kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

フジテレビドラマ 振り返れば奴がいる

公開日:2015年6月15日 更新日:2019年6月12日

☆リライト記事のため投稿画像が見ずらいのでご了承ください。

CHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」が主題歌の医療系テレビドラマ。

【振り返れば奴がいる】

1993年に放送され、ヒットしたドラマで全7話の後、特別編スペシャルも放送された。

医療系ドラマでは白い巨塔(田宮二郎版が好き)も最高だったが、このドラマも最高に面白かった。

”振り返れば奴がいる”はキャストが良かったですね。

まず織田裕二。石黒 賢、鹿賀丈史、千堂あきほ、松下由樹、西村雅彦、佐藤B作、中村あずさ他。

自分は鹿賀丈史さんが大好きで、彼の映画やドラマは大体観ている。皆んな若いですよ。   舞台は天真楼病院と言う大学が母体の一流大病院。

話しの流れは、内部権力、医局内派閥闘争。第一話では優秀な外科医、石川先生(石黒 賢)がカンザスの病院から転院して来る。 天真楼病院には中川外科部長(鹿賀丈史)率いる、外科医としては最高の手腕を誇る司馬江太郎(織田裕二)がいた。

石川が白に対して、司馬が黒。白と黒の対決。序盤でのこのシーンが最高です!

中川外科部長がまた良い味出してるんです。

石川「僕らは第一にクランケの命を考えるべきだ!」

司馬「エセヒューマニストが!」

中川部長「いいねぇ、いいねぇ、丁々発止が、いゃあ、いいねぇ〜」

白い巨塔やドクターXなんかは医局に医者が沢山いたし、教授、准教授もいた。カンファレンスも大会議みたいな感じだったけど、”振り返れば奴がいる”での天真楼病院は一流有名大病院ながら、外科はなんと医者が少ない。

カンファレンスもこじんまりと中川外科部長と司馬先生、石川先生、大槻先生、峰先生、平賀先生、前野先生のみ。

それだけに患者が来たらてんてこ舞い。

石川先生がフル回転で、司馬は金になるクランケしか興味ないです。麻酔科の大槻先生(千堂あきほ)、峰先生(松下由樹)は研修医で前野先生は?あと平賀先生(西村雅彦)は二流ドクター。

西村雅彦が演じる平賀ドクターは面白くて人間味のある演技でした。しかし、最後に…。   そして外科のトップである、中川外科部長は天真楼病院に来てからオペをしていない。大学の時は世界中から患者がきて、難しい外科手術を行っていたのだが…。

では今は何をしてるか?いつも精密ドライバーで趣味のようなカメラをちょこちょこ弄ってばっか。   実は中川部長、東都医大での手術ミスからメスを持てなくなった、、、

そのミスは、全て司馬が責任を取らされた。

東都大のオペ室で「頼むよ、司馬くん、頼むよ」と司馬の前で正座する中川助教授。それからというもの中川は司馬の言いなりになってしまう。   何度も司馬は暴走し、石川がそれを咎める、そして部長の元へ行き、

石川「司馬を糾弾して下さい!」と何度も訴えに行くが、

中川「こればっかりは仕方ありません」とか「無理な相談です」なんて言葉で片付けられ、石川はいったい何故なんだ?!と憤慨する。

それでも司馬にドクターを辞めるよう迫る石川。石川は完璧主義者であり、司馬に拘り固執し続ける。それを見ていた麻酔科の沢子(大槻)先生に「結構粘っこい性格?」とか言われる始末。

石川は徹底して司馬を追い詰める。それでスキルスに罹ったのか?って位。いや多分そうだろうね。   Wikipediaで見たら、「振り返れば奴がいる」の役名は江戸時代の蘭学者から取ってきたものであると。知らんかった、やるね!三谷幸喜!

そしてこのドラマの好きなとこがサントラにある。

歩くたびに透き通る風

やさしさの選択

ドクター

エマージェンシー

フォークランケ

刻まない時間

大人たちの庭   …と色々あるんだけど、どの曲をとっても素晴らしい!

特に「大人たちの庭」は良い、とても良い!

悲しみを誘うリズムで、抑揚があり、全体を通してただ悲しいだけではない壮大なサウンドで、この曲を聴く度にまた“振り返れば奴がいる”を観たくなるんですな。  
さて、ストーリーに入ります。長くなります。   私は中川部長と司馬との間の台詞が大好きです。


 

ボールマンⅣ型アドバンステージの件

石川先生が人間ドッグに行ってから…末期のスキルスと判明する。

石川に告知するか、しないかで揉める。司馬は告知しろ!と峰に言う。峰、大槻、平賀、周囲は告知に反対し、中川部長が取り敢えず告知は辞めて胃潰瘍ということにしましょうと決まる。

しかし周囲の反対を退け司馬は石川にX線写真を見せ、「お前のだ。」と石川本人にスキルスを宣告する。

石川は、ショックを受けるも、「僕は癌にも、あの男にも負けない!」と決意した。


体外肝切除のオペの件

天真楼病院、外科挙げての大手術、体外肝切除を行うことになった。本来は外科部長である中川が執刀するべきなのだが、もちろん中川はオペが出来ないのを自覚しているので、カンファレンスで中川はものもらいということにし、やむを得ず「今回の執刀は司馬先生にお願いすることになりました」と不可解な言い訳で乗り切る。

長時間に渡るオペはリレー方式で行うことになる。

司馬〜平賀〜石川〜再び司馬で締める。

マスコミにも注目されてる、この手術を司馬は新記録10時間を目指すとの意見に、石川は突っ込む。

石川「オペはスポーツではないと思います!急げば必ずミスをする。慎重にやるべきだ!」

司馬も噛み付く。

司馬「君は寝ているべき人間じゃないのか?」

中川が間に入り「とにかく10時間台を目指しましょう」とその場を収める。

手術が始まって大学の教授らも集まり、司馬から執刀。そして平賀にバトンタッチ。そして大槻は中川が何故こんな大手術を行わないのか?不審がる。

平賀と交代した後に司馬はオットー製薬の星野と会う、医療器具の営業。オットーの星野(中村あずさ)は医療器具をオットーに変えていただければ35%の値引きで、あとの5%はどうにでもなります、司馬先生にお任せしますと迫る。オットーから司馬に金が渡るということである。

オットーのリストでヴァウンティ社のNRD(中性子放射線装置)を見ると表情を変える。「NRDを何としてでも入れろ!そうすれば医療器具の購入委員会で全てオットーにしてもいい」と司馬は言う。星野は「わかりました、それならば色々と必要かと…」とリベートの1000万円を司馬に渡し、「有効に使って下さい」と言った。   司馬は医療器具を扱う、もう一社の野田にも会う。野田は司馬に営業をかけるが、司馬には通じず「誠意を見せてくれ」と言った、それは金である。

そして野田は困り、中川に頼み込む。   中川は司馬を呼び出す。

司馬「大丈夫なんですか?ものもらいは?」

中川「意地が悪いねぇ、君も。」

司馬「何か?」

中川「おのくぼの野田さんに会いました、泣きつかれました、医療器具、オットーで一括するんだって?」

司馬「いけませんか?」

中川「ちょっとあからさますぎるねぇ…これはね、おのくぼの野田さんに頼まれたから言ってるんじゃありませんよ、君とオットーがつるんでる。そういう噂がたってねぇ…」

司馬「部長、御言葉ですがこの件に関しては、僕は一任されているはずですが」

中川「暴走はしないように、くれぐれも」

司馬「交換条件だったんです、NRDを一台取り寄せてもらいました」

中川「NRD?」

司馬「はい」

中川「これは忠告です。委員会が君の参加を認めたのは、現場の意見を反映させる為でねぇ、独断はまずいよ。少なくとも事前に承諾をえてねぇ…」

司馬「部長!」

中川「はい?」

司馬「僕に指図をするのはもう止めて頂けませんか?」

中川「えっ?」

司馬「立場をわきまえて下さい。ものもらいは通用するのも今回だけですよ、外科医はメスが持てなくなっては終わりです。お辞めになるんですか?あなたには無理だ。隠し続けるしかない」

中川「その話はやめ…」

司馬「僕が守ってあげます、僕はこれからもあなたをずっと守ります。今以上に。だからあなたは余計な事は言わない。今の地位を離れたくなければ、じっとしている事です、僕が全てやりますから」

中川「フフフッ、図に乗るなよ」

司馬「何か」

司馬「今、、、なんて、、、もう一度!」

中川「何でもありません」

司馬「下がって良いですか」

中川「どうぞ」

司馬「失礼します」(司馬、金を中川の机の上へ置く。)

中川「なんだよ」

司馬「忘れてました、オットーさんからあなたへのプレゼントだそうです」(司馬退室、中川睨む)

私はこの中川部長と司馬のシーンが一番好きですね!   そして体外肝切除は10時間以内で終わり、司馬はこの手術の新記録となる。

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購入委員会の件

中川「引導を渡すのは,、僕しかいないでしょ」

中川部長は石川にそう言って委員会で司馬を追求する為に立ち上がるも、司馬は平賀を盾にして逃れようとする。オットーの星野も司馬側に翻り、理事長にまで手を回して司馬はお咎め無しとなる。全責任は平賀に押し付けられた。よって平賀は懲戒免職となる。

司馬「部長、お互い生き延びたじゃないですか」

中川「理事長にはいくら渡したの?悪い奴だなぁ」


 

笹岡さんの件

笹岡さんが倒れる前に屋上で司馬は二人で話す。

司馬「クラリネットの件ですが.......申し訳ない思ってる」

笹岡さんは他に生き甲斐を見つけたよ、とスーパーマリオ2(ゲームボーイ)を司馬に手渡す。

笹岡「それよりさ、一つ頼みがあるんだよ。俺さぁ、そろそろ死ぬような気がするのね。逝く時はさぁ、あっさり逝きたいんだよ。苦しむの嫌だし、家族にも迷惑かけたくないし、長引くようだったらスパッとやっちゃってくんねぇかな」

司馬は笹岡さんにリビングウィルの話をする。尊厳死ってやつです。

笹岡さんは「ありがとう、先生!」と言う。

そして間もなく笹岡さんが倒れる。もって今夜だと診断する司馬、峰に家族を呼んでやれと。司馬はケースワーカーの稲村(佐藤B作)に笹岡さんがそちらへ手続きに行っていないか、尋ねる。しかし稲村に来てないなぁ、知らないと言われる。

稲村「来る前に倒れたってことか…どうなの?駄目か?やっぱり」

司馬「どうも」

石川は笹岡さんを延命させる為、処置をする。司馬は無駄だ!苦しんでるのが分からないのか?と石川に言う。石川の具合が悪くなり、笹岡さんの部屋から石川は一時立ち去る。

その間に司馬は笹岡さんの部屋へ訪れる。笹岡さんは司馬の襟を掴み苦しむ。その姿を見て司馬は「わかった」と答えた。そして、ナースらを退出させる。ナースは不安がるが、司馬は何かあれば僕が責任を取ると言って笹岡さんと二人になった。

約束通り司馬は、劇薬ペタロルファンを笹岡さんに打つ。

司馬に微笑みを浮かべ、安らかに息を引き取る笹岡さん。司馬は退出し、ナースが部屋に戻る。笹岡さんの異変を発見し、峰を呼ぶ。

石川らは何故だ?何故こんな早く逝ったんだ?そこにナースが来てペタロルファンの事を言う。

石川「何故だ!何故ペタロルファンを打った!」

司馬「緊急処置だよ、俺が必要だから打った」

石川は中川部長に事実関係の究明を願いに行く。

石川「司馬は墓穴を掘ったよ、これであいつもおしまいだ。僕にとって彼を倒すチャンスなんだ!」と。

中川「あなたにしては軽はずみだったですね。どういうことなんでしょ」

司馬「どうせ死ぬクランケを無理矢理もたせてどうするんです。笹岡さんは早く死んだほうが、本人と皆んなの為だったんです。家族の負担は無くなるし、僕も別のクランケにつける、助かる見込みのある。ベッドも空くし、新しいクランケも入ってこれる。いい事づくめじゃないですか、安っぽいヒューマニズムでクランケを生かしておく事は僕はウンザリだ」

中川「なんでそんなにベラベラ喋るの?認めちゃっていいんですか?」

司馬「あなたを信じてますから。僕がここを去る時は、あなたも当然一緒だ、あなたはそのことを解ってらっしゃる。だから、喋るんです」

中川「納得しました」

  中川は石川に、証拠がないんです、こればかりは仕方ありませんと告げるが、憤慨した石川は笹岡さんの家族へ司馬の殺人とも言える行為を告白する。

 

中川「誰かがリークしたんだね、そうでも無きゃ笹岡さんの家族が、直接理事長に訴える訳がない。取り敢えず告訴は待ってもらったらしいですがね、事実関係を確かめにここに来るそうです。トラブル続きでね、あの人も相当おかんむりだったねぇ、実弾ももう通用しないでしょう、切り抜けられますか?司馬先生」

司馬「あなた次第、、、でしょ?」

中川「そういうことに、なるか、やっぱりねぇ」


  ペタロルファンで病院中がその噂になり、大槻は中川の部屋に呼ばれる。

中川「司馬先生の事なんですがね、辞めて貰うかも知れません。彼の言い分も分からないではないんでね、親父さんを膵臓癌で、、、最期は植物状態だったようです。治らない患者の家族の気持ち、彼はよーく分かってるんですねぇ」

大槻「だったら笹岡さんの家族ともっとよく話すべきだったんじゃ」

中川「彼はいつも独断で行動するからねぇ」

大槻「良いと思いますよ。こうなった以上司馬が責任を取るべきだと思います。司馬は先生に憧れて医者になったんです、だから先生からオペのミスを庇ってくれって頼まれた時かなりショックだったと思います、それからですよ!司馬が、人を信じなくなったのは。先生にはいつまでも立派な先生でいて欲しかったんじゃないですか」


理事長、中川部長、司馬、石川の会談。

理事長に事実関係を追求された司馬はすべてを認め、病院を辞めることを決める。

司馬「辞めさせていただきます。」   石川は意気揚々と峰の元へ。

石川「司馬が辞める、遂に倒したよあいつを、遂に!」   一方、中川部長の部屋で、

中川「君が辞めても僕は辞めませんよ、僕には家族がいます」

司馬「あなたが辞めることはない、僕は死ぬまで黙ってます、先生、、、色々ありがとうございました。」司馬は退出する。   石川と司馬がすれ違う…。

ここで「大人たちの庭(ストリングスバージョン)」が流れる。


 

最終回

石川は最後血を吐いて倒れる。

司馬が石川先生を最後執刀する。最初石川は拒むが、峰先生の説得で執刀医を石川は司馬に決めた。

司馬「これより、胃全摘、膵脾合併切除術を行う、宜しく。メス。コッヘル、レーザメス・・・腹腔内を検索する、癌病巣はレントゲン診断通り、胃体及び胃各部までほぼ全身を取り巻くスキルスだ、ステージを見る。Hはゼロ、Pもゼロ、SはS1、Nは、、、(峰、大槻と顔を見合わせる)」


中川部長の部屋にて。

中川「皮肉なもんですねぇ、白と黒の二人が同じ目的に向かって、一緒に闘ってるんですからねぇ。僕はね、二人共失いたくないんです、あんなに熱い奴らなかなかいませんから、何とか頑張って欲しい。助かって貰いたいですねぇ」

稲村「部長…」


  再び手術室。

司馬「クーパー、結紮、、、・・・結紮!」

峰「はい!、、、結紮!クーパー!」

司馬「右胃動脈の切離に移る、リネアカッター・・・十二指腸断端は埋没縫合とする、十二指腸の授動術に移る、膵頭部後面、13番のリンパ節は少し…腫れてるかな…。次、12番のリンパ節は、、、」

峰「リンパ節がだいぶ腫れてるようですね、転移でしょうか?」

司馬「ここで腹腔動脈の処理に移る、ケリー」

峰「結紮」

司馬「クーパー、環状静脈を結紮、ケリー」

峰「結紮」

司馬「クーパー、脾動脈は根部で、錐体部も同時に切離する、ケリー」

峰「結紮」

司馬「クーパー、左胃動脈も二重結紮後切離する、ケリー」

峰「結紮」

司馬「クーパー、食道周囲の処理に移る、再建術式はルーワイ、アンテコリカによって行う、自動吻合機を使用する・・・直角鉗子、食道から胃を切離する、メス・・8番9番のリンパ節と12番のリンパ節と胃と一緒に摘出する、28ゲージオートスーチャーを用意しろ・・・空腸断端はリネアカッターにて処理する、リネアカッター、汗!続いて腸吻合に移る、バイクリル・・クーパー、腹腔内を洗浄する、洗浄水・・吸引、よし!ドレーンを挿入して終わりとする」

手術は奇跡的に成功する…   石川と司馬の最期の握手。

でも術後すぐに、肺梗塞を起こす。急いで司馬は石川の病室に走り戻る。これでもか!って位に胸を強打!

そして目いっぱいの力で心臓マッサージをする。ベッドが揺れるほど。

石黒 賢さん胸、痛くなかったのか??

まさにここは、二人共に迫真の演技だ!  

司馬「戻ってこい!石川ーっ!戻ってこいー!」

石川先生が亡くなって、病室から出た司馬は中川先生とすれ違う。

二人が無言で立ち止まるシーン。言葉が無くても充分伝わるだろう、この二人の感情を表している。ここでも”大人たちの庭(ピアノバージョン)”が流れるんだけど、この石川先生を救えなかったやるせないシーンと、この曲が最高にマッチしてて泣けて来る…。

そして病院を出た司馬は、恨みをかった平賀に後ろから刺され、平賀を睨みながら崩れ落ちた。

 


 

最後に。

この時代だったからなんでしょうね、とにかく出演者が皆んなタバコを吸ってるんですよ。

特に司馬は常にタバコ吸ってるシーンばっかりでした。司馬がヘビースモーカーっての設定があるのかも。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。