kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出と幾何学模様の迷路

スキルス性胃癌

久々に振り返れば奴がいる、を観たが。
亡くなった母さんの胃癌はスキルスだったと、確信した。
担当医は手遅れの胃癌との説明しか無かったが、亡くなってから色々自分で調べてやはりスキルス性胃癌だと。

母さんと二人で何回も、振り返れば奴がいるを観た。
母さんは織田裕二が好きだったから…

腹水が溜まり病院に行ったのが、始めだった。
母さんは極度の便秘で何回も、過去に救急車を呼んで、その度ただの便秘による腹痛と診断されていた。
精密検査もしていた。なのに、胃や腸に異変は無かったのだ。
今回もそれだと、思いこんでいた。

2013年の正月、一気に痩せて来たのを感じてはいたが、太るのは嫌だと言っていたので、母さんにとっては良いことなのかな?位だった。
2012年の写真と比べたら一目瞭然。
ふっくらした笑顔だった。
10年間かけて進行していた癌とは思えない、今思えば。一気に襲われた進行ガン、
やはりスキルス性胃癌だったんだ。

スキルス性胃癌は胃壁内に癌細胞が浸潤して、胃壁外を突き破り腹膜に転移し腹膜播種を起こす。リンパ節にも転移していく、極めて悪性な癌だ。
進行が進むと、癌がお腹の全体に種状に散らばる、すると手術が不可能になる。
担当医からもそう言われた。腹膜播種だと。
手術は出来ないと。

母さんの闘病生活は8ヶ月だった。
当初は抗ガン剤TSー1、胃癌には効果的な投薬で、安定維持出来ると色々調べ確信していた、が。母さんは抗ガン剤TSー1を3ヶ月程で辞めてしまった。
続けるよう説得したが、やはり吐き気が止まらないと苦しんでいた。
続けていれば、あんな早くは逝かなかっただろう。

胃癌の腹水が溜まった状態でもTSー1による化学療法は有効的だとのちに知る。
今改めて母さんのレントゲンを見ると胃全体が癌に覆われてる。
振り返れば奴がいる、の石川先生と同じだ。
これはレントゲン写真を自分が書き写したもの。
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腹膜播種を、腹水が溜まる前に、病院へ行ってたら、外科的に手術が出来ただろうか?
自覚症状が無かったんだ、無理だったろう。
ただ、痩せていたのと、食事の量が減ったという位。
みずおち付近の痛みも訴え無かったし、吐き気、悪心も無かった。
四六時中母さんといたから、母さんが我慢していたということは絶対無い。
自覚症状が無いのもスキルス性胃癌の特徴。
闘病時、担当医以上に俺は母さんの生検での血液検査の数値を毎度調べていた。

TSー1はある程度は効いていた、服用し始めてから、各数値は改善していた。
肝機能は辛うじて基準値を少し上回る位、LDHは254〜275と高かった、だから肝臓への転移もあったかも知れない。
ただ赤血球、Hgb、ヘマトクリットが低下、血糖ヘパリンも数値は高かった。貧血もあった。出血からだろう。
だから貧血気味だったのはあった。
クレアチニンキナーゼもやはり軽度の上昇を示す数値500前後。
そして腫瘍マーカーCRPは1.44と依然高いまま。細胞の損傷が激しい。
好中球の基準値はある程度あった。
でもやはり白血球数は下がらない。
母はそんな数値など言っても分からない、だから良くなってるよ、と言ってあげてた。

化学療法をやめたあの日、食事療法で良くなってくれればと、色々試した。
キノコ類の摂取。舞茸をつかったスープ、カバノアナタケに目を付け、煮汁を飲ませた。あと大量のビタミンCの服用、ナトリウムがゼロのやつだ。
塩分は絶対駄目。
食べる量は少ないが食欲はあった、あれが食べたい、これが食べたいと。
でも可哀想だが制限していた。
食べる量が少ないのは胃が硬くなり、小さくなってる、ということ。

そうした生活を送っていた2013年が終わる年まで、かなり余力を取り戻し、腹水は溜まるが、かなり元気を取り戻していた。
効果はある!と。まだまだ元気じゃん!そう元気だった、少し辛そうだったけど。

しかし2014年を迎え、一気に来た。
あっという間に、まるで人が変わったように…

1月中は、ほぼ寝たきりになる。そして2月5日に急変し、息を引き取った。

癌が憎い。けど、俺は癌なんて怖くない。
知り合いの女性が癌で
「あなたに私の気持ちがわかるの!?」と言われたことがある。
「なった人でなきゃわかんないの!」
そりゃ、そうだ。
彼女の気持ちは痛い程よく分かる。

でも、俺も母さんと同じ胃癌で亡くなりたい、と思ってる。
癌に罹ったとしても、俺は治療なんてしないよ。無駄に足掻いてもしょうがない。人間決められた寿命であり、運命なのだ。
俺はいつ死んでもいい。

色々な死に方を人は迎えるが、
実は癌で死んだほうが楽なのだと、思ってる。
ただそれは外科的手術や化学療法を行なったりして、癌と闘い、生き続けるのは苦しみを伴う。
癌に抵抗せず、自然療法で、先に挙げた食事療法とか。
そのまま自然に生活し、癌と共に一生を終える。
癌の種類にも寄るが、抵抗しなければ、苦痛は伴わずに死ねるのだ。
そりゃ、生きて癌と闘いたい人は闘えばいい。
健康な人でも癌細胞は常に毎日身体の中で生まれてる。
人は癌と共に生きているのだ。
だから、何回も言うが母さんを蝕んだ癌は憎いけれど、母さんがああいう最期を迎えて、癌に対する見方が変わった。
自分が死ぬなら、母さんと同じく胃癌で死にたい。