映画ドラッグストア・カウボーイとQuarantine
1989年製作/マッド・ディロン主演作品
ドラッグストア・カウボーイ
監督・脚本/ガス・ヴァン・サント
出演/マッド・ディロン、ケリー・リンチ、ジェームズ・レマー、ヘザー・グラハム、ウィリアム・S・バロウズ他
4人が作り出す麻薬だけの世界、それは渇いた喉を潤そうと水を求めて砂漠に漂い、最後にたどり着く場所はそこにない。死あるのみ。ただ快楽という名のオアシスを求めて、さまよい続け生と死の狭間を生きる現実リアルの世界を描く。
明日は生きているか?死んでいるか?自分は一体誰なのか?何をすべきなのか?
そんな人生の道に迷った若者達に捧げる。
良くも悪くも、ドラッグも興味の無い人達にも好きな人達にも、よく見て欲しい映画である。
久しぶりに見た若き日のマッド・ディロン
何度も鑑賞しているこの「ドラッグストア・カウボーイ」ですが、今回の目的は英字幕と英語だけで見て考えるのであります。
英語を耳で聴いて理解して言葉をイメージで捉えて、脳で日本語に変換する癖を無くすことですね。
昔はマッド・ディロンの方が有名だったが、カッコもいいしね。でもマッド・デイモンが現れて影が薄くなった。名前が似た感じとかの関係性は無いと思うが。あの日のマッド・ディロンは輝いていた。
そう映画「アウトサイダー」
今も円熟味溢れるマッド・ディロン、私は彼の大ファンである。
1980年後半に作られた映画の隠れた名作・秀作は多い。このガス・ヴァン・サントは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」ではアカデミー賞にノミネートされるまでに至った、名監督で本作ではデビュー作品。
この作品もその一つである。
麻薬を扱ったクライムムービーだが、キャストもカット割りも上手く作られていて、タイトルもシーン内でのBGMもイカす。
♬ドラッグに音楽は欠かせない♬
"FOR ALL WE KNOW" written By J.FRED COOTS & SAM LEWIS vocal performance By ABBEY LINCOLN
"LITTLE THINGS" written & performed By BOBBY GOLDSBORO
"PHYCHOTIC REACTION" written By KEN ELLNER, ROY CHANEY, CRAIG ATKINSON, JOHN BYRNE & JOHN MICHALSKI performed By THE COUNT FIVE
"PUT A LITTLE LOVE IN YOUR HEAT" written By JIMMY HOLIDAY, RANDY MYERS & JACKIE DeSHANNON performed by JACKIE DeSHANNON
"PIU AMORE ROMANTIC PER ANNA" composed & produced By JEFF LEVI published By LAUGHING CLOUD MUSIC
"I AM" Music & Lyrics By ROKY ERICKSON performed by ROKY ERICKSON & JACK JOHNSON
"JUDY IN DISGUISE" written By JOHN FRED & ANDREW BERNARD performed By JOHN FRED AND HIS PLAYBOY BAND
"CHERRY LIPS" written By WINFIELD SCOTT performed By THE ROBINS
警察が突然ガザ入れに入って来ては、家中をめちゃくちゃにされてヤクを探すシーンは全く「ファックメーン!」である。
これは主人公のボブ(マッド・ディロン)が麻薬漬けから、気づき更生する。ドラッグから足を洗う物語ではあるが、最後の最後まで息が抜けないストーリーになっている。
ラストシーンの【エンドクレジット/生と死】では、楽しき日々を過ごした4人のあの日の頃が思い出され、見ているとめっちゃ感傷に浸る。ドラッグで失われたあの数年間、楽しい思い出は麻薬で得られた快楽のように蘇り、見ているとフラッシュバッグのようにうねうねと脳裏に浮かんでは消え、浮かんでは、また消えていく...。
"THE ISRAELITES"
written By DESMOND DEKKER & LESLIE KONG
performed By DESMOND DEKKER & THE ACES
エンディングの曲/デズモンド・デッカーの「Israelites」
♬ Get up the morning, slaveing for bread sir, So that every mouth can be fed Poor me, the israelite ahー♬
最高にイカしてます♬
ボブが言ってた「帽子はベッドの上に置くな」って!
そう!「合図は帽子だった...」That's what the hat on the bed was, which is why I'm not scared.
「いつか破滅する...」
30日間ツキを逃すことがあるという。それは...
「Okay, Hats.」「But the most important thing……is the goddamn hat!」
「If I ever see a hat on a bed in this house……you'll never see me again.……I'm gone.」
ベッドに帽子を置いてみろ、おさらばだってさ!
...ならばいっその事、帽子を置いてしまえば全てに気付く!
俺「そう!置いてやるぜ!なぁ、パンジ!」
2人「Let's do it!Well put a hats on the bed!」
パンジ「おまけに要らない帽子を捨てちまえyo!YOU!」
パンジ「生まれたばかりの絵画を燃やせ!太り始めたそいつを壊せ!包んだばかりの帽子を燃やせ!ゴミに入れた帽子を燃やせ!」
あと、まだある。
「犬の話(飼うこと)」「黒猫」「鏡の裏を見る事」
しかしそれらは「迷信」という闇の勢力が潜んだ魔力だとボブは気付いたのだ!
要は抵抗しなければいい話なのだ。
Quarantine-隔絶都市からの脱出-
デススロットル(Quarantineカランティーン)という3Dドライブシューティングゲームが1996年7月21日に発売されている。発売元はメディアクエスト、ゲーム開発は「imagexcel」という洋ゲーっぽさ満開である。
内容はもう闇に包まれた世界でストーリーはどす黒く、そこに住む住人達はとても病んでいる。主人公はそんな狂ったシティ「kemo city」という隔絶され、管理された都市でタクシー運転手をしながら、客を乗せて金を稼ぎ、タクシーを武装改造していき、敵と戦う。最終的にはこの「ケモシティ」から脱出することが、このゲームのゴールなのである。Quarantineとは隔絶、隔離といった意味。
プラットフォームはPC、GAMETek、3DO、イマジニア(カランティーン)/セガサターン(デススロットル)/PlayStation(ハードロックキャブ)でPCではQuarantine2が発売された。PlayStation版では描かれ方が少し違う。もっとも面白いのはQuarantineとデススロットルである。
このブログを立ち上げた目的が「ケモシティからの脱出」つまりは薬物依存からの完全脱却である。
「私はこの“デススロットル”をオマージュしている」
そして、この世は ─ kemo city─ と名付け、この俺もとうとうkemo cityからの脱出に成功した!
この作品、「ドラッグストア・カウボーイ」にはピッタリな名曲が揃っている。神曲だ!
ゲームQuarantine(DEATH THROTTLE)収録曲の3大曲と言っていい。全てのドラッカーに送る。
「The Faves」━ The Driver Is You ━
「He just stopped from the verge into your headlights!headlights! He just stopped from the verge into your headlights!headlights!The Driver Is You! The Driver Is You!」
彼はちょうどあんたのヘッドライトに直面して停止した!ヘッドライト!ドライバーはあんただよ!
「Custard」━ The Wahooti Fandango ━
「All I want to do is dance with you and romance with you I'm talking you ♬dadadadadadadaー♬」
私達はあなたと一緒に踊って、あなたとロマンスしたい。私はあなたと話している。♬ダダダダダダ ー♬
「God Star」━ Lie down forever ━
「Just want to lie here forever Just want to lay down for good So sick of speaking my mind opening up all the time I just want to lay down on the line and visit my dreams」
ちょうど今永遠にそばにいて欲しい。いつもと変わりなくそばに居て欲しい。だから自分のことを話す時は病気のことばかり。いつも心を開いている。だから私はちょうど線路に横たわり、私は夢を見に来ている。
「ヤク」をキメて浸ったもんだ、これで俺もとうに卒業した。
大抵の人は一瞬の過ごし方に苦しんでる
「see,most people don't know how they'll feel one minute to the next.」
だがヤク中は賢い。ヤク中はヤクで楽しくやってる。
ボブは「世界はバラ色、限りない成功の色だ。失敗など無い。ヤクが効いてる間の人生は素晴らしい」と言った。
そして「生き物はそれぞれに生きている」
この一言でドラッグは語れる。
しかし、これは死に近づく第一歩であり、死へのカウントダウンである。ヤク中は生きているのとは違う。ヤク中は死んでいるのも同然なのだ。
一同ディローディドの登場シーンに興奮する。
ボブ「この価値が分かるか?」
なんとこの小瓶ひと瓶が16分の1オンス10ドルの値段として...なんと並の840倍。8,400ドルになるという!
このシーンは見モノだ、すげぇな、麻薬って!
『ディローディド』といえばMichael Jacksonが常に使っていた薬でもある。これもとうとう効かなくなりもっと強い薬に手を出していた...
……しかしこの後もツキは変わらなかった、ナディーンがベッドの上に帽子を置いたことでボブの運命は180度変わることになる。ナディーンは自らで自分の命を絶った。
酒だって煙草だってドラッグだし、風邪薬だって精神科の薬だってドラッグ。どれだって辞めるのには勇気がいるし、当然離脱症状や禁断症状で強烈に苦しむことになる、それを辞めることは周りから言われてやめるんじゃなくて、最終的に自分で決断しないと絶対にやめられない!
ボブは自分で気づいたそれは強固なる信念になる。ヤクを辞めるという強い意志の力だ!
カウンセラーに言った「あんたには分からないよ」と。
ボブ「誰一人としてヤク中に薬をやめろと説得などできない。たとえ説得したとしてもヤク中は何かにすがる、薬でなくても酒か、シンナーかガソリンか、はたまた脳みそに鉛玉をぶち込むか。何かが必要になる。毎日しゃがみ靴紐を結ぶとかいう日々の苦痛から、救ってくれるものがだ」
ボブは救急車の中で最後に言った「I paid my debt to the hat.」……
何か得るためには?そう、「代償」(Hat)を払えばいい。
「I was still alive.Hope they can keep me alive.」俺はまだ生きている。そしてこれからも生きていたい。と。
☆ここまでお読み頂きましてありがとうございます。