横山三国志 諸葛亮 孔明 4
さて孔明の第一回の北伐を紐解いてみます。
仲達を策略で官職を剥がした諸葛亮は、安心して魏を討てると決断する。
「臣亮もうす」に始まる有名な前出師の表を一句一章心血をそそいで書き始めた。
蜀建興五年
諸葛亮は帝の前に出て出師の表を奉る。
そして孔明は祁山へ行く。
漢中から魏の本拠地である洛陽方面はだいたい東北東くらいの方向である。
ただし東北東へ真っ直ぐ行く道はない。
まず北上して渭水にいたり、それから渭水、黄河と川沿いに東へ向かうことになる。
だがすんなり行けるものではなく、東へ進もうとすると、魏の西方大都市長安がある。
魏を討伐するためには、長安を押さえなければならない。
しかるに祁山は漢中より見て西北にある。
まるっきり方角が違う。
しかも祁山方面は異民族の住む場所である。
この時、魏延が長安を攻めましょうと言った。
僕は魏延のこの提案は至極まともな発言だと僕は思っている。
これは横山三国志と共通するところである。
危ないといっても戦争に危険はつきものである。そう不審にいだく人は少なくない。
さて、横山三国志を見てみよう。
出師の表を奉った孔明は、
そして三軍の編成にかかる。
前督部鎮北将軍領丞相司馬に魏延
前軍都督領扶風大守に張翼
牙門将裨将軍に王平
後軍領兵使に李恢
領漢中大守に呂義
兼管運糧左軍領兵使に馬岱
副将飛衛将軍に廖化
右軍領兵使奮威将軍に馬忠
撫戎将軍関内候に張嶷
行中軍師車騎大将軍に劉琰
中監軍楊武将軍に鄧芝
中参軍安遠将軍に馬謖
前将軍都亭候に袁ちん
左将軍高陽候に呉懿
右将軍玄都候に高翔
(な、長い…)
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ここで一言。武将の層が明らかに薄い。
のちに姜維という優秀な武将が蜀に入るのだが、現れるのが遅すぎた。
馬謖という人物、僕は気に入らない。
才能はあったが、その才能を鼻に掛ける人物。その馬謖を可愛がって起用した、
孔明の人物を見る目がなかったのが決定的である。
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名前が挙がらなかった趙雲。
これに趙雲が丞相に噛み付く。
孔明は「将軍には留守をお守りしていただくつもりでごさる」
だが、一歩も引かない趙雲。
鄧芝を副将につけ、五千の兵を授け先鋒を命じた。
建興五年春三月
孔明は三十万の大軍を率いて北伐に向かった。
まず相手は夏侯楙。
先陣をきった趙雲は連戦連勝するが、
策略にかかり敗走する。
そして孔明の中軍が到着し、いともたやすく安定城を落城させた。
南安城より北の安定城を落としたのだ。
南安城は大軍を擁して立て篭っていたからだ。
夏侯楙は王平に一騎討ちで敗れ、
捕らえられる。
まず第一の夏侯楙戦は孔明に軍配が上がった訳だ。
続く
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