ブロンの離脱対策 1日目
ブロン錠の退薬経過をはじめから詳しく状況を考えてみる。対応策も。
まずここでのケースは1日84錠入り1瓶を1年以上連用する人が経験するだろう離脱症状とします。
眠剤を使用しているブロン中毒の人は昼間のブロンの覚醒症状で、夜は眠剤無しでは眠れなくなっているはず。
眠剤は単体での離脱症状を引き起こしますが、ブロンの離脱症状に影響は与えません。しかし人によりますが今後の離脱症状回避に使用可能かもしれませんね。
元々眠剤を使用しなければ眠れないというのは気のせいで、ブロンを飲んでいればコデ寝(コデインには眠気と鎮静効果があるため落ちるように浅い眠りにつけます)と呼ばれるものがあるので、眠剤を飲まなくても大丈夫なのです。
ただブロンを飲んですぐ眠る人はいません。それをやるとブロンの成分の副作用効果で眠りについたとしても、浅い眠りにより悪夢を見て心臓をバクバクさせて跳ね起きたりします。
なのでブロンのエフェコデカフェ効果(エフェドリン・コデイン・カフェイン)が緩やかに落ち込んでいくタイミングで横になれば眠りにつくでしょう。
さて次の起床からブロンは使用出来ない設定で進めて行きます。
一番よくあるのは「金欠でブロンが買えなくなる」でしょうか?
ブロンはとにかく金がかかります。ブロン中毒になると1日1箱は最低ラインでしょう。それより減らすことは難しい話です。
ブロン1箱の値段は約1,000〜1,600円(幅有り)で、ブロンをやるとタバコも吸うし、1日の最低支出は約2,000円〜でしょう。もちろん食費光熱通信費と別になります。
まったくとんでもない金食い虫です。
でも金が無ければブロン中毒者といえども断薬せざるを得ません。
これはやめる気がないのに断薬しなければならないのと、計画的断薬とは精神面で大きな差が出てくるので、もしかすると離脱症状を覚悟してやめる方が症状的に辛いのかもしれません。何故かというと私は計画的断薬でやめました。
強制的に断薬せざるを得ないケースの離脱症状を聞くと、そこまで強烈的に離脱症状が強いと思えないのです。
それは例えば、矯正施設へ入所、精神病院に入院したとかでブロンを飲めなくなることです。
その場合恐らく我慢したその先には、またブロンを飲めるという希望的観測の気持ちが離脱症状を弱めるのではないか?と思います。
現在(2月3日)、新型コロナウイルスで各地ドラッグストアからマスクが一斉に品切れで無くなっていますが、何か危機が発生して店頭からブロン錠が並ばなくなったら?どうでしょう?
ブロン中毒者の方々、考えたことありますか?
ブロン中毒者にとって離脱症状とは何時起きても「そこにある危機」なんです。離脱症状は常に想定しておかなければなりません。
目覚め…1日目
ブロンが切れると非常に時間が長くなります。つまり断薬中は身体にとって不快な時間が長くなるということです。
ここでのケースはブロンが買えるまでの断薬で離脱症状を考えるので、少しでも不快な時間を減らすために退薬していく時を寝てやり過ごそうとほとんどの人は考えます。
離脱症状を経験している人なら朝起きてすぐにくる焦燥感を少しでもスルーしたいはず…
体内に残ったコデインでコデ寝するか、眠剤で寝逃げするか、賢明なブロン中毒者ならきっとこのどちらかになるはずです。無駄な戦いはよしましょう。
もしかしたら1日目は離脱症状をやり過ごして寝逃げ出来るかもしれません。あなたがそれを出来るのは長期の休みに突入したか、休職か、退職したかでしょう。
そうじゃない人は朝から徐々に体から薬が抜けていく感覚を味わっていくことになります。
目覚めてから気だるい感じが抜けないでしょう。いつもなら起きたらすぐにブロンを飲んでるあなた。今日はそのブロンがありません。
違うことを考えようとしても意識は常にブロンのことが頭から離れないでしょう。ブロン無しで仕事、日常生活に挑むとなると、もはや背水の陣、否、絶体絶命、孤立無援、四面楚歌となろうか?
初の離脱症状ならば、はっきり言って乗り越えるのは容易いかと。離脱症状経験が重なれば重なるほど、多分症状はキツく感じると思います。
まず一番初めにくる異常さは「便意」ですね。
トイレに駆け込み「大」をしますが、ブロン特有の硬い便が出た後、また催し、トイレに行くことになります。今度は腹痛が起きて下痢の連鎖に苦しみます。下痢止めで何とか出勤しましょう。
不安が精神面を揺るがします。
今までは不安があっても「ブロンがある」といって誤魔化してきたけれど、孤独感は否めません。なのでやる気がまったく湧かずに物事に集中できません。
ブロン以外で症状を緩和する方法としては、とにかくやる気を出させる以外何もないので手軽な「カフェイン」を多く摂ることでしょうか。しかしカフェインは集中力を多少カバー出来る分、焦燥感を高めます。
長い午前中を過ごした後は昼ごはんを食べることになりますが、次の異常は空腹感に襲われます。異常な食欲で食費が増す事になりますね。食べることでストレス解消に変えているんでしょうか?
とにかくお腹が空いて、甘いものが食べたくなります。
ブロンを飲むと比較的食欲は抑えられます。普段はブロンばかり飲んで食欲を抑えているので、ブロン中毒のあなたはきっとゲッソリと痩せていることでしょう。稀にブロン中毒者でもガッツリ、飯を食っている人もいるので太った人もいるでしょうが。
やはり食べるということは人間の自然なことであり、断薬によって通常営業に戻そうとする人間の身体の素直な反応でしょうね。
でも毎日フル可動MAXの非常営業を続けていたのを、簡単に通常営業に戻そうと思っていても、楽をしていた脳が拒絶反応を起こしてブロンを求める為に離脱症状が身体に発生します。
お昼をいくら食べても満足感は得られないですね。それと同時にまた尿意と便意を催し、トイレに駆け込むことになりますが、下痢止めを飲む場合は回避出来るかもしれませんね。
午後にはもうやる気が完全に失われます。なんぼカフェインを摂ろうが空回り状態。
そんな時に次の異常は早くも風邪症状が発生します。
眠気からあくびが発生して涙が止まりません。鼻がムズムズし出して、鼻水が、くしゃみも連発します。冷や汗も同時に出てきます。その汗は普通の汗じゃなく機械油のような錆びた汗。
身体は体内から毒を出そうと排毒作用を起こしています。自律神経も破壊されているので体温調節も狂っているから暑かったり、寒かったりして異常な汗が吹き出し極度な不快状態になります。
デスクワークでもそんな状態だし、肉体労働なら半端ない汗の量が出て、疲れ方が酷くなると思います。
脳内では「ブロン…ブロン…」なので、仕事は作業ミスの連続でイライラは頂点に達します。これは金欠解消後にブロンを買える!という希望がなければ仕事は続けられないと思います。
なので計画的断薬をする人は覚悟を決めて長期の離脱症状に挑むので、休職するか、退職して無職期間に断薬をすることをおすすめします。
仕事を終え、帰宅して1日の長さに驚愕するも、毎日常用していた薬を摂取してないせいか?退薬症状なのか?ほんの短時間だけ久々に訪れたナチュラルテンションが上がってウキウキするかもしれません。
「あれ?断薬大丈夫かも?」と思いますが、その波はとても荒く、その後またすぐにしっかりと絶望に落とされます。
正露丸などの下痢止めに頼るのはよくありません。食べた分だけ必ず排泄しなければなりませんので、下痢であっても排泄して出したほうが体のためだと思います。そして水分は多めに取らないと駄目です。
ブロンを飲んでいる時は頻繁に喉が乾くので過度に水分を摂りますが、断薬中は意識して水分を摂らないと脱水症状が起きる程、脳は水は飲もうとしない為に体が水分不足になります。
翌日を乗り切る為にすること…
時刻は夜20時を過ぎ、これから寝て起きて、また明日から断薬生活を過ごさねばなりません。
せっかくシラフで1日を過ごしたのです。
ブロンを買うお金が手に入ったら「またブロンを飲もう!」ではなく、これを機に「ブロンをやめてしまおう!」と思いませんか?
こんな辛い苦しみ味わいたくない。
風邪薬中毒になって風邪症状を引き起こす。
明日からの断薬生活で、かぜ薬についてはもっと学ばなければなりません。そうすれば常用が危険なブロン錠から離れようと思うことができると思います。
ブロン錠を毎日ODすることによって脳や身体にどういう危険性があるのか?
まずブロン錠だけならず、総合感冒薬と呼ばれる市販薬には抗コリン作用があります。
抗ヒスタミン薬や抗コリン薬を60日〜90日飲み続けると認知機能に問題が出てくると論文で発表、2018年4月に英医学誌『BMJ』に掲載された論文。それはJAMA Intern Med誌電子版にも2019年6月24日に掲載されました。
市販のかぜ薬の依存性はカフェインのせいでもあり、カフェインにより元気が出たり活力が湧いたりするので、飲み続けると手放せなくなるのです。
先程の論文では抗コリン薬を3年間常用量飲むと、認知症の発症リスクが約1.5倍になることが示されています。また複数の薬を飲むことでさらに発症の確率が上がります。
抗コリン作用とはアセチルコリンという神経伝達物質を抑制する働きを持つ。アセチルコリンは体液の分泌や内臓の動きを司る副交感神経をコントロールしている。
その抗コリン作用は副交感神経の機能を低下させて、消化管の筋肉の過剰な動きや胃液の分泌を抑える。さらには脳内での働きも抑制するという。
それは脳内の神経伝達物質を減らすことにより、一層認知機能が低下していくのである。
「かぜ薬には長期連用について注意喚起をしています。また、今回の論文は65歳以上を対象としていますが、高齢者は服用前に、医師、薬剤師などに相談するよう記載があります」(エスエス製薬広報担当者)
確かに市販薬の添付書類には「高齢者の使用には注意」と書かれているが、認知症のリスクについては書かれていない。
市販薬を販売する医薬品メーカーは消費者の健康のことなど一切考えていない。私たちの健康は自分たち自身で守るべきなのだ。
ブロンを大量に飲んでボーッとするのは、脳の中でこういったことが実際に起きているということを改めて認識したい。これはブロンに限らずあらゆるドラッグに言えることだ。
そして、断薬2日目を目指して寝ることにしよう。
─ つづく。