(あんちんきよひめ)
平安時代、延長六年(928年)今から約1000年以上前の話です。
あっちゃんが知ってたのに、我は知らなんだ!そんな有名なのかね…やはり調べたら有名らしい。
あっちゃんに聞くと、清姫はスマホ専用ロールプレイングゲームFGO(フェイントグランドオーダー)に出てくるサーヴァント(召使)らしい。
FGOとは歴史上の偉人、神霊、伝説上の存在を英霊とさせサーヴァントとして召喚し、数人のパーティーを組んで戦うコマンドバトルゲームのようです。
馬超「むむむ。」
さて、この話は前回ブログ記事にした「飯降山」(いぶりやま)より伝記として数多く資料があり、その事実をはじめて知って色々と調べました。また同じくお経が読まれるお話です。
今回の話も“愛企画センター/グループ・タック/毎日放送/共同制作”「まんが日本昔ばなし」でストーリーを追っていきたいと思います。
まんが日本昔ばなし「安珍清姫」
演出・美術・作画/馬郡美保子 文藝/沖島 勲
むかーし、昔のことじゃった。紀州の国、日高川という川のあたりを今一人のうら若い旅のお坊様が歩いておった。お坊様の名前は安珍。安珍の足取りは何故か乱れており、まるで何者かに追われているようなようすであったが、そのわけは。
それは三日程まえの出来事であった。
安珍は故郷奥州の白川から熊野大社へお参りする途中であったが、途中真砂の郷のあたりで日暮れてしもうた。
安珍「うーん、これは困った。今夜一晩の宿をどこかさがさねば」
こうして安珍は真砂の里(まさごのさと)の庄屋、庄司という家に泊まった。庄司という家には一人娘で清姫というお方がおられた。安珍はその夜、この清姫から数々のおもてなしをうけることになったのである。
清姫「あのう、旅のお坊様。長い道中さぞおつかれになったことでしょう。どうぞ、今夜はごゆっくりとおやすみくださいませ」
安珍「はい、誠にありがとうございます。」
清姫は一目見るなり、この若くて美しいお坊様を好きになった。それは安珍とて同じ心であった。こうして二人はその夜遅くまで語りあかしながら、お互いの胸の内を伝えた。安珍は自らが修行中の身であることをかえりみず、帰りにはかならず寄ると約束してしもうた。
次の日、安珍は目指す熊野大社へと到着した。ところが、そこの僧侶達は安珍の心の迷いをすぐさま見抜き、一刻も早く迷いから覚めるようにと順々と教え諭した。
こうして、安珍は迷いから立ち直った。考えてみれば修行中の身のこととて、許されるはずもなかった。安珍は清姫と会わぬため、来る時とは違う道を辿った。
ところがそんなこととは梅雨知らぬ清姫は、今か今かと安珍の帰ってくるのを待ち受けておった。
清姫「安珍様はいったい…どうされたのじゃろ?今日が約束の日じゃというに安珍様はいったいどうされたのじゃろ」
清姫「あのもし、熊野詣からのおかえりの若い旅の僧にお会いになりはしませなんだか?」
旅の者「その方なら、多分別な道を行かれたと思うが」
清姫「えーっ?なに?別の道を?まさかそのような」
清姫「あのもし!熊野詣からのおかえりの旅の僧にお会いになりはしませなんだか?名は安珍と申されます」
旅の者「たぶん、その方ならこの街道の七八丁先でお見かけしたと思うが」
清姫「えーっ!やっぱり…」
清姫はもう狂ったようになって街道をかけに駆けた。
ちょうど、その頃のことであった。安珍は日高川の渡し場まで来ており、今まさに川を渡ろうとするところであった。
清姫「安珍様ー!あんちんさまー!」
安珍「船頭手、はやく船をだしてくだされ!さあ!早く、船をだしてくだされ!」
清姫「安珍さまー!安珍さまー!」
清姫「安珍さまー!安珍様!なぜ?どうして?」
清姫「安珍さまー!安珍さまー!安珍さまー!」
清姫は、そのまま日高川の中へ入っていった。そして、なんとその姿はおそろしい大蛇の姿へと変わってしまった。
大蛇「うーっ、にっくき奴、安珍め!おーっ、愛しい安珍さまー。」
街道のそばに道成寺というお寺があった。安珍はこの寺に駆け込むと、寺の人々に助けをこうた。
安珍「なにもかも、わたしの身から出たの罪ともうせ、今…追われております。どうか、お助けください。お匿いください。」
僧侶「うーん…しからば、」
見渡すところ身を隠すところは、寺の釣鐘以外どこにもなかった。それで寺の人達は釣鐘を落ろして、その中に安珍を匿ってくれた。そして安珍は今やその中で静かにお経を唱えはじめたのである。
安珍「爾時世尊。従三昧安詳而起。告舎利弗。諸仏智慧甚深無量。其智慧門。難解難入。一切声聞。辟支仏。所不能知·····」(アニメ中で唱えているお経とは異なります)
大蛇「うーん!にっくき奴!安珍め!」
安珍「所以者何。仏曽親近。百千万億。無数諸仏。尽行諸仏。無量道法。勇猛精進。名称普聞。成就甚深。未曽有法·····」
寺の中に、釣鐘を見つけた大蛇は、その釣鐘の上からぐるぐる巻きにからだを巻き付けた。そして、おそろしい赤い炎を吐き続けた。
大蛇「にっくき奴!安珍め!あーっ、愛しい、安珍さまー」
安珍「所謂諸法。如是相。如是性。如是体。如是力。如是作。如是因。如是縁。如是果。如是報。如是本末究竟等·····」
こうして、安珍はいまや大蛇と化した清姫の赤い炎に包まれて、ついに、焼き殺されてしまったという。道成寺というお寺に今も残っているお話でした。
考察
さて、こわい、怖い、このお話。実際にあったとされる話というからまたこわい。
まず清姫が異常過ぎます。
「まんが日本昔ばなし」ではこのような流れですが、実は清姫が勝手に夜這いをしたとか?ただの口約束だけで惚れた腫れたもなかっただとか。
今の時代だと完璧なるストーカー行為、ストーカー規制法違反ですね。
ストーカーじゃなくても、付きまとい、嫌がらせ、最終的に川に身を投げて、大蛇?竜?になって?!お寺をぶち破り、釣鐘をも燃やし尽くして、中にいた安珍は灰になってたそうで、居た堪れないですよ、これは!
聞いてみたところ安珍のお経がわからない。大蛇という化身のお化けに勝てなかった道成寺、果たして如何に?
宗教に詳しくないのでお経がわからないのも当たり前。しかしこのまんが日本ばなしで安珍が唱えているお経は何なんだろうか?いや、しかし実際に唱えたお経は?
のちに僧侶が安珍清姫へ唱えたのは「法華経」で、やはり安珍も「妙法蓮華経方便品 第二」を唱えたのではないか?と推測する。
清姫がやすやすと寺内に侵入出来てしまったのは、「道成寺」の力がそれを大蛇と化した清姫の嫉妬と憎しみのパワーが上回ったのであろうか。安珍も修行中の身であったことも祟ってしまったのだろうか。また安珍にも清姫への想いは少なからずあったとか。
代表的な話と諸説ある様々な話
「日本昔ばなし」以外の話では伝記のため、内容が少し異なります。安珍と清姫は熊野権現と観世音菩薩の化身だったとも。
あと清姫が化けたのは大蛇または竜とも呼ばれている説もある。
安珍を追って行った時に日高川に入水した時点で清姫は命を断ち、そして死んだ霊魂が大蛇と化けて道成寺に隠れていた安珍の釣鐘まで行って業火の炎に包んだとか。
もう一つは清姫は生きたまま大蛇へと変幻し、安珍を焼き尽くした後、清姫へと戻り入水し自害したとか。
しかしながら伝記とはいえフィクションで作られたものではなく、実際にあった話として語り継がれているのは事実に近いものだと歴史上に証明されています。
道成寺は和歌山県日高川町にある天台宗のお寺であり、JR道成寺駅として存在しています。
道成寺には「安珍塚」も存在し、中辺路町真砂地区に「清姫の墓」もあり墓の隣には【煩悩の焔も消えて 今ここに眠りまします 清姫の魂】と書かれた石塔も建っているようです。
また清姫を祀った「清姫堂」もあるようで、毎年清姫の霊を慰めるため鐘供養も行われているそうです。
また伝記の後日談として、蛇道に陥り苦しみ転生した二人は道成寺の僧侶の下に現れて供養を頼み込み、僧侶は二人のために寺のものを集めて法華経を読み、二人を手厚く弔った。
そして二人は成仏して天人の姿で僧侶の夢に現れたとも言われています。こうして法華経の功徳が語られたというものなのですが・・・。はて?
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